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02.メイン攻略キャラの神薙くんに会えるんですか!?
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「なんか廊下まで凄い響いてたけど、どうしたのー?」
「おわー!!!鈴ちゃん!!!」
私は教室の入口から入ってきた少女を見て叫んでしまって慌てて口をふさぐ。
「……鈴『ちゃん』?」
私、乙女ゲームの世界に転生?かな?してしまった元アラサー社畜女、宮本恵名。現、この乙女ゲーの主人公の友達の一人、速水彩衣。を、訝し気な目で見ているもう一人の主人公の友達、サラサラロングの黒髪メガネクールビューティー少女、小林鈴は足を止め、ぽつりと呟いた。
その言葉で私はハッとする。ああ、そうだったそうだった!
「あ、なんでもないよ!鈴!ごめんごめん!ちょっと寝ぼけてて!」
私、彩衣は小林鈴を『鈴』と呼んでたっけ。
えーっと、彩衣は気さくな明るいキャラで……一凛ちゃんのことも一凛って呼んでたよね……確か。
一凛と鈴。OK、で、一人称は私。
ハッ!家はどこなんだろう!あ……わかるや……あーよかった……。
「何、一人で百面相してるの?本当に大丈夫?」
鈴ちゃんにそう言われた。
「あ、うん!大丈夫!」
「鈴ちゃん……彩衣ちゃん、さっきからなんか変で……彩衣ちゃん!これから一緒に神社行こう!」
「へ!?」
おっと!どうしたこれは!?私は神社というキーワードに驚く。
「あの……ちょっと……詳しくは言えないんだけど……ちょっと!神薙くんのところに行こう!」
「え!?」
私の表情が笑顔になる。二人は、え?という顔をした。おっといけない。
「あ、い、いや……だ、大丈夫だよー。私、けが……」
っとー!あぶない!!!あぶないあぶない!
『穢れてないし魔物にも憑りつかれてないよ!』とか言うとこだった!
私は穢れや魔物や退魔師のことは知らない設定だもんね!宝玉のことも!!!
え、でも神薙くんに会えるの!?え!会いたい!
神薙くんってこの乙女ゲームの話のメイン攻略対象キャラじゃん!!!こんな早くに見られるとは思わなかった!!!
「あー……でも、一凛ちゃ……一凛がそう言うなら……行こうかな?心配かけるのもあれだし……」
「うん!行こう!あ、鈴ちゃんは……ちょっと……ごめん……できるだけ少人数で行きたいから……」
鈴ちゃんは、ふぅ……と、息をついて、
「なんだか知らないけど、神社でお祓いでもしてきてもらいな。確かに何かおかしいから。じゃあ私は帰るよ。また明日ね。」
「うん!ありがとう!鈴ちゃん!」
「はーい、ばいばーい。」
鈴ちゃんは行ってしまった。
3人グループの難しいところよねー、こういうとこ……。と、私は学生時代を思い出してしみじみとしていた。すると、
「じゃあ!彩衣ちゃん行こう!」
一凛ちゃんが心配そうな表情で私に顔を向けた。
たはは……心配かけてごめんね、穢れでも魔物でもないんだけど……ほんとごめん。こんな純情な子を……。
まぁ、だから、モテるんだけどねー……いーよなー、乙女ゲーの主人公は。
私はそう思いながら、チャラチャラとアクセサリーのたくさんついた鞄を持った。
「おわー!!!鈴ちゃん!!!」
私は教室の入口から入ってきた少女を見て叫んでしまって慌てて口をふさぐ。
「……鈴『ちゃん』?」
私、乙女ゲームの世界に転生?かな?してしまった元アラサー社畜女、宮本恵名。現、この乙女ゲーの主人公の友達の一人、速水彩衣。を、訝し気な目で見ているもう一人の主人公の友達、サラサラロングの黒髪メガネクールビューティー少女、小林鈴は足を止め、ぽつりと呟いた。
その言葉で私はハッとする。ああ、そうだったそうだった!
「あ、なんでもないよ!鈴!ごめんごめん!ちょっと寝ぼけてて!」
私、彩衣は小林鈴を『鈴』と呼んでたっけ。
えーっと、彩衣は気さくな明るいキャラで……一凛ちゃんのことも一凛って呼んでたよね……確か。
一凛と鈴。OK、で、一人称は私。
ハッ!家はどこなんだろう!あ……わかるや……あーよかった……。
「何、一人で百面相してるの?本当に大丈夫?」
鈴ちゃんにそう言われた。
「あ、うん!大丈夫!」
「鈴ちゃん……彩衣ちゃん、さっきからなんか変で……彩衣ちゃん!これから一緒に神社行こう!」
「へ!?」
おっと!どうしたこれは!?私は神社というキーワードに驚く。
「あの……ちょっと……詳しくは言えないんだけど……ちょっと!神薙くんのところに行こう!」
「え!?」
私の表情が笑顔になる。二人は、え?という顔をした。おっといけない。
「あ、い、いや……だ、大丈夫だよー。私、けが……」
っとー!あぶない!!!あぶないあぶない!
『穢れてないし魔物にも憑りつかれてないよ!』とか言うとこだった!
私は穢れや魔物や退魔師のことは知らない設定だもんね!宝玉のことも!!!
え、でも神薙くんに会えるの!?え!会いたい!
神薙くんってこの乙女ゲームの話のメイン攻略対象キャラじゃん!!!こんな早くに見られるとは思わなかった!!!
「あー……でも、一凛ちゃ……一凛がそう言うなら……行こうかな?心配かけるのもあれだし……」
「うん!行こう!あ、鈴ちゃんは……ちょっと……ごめん……できるだけ少人数で行きたいから……」
鈴ちゃんは、ふぅ……と、息をついて、
「なんだか知らないけど、神社でお祓いでもしてきてもらいな。確かに何かおかしいから。じゃあ私は帰るよ。また明日ね。」
「うん!ありがとう!鈴ちゃん!」
「はーい、ばいばーい。」
鈴ちゃんは行ってしまった。
3人グループの難しいところよねー、こういうとこ……。と、私は学生時代を思い出してしみじみとしていた。すると、
「じゃあ!彩衣ちゃん行こう!」
一凛ちゃんが心配そうな表情で私に顔を向けた。
たはは……心配かけてごめんね、穢れでも魔物でもないんだけど……ほんとごめん。こんな純情な子を……。
まぁ、だから、モテるんだけどねー……いーよなー、乙女ゲーの主人公は。
私はそう思いながら、チャラチャラとアクセサリーのたくさんついた鞄を持った。
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