5 / 9
05.私の部屋。
しおりを挟む
「今晩、何時までに帰れば僕は君の親御さんに通報されない?」
手を握られたまま、西園寺璃央の長い脚で歩くペースに早足で追いついていると、西園寺璃央は正面を向いたままそう聞いてきた。
「……別に何時でも……あの人ほとんど家に帰ってこないから」
「……ふーん、何か君も訳ありなんだね。まぁ、死のうとしてたくらいだしね」
ははっと西園寺璃央は笑った。
『君も』という言葉が少し気になったが、私は別に聞こうとは思わなかった。
どうでもいい、すべてがどうでもいいんだ。
どうせなら、この豪邸で監禁されてぼーっとした毎日を過ごしたいくらいだ。
「じゃあ、しばらく泊まっていける?」
「…………」
西園寺璃央から、私の心を読んだかの様な言葉が飛んできて私は少し目を見開いて驚いた。
「あ、何か初めて表情変わったね。嫌? それとも嬉しいの?」
西園寺璃央は、はははと笑っている。
「…………」
何と答えていいかわからず、まさか嬉しいとも言えず、私が戸惑っていると、
「まぁいいや、後で君の身辺調査して親御さんに連絡しとくから」
「え!」
「あ、今度は驚きの表情だ。しかも何か複雑そう」
西園寺璃央は愉快そうに笑っている。何だかちょっと腹が立つ。
「……勝手にしてください」
「そうだよね、君はもう拾った僕の物だからね」
「……はい」
無表情で私は答えた。
早足で歩きながら話していると、ある一室に着き、西園寺璃央はひんやりとした手を放し扉を開いた。
「ここが今日から君の部屋ね。後で使用人に着替え持ってこさせるから、シャワー浴びて着替えて待ってて」
「はい……」
シャワー浴びて着替えてか……これからセックスするのかな。
処女だから不安はあるけど仕方ない。どうでもいいや。
私は部屋へと入った。
手を握られたまま、西園寺璃央の長い脚で歩くペースに早足で追いついていると、西園寺璃央は正面を向いたままそう聞いてきた。
「……別に何時でも……あの人ほとんど家に帰ってこないから」
「……ふーん、何か君も訳ありなんだね。まぁ、死のうとしてたくらいだしね」
ははっと西園寺璃央は笑った。
『君も』という言葉が少し気になったが、私は別に聞こうとは思わなかった。
どうでもいい、すべてがどうでもいいんだ。
どうせなら、この豪邸で監禁されてぼーっとした毎日を過ごしたいくらいだ。
「じゃあ、しばらく泊まっていける?」
「…………」
西園寺璃央から、私の心を読んだかの様な言葉が飛んできて私は少し目を見開いて驚いた。
「あ、何か初めて表情変わったね。嫌? それとも嬉しいの?」
西園寺璃央は、はははと笑っている。
「…………」
何と答えていいかわからず、まさか嬉しいとも言えず、私が戸惑っていると、
「まぁいいや、後で君の身辺調査して親御さんに連絡しとくから」
「え!」
「あ、今度は驚きの表情だ。しかも何か複雑そう」
西園寺璃央は愉快そうに笑っている。何だかちょっと腹が立つ。
「……勝手にしてください」
「そうだよね、君はもう拾った僕の物だからね」
「……はい」
無表情で私は答えた。
早足で歩きながら話していると、ある一室に着き、西園寺璃央はひんやりとした手を放し扉を開いた。
「ここが今日から君の部屋ね。後で使用人に着替え持ってこさせるから、シャワー浴びて着替えて待ってて」
「はい……」
シャワー浴びて着替えてか……これからセックスするのかな。
処女だから不安はあるけど仕方ない。どうでもいいや。
私は部屋へと入った。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。
櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。
ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。
気付けば豪華な広間。
着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。
どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。
え?この状況って、シュール過ぎない?
戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。
現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。
そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!?
実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。
完結しました。
執着系逆ハー乙女ゲームに転生したみたいだけど強ヒロインなら問題ない、よね?
陽海
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生したと気が付いたローズ・アメリア。
この乙女ゲームは攻略対象たちの執着がすごい逆ハーレムものの乙女ゲームだったはず。だけど肝心の執着の度合いが分からない。
執着逆ハーから身を守るために剣術や魔法を学ぶことにしたローズだったが、乙女ゲーム開始前からどんどん攻略対象たちに会ってしまう。最初こそ普通だけど少しずつ執着の兆しが見え始め......
剣術や魔法も最強、筋トレもする、そんな強ヒロインなら逆ハーにはならないと思っているローズは自分の行動がシナリオを変えてますます執着の度合いを釣り上げていることに気がつかない。
本編完結。マルチエンディング、おまけ話更新中です。
小説家になろう様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる