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04.白亜の豪邸と冷たい手。
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西園寺璃央の家に着くと、案の定豪邸だった。
勝手に開く大きな門。
そこから車で数分走る。
車が止まったのは、使用人が並ぶ白亜の豪邸。
車の扉が開き、使用人が私を見て戸惑っていた。
きっと西園寺璃央がいると思ったのだろう。
ごめんね、こんな貧相な死にぞこないの一般人がいて。
そう思いながらも私は表情を変えず車から降りた。
使用人がどよめく。
はー、立派なお家だわ。
こんな家に住んでれば幸せに生きられたのかな……。
無表情で豪邸を見上げていると、
「戻ったよ、彼女はパーティーで知り合った友人。今からお茶するから準備して」
「……あ、あの……坊ちゃま……」
「なぁに? 僕はパーティーで疲れているんだ。早くお茶にして」
ジーンズにロングTシャツという、どこからどう見てもパーティーにはいないであろう私を『知り合った友人』と称し、困惑する使用人に綺麗な笑顔で圧をかける西園寺璃央。
こわっ。この人怖いわ。
「さ、行こう」
「!」
私が引いているといきなり西園寺璃央に手を握られた。
きっと彼は丁寧にハンドマッサージやネイルのケアをされているのだろう、西園寺璃央の手は絹のように柔らかかった……だけど、ひんやりと冷たかった。
勝手に開く大きな門。
そこから車で数分走る。
車が止まったのは、使用人が並ぶ白亜の豪邸。
車の扉が開き、使用人が私を見て戸惑っていた。
きっと西園寺璃央がいると思ったのだろう。
ごめんね、こんな貧相な死にぞこないの一般人がいて。
そう思いながらも私は表情を変えず車から降りた。
使用人がどよめく。
はー、立派なお家だわ。
こんな家に住んでれば幸せに生きられたのかな……。
無表情で豪邸を見上げていると、
「戻ったよ、彼女はパーティーで知り合った友人。今からお茶するから準備して」
「……あ、あの……坊ちゃま……」
「なぁに? 僕はパーティーで疲れているんだ。早くお茶にして」
ジーンズにロングTシャツという、どこからどう見てもパーティーにはいないであろう私を『知り合った友人』と称し、困惑する使用人に綺麗な笑顔で圧をかける西園寺璃央。
こわっ。この人怖いわ。
「さ、行こう」
「!」
私が引いているといきなり西園寺璃央に手を握られた。
きっと彼は丁寧にハンドマッサージやネイルのケアをされているのだろう、西園寺璃央の手は絹のように柔らかかった……だけど、ひんやりと冷たかった。
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