私達の『異世界』

蜩 輪廻

文字の大きさ
上 下
6 / 15

平凡でもない日常と不思議な夢

しおりを挟む


不思議だ。とても不思議だ


ここはなんだろう?どこだろう?


見たこともない建物、動く平べったい何か、三色に光るよくわかんないの。


此処は……おれは……?


「ねぇ、この曲聴いたー?
チョーサイコーじゃない?」
「分かる分かるー
この曲、AGERTのでしょ?」
「そうそう!!」

…….何を言っているんだ?彼女たちは

服装も……この二人、同じ服を着ているがどういう訳だ?
一体、いったいなんなんだ?

プー!!と甲高い音が聞こえた。まるで金属の音の器みたいな

「もしもし……こちら、丸口製薬です」
「あ、やっときたぁ」
「いこいこ!」
「あぁ……急がなきゃ。此処から会社まであと何分だ……?」
「学校だりぃ……」
「こちら、新しくオープンしたレストラン『メルフォーデム』でーす!よろしければお立ち寄りくださーい!!」
「あら、親切な人ねぇ」
「眠い……」
「こらぁっ!どこ見て歩いてんだ!!」
「こわ……」
「なにあれー」

沢山の、たくさんのこえがきこえた。
一気に耳に入ってよくわからない、頭がおかしくなりそうだ。

たくさんの色とりどりの服を着る男女たち

何かに向かって喋りかけるおかしな人

なんだ、此処は

煩い、煩い、煩い、煩い、煩い、煩い、煩い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い、うるさい、うるさい……うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい………………!!!!


ーーここは、どこだ!?




「おい!起きろってシグ!!」
「!」
目を覚ますと、サカハがすぐそこにいた。凄い心配してそうな顔で僕を見ている
ここはいつもの、僕の天幕だ。

なんだ、夢なんだ……

「お、おはよう、サカハ?」
「ばっか、お前……もう太陽さんも天辺に登りかけてんぞ?」
ぺしり、おでこに当たるところに(サカハ曰くの)みんなが嫌がるデコピンという必殺技を食らった。……痛くない

「ったく……加減してやったんだからな!
それより、報告書は?」
「あ……うん、出来た」
机の上に置いておいた報告書を、サカハに渡した。
文字の確認はサカハがしてくれる。いつもお世話になってばっかりだな……

「どうなんだ?」
「……うん。大丈夫そうだな!
つーか、初めて会った時に比べたらずいぶん上達したな!!」
よしよし!と頭を撫でられる
この行動は僕を褒めている時にやってくれる。だから、好きに撫でてもらう
荒いはずなのに心の部分がとても落ち着いて、楽だ。とても。

しかし、心に引っかかる感覚というのが生まれた……これは、疑問が出てきた時に出る症状だった、はず
んーと考えて、分かった。今回はとても簡単だ。

「…….でも、サカハは口悪くなったよね」
「ん?これは地だよ!口悪い言うな!」
サカハは、僕の字が上手くなっていくみたいに口が悪くなっていった。
もともと、サカハはみんなから貴族みたいだなって揶揄われるぐらいに口が綺麗だった、らしい。僕はいまいち覚えてないけど。
僕がそうだと知っているのは周りの人がサカハにそう言っていたからだ

「まぁ。ともかく、僕も頑張るよ……」
「…………シグ」
「ん、なに……?」
ベシッ!と強い痛みがおでこに出来た。

え?なに?なにが起きたの?

サカハの方を見やれば、必殺技のデコピンの形を右手にしていた。

……痛い。ジンジンする
これが必殺技の威力か…………いたい

「また、って言ってんぞ」
「あ……」

そうか、知らずの間に言ってたのか。
なるほどまだ、抜けていないのか……

「すまない、俺は……」
「いやこっちこそつい、な」
「…….今度から、気をつける」

「じゃ、そろそろ行くぞ
報告書出さないと、カショウが怒るからな」
「ん……」
カショウか。確かに、彼女が怒るのはそこまで怖くはないが色々と頼み事をされて面倒だ




あれ?


そういえば、俺は何かに恐怖みたいな感情を持ったような……?


気のせいか。なんだ、変なこともあるもんだなぁ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

処理中です...