姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【真幕・第1章】あねもね華撃っ 後編 !

2.強引に先生をベッドに押し倒しますっ!

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「――先生?」

 鼻息を殺しつつ、あまり裸体を視界に入れないように接近。
俺の足音や呼び掛けに全然反応がない。スゥスゥと寝息が聞こえる。

(冗談だろ!?)

 お風呂上がり、程よくエアコンで冷やされた寝室。
気持ちよくなって下着も付けずに寝入ってしまったようだ。
しかし、この状態のまま放置して帰るわけにもいかない。

「明石先生!! 起きてください! なんて格好で寝てるんですか!」

 ベッド脇にしゃがみこみ、よそを向いて先生の肩をモールス信号のように叩く。
二度三度叩いているうちにどこを叩いているのかよくわからなくなってきた。

「ん……んぅ」
「先生! 下着持って来ましたよ!?」

 片手に持っていた下着を目を閉じながら先生の体の上に置こうとしたその時……
もの凄い力で手を引っ張られて、体ごと先生の上に乗っかる形になってしまった。

「ついウトウトしてしまったようだ」
「せめて下着は付けてください……」
「もう付けてもいいのか?」
「どういう意味ですか……」

 明石先生は下から腕を俺の背中に回して完全にホールド。
馬鹿力は姉以上だろう。離れようとしても引っぺがすことができない。
肌の柔らかみとボディーソープの香りで頭が変になりそうだ。

「あたしは噂の痴女先生だぞ。健全な男ならパコりたいだろ?」
「はあ……」
「ほら。あとはお前も脱いで好き放題しろ!」

 自分の股間が先生の片足に当たっている。
だから、明石先生は俺が欲情して興奮状態だと思っているようだ。

「先生……苦しいので力を緩めてください!」
「ああ、悪い。少し冗談が過ぎたな」

 むくりと起き上がると手渡した下着をスルリと着用し始めた。
あまりにスムーズな動きに瞬きやよそ見をする暇もなかった。
真っ赤な下着姿もよく似合う。官能的かつ挑発的なスタイルである。

「うーん。目のやり場に困る」
「別に見てもいいぞ? チンコ勃って困るのか?」
「勃ってません!」
「嘘をつけ。さっき太ももに鉄の棒が当たってるのかと思ったぞ!」

 確かに勃っている。それは、このハイツに入ってからずっとだ。
屋内の匂い、入浴する音、ベッドルームの雰囲気が胸を高鳴らせて興奮度を高めているだけだ。明石紅衣に反応するのかどうかはを取ればいい。

「先生、少し俺の手を握ってもらえませんか?」
「んん? 手ぇ? これでいいのか?」

 俺が差し出した右手を明石先生はギュッと握り返した。
すると、パンツの中の勢いはすぐに沈静化した。いつものトラウマだ。

 女性の肌にしばらく触れていると勃起しなくなるのである。
例外は二人だけだ。一人目は姉の紗月、二人目は愛しの結城加奈子さん。
この二人に関しては触れるだけで極度に興奮してしまう。

「ふぅ。おさまった……」
「紗月の言う通りインポ君なのか?」
「やっぱり、今回の件は紗月姉やつが絡んでますね?」
「そうだ。困った時は蒼ちゃんに頼めばいいと言っていたからな」

 またしても裏から手を回している悪姉あね
次こそはエロ以外での見返りを要求しなければ……








★★★








 紗月姉は俺をトラブルシューターみたいに扱う。
四条春香せんぱいの男性恐怖症の克服や進路の考え直しも姉の内意で手を貸した。
ひょっとすると荒木鈴スズの空手男撃退も裏で紗月姉が動いていたのかもしれない。
そして、今回は新担任で姉の師でもある明石紅衣だ。

「……で、先生は困ってるんですか? 姉が俺に頼めと?」
「お前は女の扱いに慣れていると聞いている」
「慣れてません……接する機会が多いだけです」

 明石先生はクローゼットからグレイのジャージを出して着替え始めた。
このあと学校に戻って女子空手部の指導に当たるつもりなのだろう。

「では聞くが、さっきの状況でお前以外の男子高生ならどうなっていたと思う?」

 俺が部屋に入った瞬間、ベッドには一糸まとわぬ先生が横たわっていた。
しかも、腕を引っ張られて強引に抱きつかれたのだ。

「他のヤツなら今頃一戦交えてますよ」
「――だろうな。そういう年頃なんだ。仕方ない」

 ふと窓の外に視線を移す先生の表情は少し物憂げに見えた。
いつもながら女性のこういった細かな変化は見逃さない。
明石紅衣はなにかを言いたがっている。なにかを望んでいるように思える。

「あ、そうか。先生の噂が結果的に事実だとしても内容が全然違うんですね?」
「う……鋭いな青山弟」

 先生はベッドに座って隣りをポフポフと叩いている。
地べたに座る俺にここに来いと言っているようだ。

「明石先生は俺になにを望……いや、紗月姉の指令はなんなんですか?」
「よし! あたしを押し倒せ! 力いっぱい押し倒せ!」
「は!? なにを言ってるんですか!?」
「口で説明するより実践するほうが早いんだよ! 早くしろ!」

 またしても興奮度が高まってきた。
髪の香りや頬に当たる吐息、湯上りの匂いがたまらない。

「ええっと……押し倒すんですね?」
「そうだ。ほら、あたしの肩を持ってそのままベッドへ倒せ」

 言われるがまま先生の肩を握ってゆっくりとベッドに押し倒す。
すると、先生がすぐに起き上がって俺の頭にポコンとチョップする。

「痛いです……」
「お前、人の話聞いてたか? 強引に思いっきり押し倒せと言ってるんだ!」
「ええー……強引にって……」
「とにかく欲望のままに押し倒してみろ!」

 明石先生はジャージを身に付けている。
その下は真っ赤なエロい下着だ。それ中は誰もが欲しがるナイスボディ。
心拍数上昇中、鼻息噴出中、海綿体膨張中、性エネルギー上昇。

 ガシッと二の腕を掴んだ瞬間、明石先生の体がビクリと反応した。
そのまま強引にベッドに押し倒す。先ほどとは違い叩きつけるように倒した。
そして、俺は気付いてしまった。押し倒したのことだ。

「そういうことか!!」
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