姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【序幕・第4章】次女花穂帰還すっ

3.朝からノーパン丸出し馬乗りですかっ!

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 四月三十日の午後十時半過ぎ。
一階のリビングでテレビを観ている。
風呂を出て、妙な熱気から覚めて冷静さを取り戻すと、お互い気まずい空気に……
居た堪れなくなったのか、花穂姉ちゃんは自室に無言で戻って行った。

「あー! やってしまった! 姉の入浴中……しかも、アレをのぞくなんて!」

 自分の入浴中、姉に侵入されるのと、姉の入浴中に俺が侵入するのでは悪意の差が違う気がする。紗月姉も、花穂姉ちゃんもイタズラ心と愛情表現からの行動なのかもしれない。俺の場合はどうだ、仕返しや逆襲しか頭になかった。

「おーいっ! 蒼太ぁ……ボケッとしてどうしたの?」

 我に返ると目の前に、花穂姉ちゃんが薄ピンクの半袖短パン姿で立っている。

「反省してた。姉ちゃんたちが俺の入浴中に侵入するのとはワケが違うからな。やっぱり、姉弟でも女の子の風呂を覗くのはやり過ぎた。ごめん!」

 花穂姉ちゃんはパタパタと駆け寄ってきてすごい力で抱きしめてきた。
座っている俺の顔がちょうど胸元に埋もれるかたちになっている。

「蒼太さあ……今、姉ちゃんって言ったよね!? 紗月姉が昨日いっしょにお風呂入ったってメールで言ってたのは冗談じゃなかったんだ!?」
「紗月姉には逆らえないだろ……姉ちゃん! 苦しいっ!」

 実は苦しいというほど苦しくない。柔らかい感触に堪らなくなっているのだ。
ボディソープ、柔軟剤の匂いが混じった花穂姉ちゃんの胸元……
紗月姉に感じる欲望とは異なり、いつまでも甘えていたくなる。

 これでは、いつも通りの姉のペースだ。
抱擁の手をほどき、目をじっと見つめて切り出した。

「姉ちゃん! ちょっと約束してほしいことがあるんだ!」

 花穂姉ちゃんに、いくつかの約束事を守ってもらうことにした。
紗月姉はなにを言っても無駄だし、面白がって反撃されるのがオチである。
これからも同居する家族であるなら、いくつか最低限のルールが必要だ。

「まず、俺の部屋に入るときは服を着てくれ。風呂はなるべく侵入禁止、入るときはせめてタオル巻いてくれよ。あとは、下着で家の中を徘徊禁止な、姉ちゃん無防備すぎる」
「蒼太……全部却下したいけど、一応了承することにするねっ! 当然、お姉ちゃんからの条件も飲んでくれる前提で交渉してるんだよね?」

 出た、これが紗月姉と大きく違うところだ。
花穂姉ちゃんは頭が働く分、単純な話し合いで納得しない。

 居間で話し込んでいるうちに日付が変わってしまった。
五月一日の午前一時、今日は姫咲高校の創立記念日で休校日だ。

「姉ちゃんの条件は……週に何回か混浴、添い寝、抱擁、頬チュー……姉弟でやるもんじゃないだろ……」

 結局、売り言葉に買い言葉、交渉はうやむやのままになった。
当然といえば当然の結果である。この頭脳派の花穂あねに交渉で叶うはずがない。

「うーん。譲歩するのも可能だよ? 蒼太次第だけど」
「譲歩か。いい言葉の響きだ。んで、条件は?」
「週一回でいいからさ」
「うん、週一回なにか手伝うのか?」
「セック――」
「さっきの条件でいい! それ譲歩になってない!」
「私はそろそろ寝るね。一緒に寝る?」
「俺はまだ起きてるから。おやすみ花穂姉ちゃん」

 口元を抑えて大あくびをしながら階段を上がって行く姉のあとに続く。
自室に入るなりベッドへとダイブ。身体がマットレスに沈み込む。

(昨日に続いて、今日もどっぷり疲れ果てた……)

 部屋の静寂の中で、考えにふけっているうちに眠ってしまった……








◆◆◆◆◆◆









 夢を見ていた。大きな白い牡蠣に追われる悪夢だった。
ズンズンと迫って来る牡蠣から必死に逃げた。

 しかし、行き止まりに差し掛かり、立ち向かうことにした。
ガシッと牡蠣の実を両手で開き、押さえ込んで動きを止めたのだ。

「……ん、くそっ……この牡蠣めっ……ぐぅ……ん?」

 夢から覚めたと思ったのだが……目の前にまだ牡蠣がある。
指で必死に押さえて止めているのだが、やけに肉厚を感じる。
それに胸の辺りが重苦しい。

「んんっ……あっ……そ、蒼太っ! ちょっと……」

 声に反応してパチッと目を開くと……
俺の胸の上に馬乗りになっている花穂姉ちゃんがいる。
昨晩の約束通り、服は着ている……トップスにミニスカ……
しかし、パンツなし……

「わっ……うわぁっ!!」

牡蠣だと思って、触っていたのは……花穂姉ちゃんの……

「いきなり触るなんて、蒼太は強引だねっ! 約束通り服着て起こしに来たよ!」
「花穂姉ちゃん……パンツ穿かずに馬乗りはやめろ……アソコ丸見えだぞ」
「貝とどっちが美味しそう?」

 紗月姉のせいで食べたくなくなった貝類……
花穂姉ちゃんが合宿から持って帰って、さらに食べたくなくなってしまった。

「俺、しばらく貝類は見たくもない……」
「じゃあ、こっちは見たいんだ?」

 室内が遮光カーテンで薄暗く、はっきりと見えないが姉はとんでもない姿だ。
俺の胸の上で自分の性器を見せびらかしている。
パックリハッキリと見せビラビラかしているのだ。
しかし、なぜだろう。花穂姉ちゃんがパンツを穿いていないことが残念だ。

「う……ちょっと姉ちゃんどいてくれよ」
「わっ、蒼太! さり気なくまた触った! 欲しいの?」
「欲しくないって……寝起きでわけわかんないよ」
「今日はちょっと予定があってね。パンツ穿き忘れたの」
「おいおい。パンツ忘れる予定ってなんだよ……」
「気になるの? じゃあ、早く起きてねっ」

 ゆっくりと花穂姉ちゃんはベッドからおりて部屋を出て行く。
俺は自分の胸の上がベットリ湿っていることに気が付いた。

 姉の体液をスンスンと嗅ぎながら、朝勃ちの現場処理を行う。
この前、シーツの上に付着した体液より少し粘性があるようだ。

「……これは花穂姉ちゃんのアソコから出た……オシッコじゃないよな」
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