姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【本幕・第10章】あねしーくえんすっ

4.子どもが寝たらオトナの時間ですよっ!

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「なんで、俺が結城ソフトウェア開発社長の跡取りなんだ? 関係ないだろ?」
「ん? お前、来栖副社長と恋人同士だろ? 結婚すりゃ社長じゃないか」

 一瞬、父子おやこ関係がばれていると思ったが、どうも違うらしい。
塁姉は、俺が来栖有紀と付き合っていると勘違いしているのだ。

「塁姉、俺と来栖は恋人じゃない。ただの隣人で友達だ」
「その割には距離感が近過ぎるだろ……」

 お茶をすすりながら、ジト目でこちらを見る塁姉。
いろいろ心当たりがあるだけに視線が痛い。
恋愛感情や照れがない俺には、女の子との距離感がよくわからない。

「そういう塁姉はどうなんだよ? 今、恋人いないのか?」
「よく聞いてくれた! 乾期らしいんだ……」
「え? カンキ?」
「股間を濡らしてくれる男がいねえってことさ!! 雨期カモンッ!」

 ハァッと大きなため息を思わず漏らしてしまった。
この下品極まりない言い回しは紗月姉と同じだ。

「雨期はともかく……いろいろ教えてくれてありがとう、塁姉」
「構わないけど、紗月や花穂には内緒な」

 話し込んでいるうちに一一時を過ぎていた。塁姉はマグカップを片づけ、リビングへ向かう。敷かれている布団は三つ。、この前のように、また川の字でごろ寝するようだ。




 スゥスゥと寝息を立てる美果ちゃんの隣で目を閉じて眠ろうとするたびに、先程聞いた話の内容が脳内で何度もスロー再生される。言い方が悪いが、俺は死んだ青山透流の補欠要員みたいな感じで養子に来たのだろうか。本当に姉は俺への愛情があるのかどうか、考えるときりがない。

(――寝よう)

 塁姉が話し掛けて来ない。既に寝たのだろうか。
美果ちゃんを起こすとまずいので、俺も話し掛けるのをためらっている。

(まあ、いいか……)

 ややこしいことを考えると、眠くなる便利な脳を持ち合わせている。
今夜と明日の朝は姉二人が襲撃に来る心配もないし、気を緩めて眠ろうか。








◇◇◇








 体を二度三度揺すられている。誰かが俺を起こそうとしているのだ。目を開けずに放置すると、次はものすごい勢いで床に叩きつけるように揺さぶり始めた。

「蒼太、起きろ」
「……塁姉? なんだ?」
「今から大事なことを教えてやる。五分ぐらいしたら部屋に来い」

 それだけ言うと塁姉は二階へあがって行く。部屋というのは塁姉の私室だろう。
美果ちゃんが隣に眠っていない。別の部屋に寝かせたのだろうか。

「五分ぐらいって……」

 時計の秒針を見て、三回転半ぐらいで階段をあがる。
塁姉の部屋はドアを開いて開放してあるが、照明が点いていない。
真っ暗い部屋に入ると、塁姉がベッドに腰掛けている。

「どうだ、蒼太?」
「はあ!? なにしてんだ塁姉!?」

 塁姉は衣服を脱ぎ捨てて全裸でベッドに腰掛け、片足を立てて手を組んだ状態だ。
近づいて見ると、小柄で細身の肢体がすべて露わに……

「大事なこと教えるって言っただろ? 早く脱いでこっちへ来い」
「おかしい……なんでだ?」

 塁姉がこんな行動に出るのもおかしいが、俺の股間が隆々と反応している。
塁姉には、なんの欲望も感じなかったはずだ。

「どうした蒼太? ほら、目の前に投げ出された女の体があるんだぞ?」
「る、塁姉……」

 ドフッという音と共に、ベッドに転がった塁姉の体。
暗闇の中とは言え、足元から開かれた股の間が見える。

「重苦しく考えるな。今晩だけだ」
「俺、初めてなんだけど……」
「わかってるって。だから好きにしろって言ってるんだ」

 好きにするための行動に出た。まず、着ているシャツやパンツは吹き飛ぶ。
ベッドに転がる塁姉に覆いかぶさり、慣れないキスを連発する。

「……なんか蒼太はキス慣れしてるよな……」
「それは……」

 ヘビの生殺しという言葉の反対はなんだろうと考えた。
今はベッドで二匹のヘビが複雑に絡み合っている様相だ。
あらゆる知識をフル動員させて、塁姉を攻め立てた。

「蒼太、いいよ……」
「うん」
「どうした? チンコ枯れたか?」
「いや、部屋暗くて何も見えない……あれ……ここか?」
「んん……そこだ」

 塁姉はあっさり俺を受け入れた。俺は必死に前後運動する。
今夜はなにかがおかしい。まず、反応しなかった塁姉にギンギンになることもおかしい。夢でも見ているような感覚だ……ん、夢!?
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