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【本幕・第8章】四条先輩爆乳要撃っ 後編!
5.夢かうつつか爆乳エッチの開始ですっ!
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五月二五日、月曜日の午後一一時半前。
先輩が穿き込んだ、借り物のボクサーパンツを布団の中で脱ぎ捨てた。
ここへ来る前まで、四条春香には同族嫌悪に近い感情さえ持っていたはずだ。
今は愛情欲に続き肉体欲まで湧き上がり、いつしか同族嫌悪から似た者同士へ変化している。愛なのか、恋なのか、欲なのか、俺には未だにはっきりわからない。
「あっ! つい勢いで……」
「蒼太郎の下半身は別の意思を持っているようだが?」
「これは制御不能ですよ。それより……」
「ん? ああ、蒼太郎はこれが好きだと聞いている」
「はい。俺、おっぱい大好きですよ。しかも、紗月姉クラスの巨乳がいいんです。先輩の体は今まで見た裸で一番きれいです!」
「……そんなに女性の裸を見ているのか?」
「あ、いえ。まあ、姉があれなんで……」
「さっきも言ったが、判断は蒼太郎がするんだ。このまま布団の中で、寝転んで雑談するなら服を着よう」
「……我慢できそうにないですね……」
本能とは実に恐るべきものだ。理性のたがが外れ、四条春香の肉体を求めた。
幾度となく唇を重ね合い、本能的に手が身体中を撫で回している。
くまなく全身に指先を這わせ、要所要所は舌で攻め込む。
ピンクのベッドシーツの上、掛布団の中で先輩との触れ合いが続く。
俺にとって初めての感触、初めての味覚……
初めて見る先輩の表情や、荒い息と共に発せられるよがり声。
「ふぅんっ! んっ!」
「……先輩」
一通りと言うべきか、持てる乏しい知識をフル動員させて体勢を落ち着かせた。
今、掛布団の下でお互いの体が重なり、肌を密着させて抱き合っている。
どうも照れ臭いのか、先輩の顔を見ることができない。
「んっ……蒼太郎、照れているのか? 格闘技のピンフォールじゃないんだ。動かないと終わらないぞ……」
「うう……今までにない感覚。あの、痛くないですか?」
「……結構、痛いぞ。いいんだ。蒼太郎……蒼太、来てくれ……」
四条先輩は、俺を見上げてささやいた。
この状態でどこへ来てと言うのだ。宇宙の果てか、地獄の底か……いや違う。
いっしょに快楽の果てへ行くんだ。
そんなことを考えているうちに、自然と体が前後運動を始める。
揺れるたびベッドはキシキシと鈍い音を立てているが、その音は先輩の嬌声に打ち消された。やがてやって来る……噴出しそうな欲求を我慢できそうにない……
「うっ……春香っ!」
「蒼太っ!」
◇◇◇
音が聞こえる。聞き慣れた音だ。俺の端末のアラーム音だ。
こいつが鳴り響く時間は朝の七時。いつの間にか寝落ちしたのだろうか。
「――んぁ……よく寝たな……あれ? そっか、先輩の家泊まったんだ」
辺りを見回すと先輩の姿が見当たらない。それどころか俺自身の様子も変だ。
昨晩は先輩と性行為に及んで、そのまま二人裸のまま寝たはず。
それなのに俺はパンツを穿いている。どこか記憶が曖昧だ……
(おかしいな)
枕元とゴミ箱を見た。脱いであった先輩の下着は既にない。
それに枕元に出してあった避妊具、ゴミ箱に捨てた使用済みのテッシュもない。
いや、そもそもティッシュなど使用しただろうか。
トラウマであるはずの肌の接触を、四条先輩が行ったとも考えにくい。
ベッドシーツや掛布団も確認したが、性行為の痕跡がまるでない。
寝ぼけている頭が段々と覚醒していくと、昨夜の記憶がはっきりと蘇えってくる。
「……ぐあっ……まさかの夢オチ……」
俺は先輩とエロ雑誌を鑑賞しているうちに、寝てしまったようだ。
雑誌後半の刺激的なページを読んで、すごくリアルな夢を見た。
面倒なことに今日は平日だ。学校に行かねばならない。
とりあえず、姉の頼みごとは果たした。ミッションコンプリートと言えるだろう。
五月二六日午前七時過ぎ、部屋のピンクテーブルには和食が並んだ。
ご飯、味噌汁、玉子焼き、のり、漬物、梅干しと朝に相応しいメニューだ。
先輩は制服の上に、これまた薄ピンクのエプロンを羽織って席に着いた。
「いただきます!」
「蒼太郎、食べながら聞いてほしいのだが……」
わかめと豆腐のダシがきいた味噌汁が美味い。
朝から先輩が作ったのだろうか。
「なんですか?」
「五月一日だったな。入学した君と久々に会って、夏本の話をしたのは……そのときわたしがこう言ったのを覚えているか? 『紗月さんと花穂ちゃんに、改めて宣戦布告する』と」
「そりゃ忘れませんよ……」
というか、まだ今月始めの話ではないか。忘れる方がどうかしている。
しかし、気になる言葉が出て来たな。改めて宣戦布告……改めて……
「蒼太郎を好きになったのは、あの日ではない。もっと昔からだ」
「え!? 改めて宣戦布告ってことは、一度宣戦布告してるってことですか?」
「そうだ。あれは小学生の頃だった。君を姉二人と加奈子ちゃんが奪い合うのを見てな、わたしは紗月さんの取り巻きのひとりに過ぎなかったが……蒼太郎をその頃からずっと想っていた」
確かにあの頃の紗月姉はガキ大将だった。
取り巻きには、里志とスズ、あと二人いた気がする……そのうちのひとりが先輩?
_____________________________________________
※「四条先輩爆乳要撃っ 後編!」はこれで終わりです。
※ショートストーリーを挟んで、新章「あねあにまっくす双撃っ」開始します。
※以降、謎解きやネタバレが多くなります。ご注意ください。
先輩が穿き込んだ、借り物のボクサーパンツを布団の中で脱ぎ捨てた。
ここへ来る前まで、四条春香には同族嫌悪に近い感情さえ持っていたはずだ。
今は愛情欲に続き肉体欲まで湧き上がり、いつしか同族嫌悪から似た者同士へ変化している。愛なのか、恋なのか、欲なのか、俺には未だにはっきりわからない。
「あっ! つい勢いで……」
「蒼太郎の下半身は別の意思を持っているようだが?」
「これは制御不能ですよ。それより……」
「ん? ああ、蒼太郎はこれが好きだと聞いている」
「はい。俺、おっぱい大好きですよ。しかも、紗月姉クラスの巨乳がいいんです。先輩の体は今まで見た裸で一番きれいです!」
「……そんなに女性の裸を見ているのか?」
「あ、いえ。まあ、姉があれなんで……」
「さっきも言ったが、判断は蒼太郎がするんだ。このまま布団の中で、寝転んで雑談するなら服を着よう」
「……我慢できそうにないですね……」
本能とは実に恐るべきものだ。理性のたがが外れ、四条春香の肉体を求めた。
幾度となく唇を重ね合い、本能的に手が身体中を撫で回している。
くまなく全身に指先を這わせ、要所要所は舌で攻め込む。
ピンクのベッドシーツの上、掛布団の中で先輩との触れ合いが続く。
俺にとって初めての感触、初めての味覚……
初めて見る先輩の表情や、荒い息と共に発せられるよがり声。
「ふぅんっ! んっ!」
「……先輩」
一通りと言うべきか、持てる乏しい知識をフル動員させて体勢を落ち着かせた。
今、掛布団の下でお互いの体が重なり、肌を密着させて抱き合っている。
どうも照れ臭いのか、先輩の顔を見ることができない。
「んっ……蒼太郎、照れているのか? 格闘技のピンフォールじゃないんだ。動かないと終わらないぞ……」
「うう……今までにない感覚。あの、痛くないですか?」
「……結構、痛いぞ。いいんだ。蒼太郎……蒼太、来てくれ……」
四条先輩は、俺を見上げてささやいた。
この状態でどこへ来てと言うのだ。宇宙の果てか、地獄の底か……いや違う。
いっしょに快楽の果てへ行くんだ。
そんなことを考えているうちに、自然と体が前後運動を始める。
揺れるたびベッドはキシキシと鈍い音を立てているが、その音は先輩の嬌声に打ち消された。やがてやって来る……噴出しそうな欲求を我慢できそうにない……
「うっ……春香っ!」
「蒼太っ!」
◇◇◇
音が聞こえる。聞き慣れた音だ。俺の端末のアラーム音だ。
こいつが鳴り響く時間は朝の七時。いつの間にか寝落ちしたのだろうか。
「――んぁ……よく寝たな……あれ? そっか、先輩の家泊まったんだ」
辺りを見回すと先輩の姿が見当たらない。それどころか俺自身の様子も変だ。
昨晩は先輩と性行為に及んで、そのまま二人裸のまま寝たはず。
それなのに俺はパンツを穿いている。どこか記憶が曖昧だ……
(おかしいな)
枕元とゴミ箱を見た。脱いであった先輩の下着は既にない。
それに枕元に出してあった避妊具、ゴミ箱に捨てた使用済みのテッシュもない。
いや、そもそもティッシュなど使用しただろうか。
トラウマであるはずの肌の接触を、四条先輩が行ったとも考えにくい。
ベッドシーツや掛布団も確認したが、性行為の痕跡がまるでない。
寝ぼけている頭が段々と覚醒していくと、昨夜の記憶がはっきりと蘇えってくる。
「……ぐあっ……まさかの夢オチ……」
俺は先輩とエロ雑誌を鑑賞しているうちに、寝てしまったようだ。
雑誌後半の刺激的なページを読んで、すごくリアルな夢を見た。
面倒なことに今日は平日だ。学校に行かねばならない。
とりあえず、姉の頼みごとは果たした。ミッションコンプリートと言えるだろう。
五月二六日午前七時過ぎ、部屋のピンクテーブルには和食が並んだ。
ご飯、味噌汁、玉子焼き、のり、漬物、梅干しと朝に相応しいメニューだ。
先輩は制服の上に、これまた薄ピンクのエプロンを羽織って席に着いた。
「いただきます!」
「蒼太郎、食べながら聞いてほしいのだが……」
わかめと豆腐のダシがきいた味噌汁が美味い。
朝から先輩が作ったのだろうか。
「なんですか?」
「五月一日だったな。入学した君と久々に会って、夏本の話をしたのは……そのときわたしがこう言ったのを覚えているか? 『紗月さんと花穂ちゃんに、改めて宣戦布告する』と」
「そりゃ忘れませんよ……」
というか、まだ今月始めの話ではないか。忘れる方がどうかしている。
しかし、気になる言葉が出て来たな。改めて宣戦布告……改めて……
「蒼太郎を好きになったのは、あの日ではない。もっと昔からだ」
「え!? 改めて宣戦布告ってことは、一度宣戦布告してるってことですか?」
「そうだ。あれは小学生の頃だった。君を姉二人と加奈子ちゃんが奪い合うのを見てな、わたしは紗月さんの取り巻きのひとりに過ぎなかったが……蒼太郎をその頃からずっと想っていた」
確かにあの頃の紗月姉はガキ大将だった。
取り巻きには、里志とスズ、あと二人いた気がする……そのうちのひとりが先輩?
_____________________________________________
※「四条先輩爆乳要撃っ 後編!」はこれで終わりです。
※ショートストーリーを挟んで、新章「あねあにまっくす双撃っ」開始します。
※以降、謎解きやネタバレが多くなります。ご注意ください。
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