姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【本幕・第8章】四条先輩爆乳要撃っ 後編!

1.背後からあの部分を慰めてみますかっ!

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 四条邸の一室、広い二〇畳間は乱れに乱れている。敷き詰めた布団類は先程暴れたせいで方々に吹っ飛び、かろうじて残っているのは俺と先輩が寝転んでいる布団だけである。こんな状況を、誰かがふすまを開いて見ればどう思うか。おそらく、悲鳴をあげて、お巡りさんが俺を捕らえに来るだろう。女性用の競泳水着を着用して、先輩の水着の一部分を引き裂いた状態だ。

「んっ……そ、蒼太郎……慰めるの意味合いが違……うっ!!」

 横向きに寝転がる四条春香を背後から慰めている。
指先が踊るように水着の生地を走る。破れた生地から露出する肌と接触して余計な恐怖感を与えないように気を配りながらの作業だが……

「先輩が本当に進みたい道はなんですか? 紗月姉の影響を受ける前にやりたかったことです」

 実に腹立たしいことだが、紗月姉はここまで予測していたというわけだ。
先輩に対して、俺との性行為を禁じながら、俺に対しては行為以外なにも禁じていない。やはり、姉二人はどこか矛盾がある。紗月姉は、俺に対する独占欲がないとも受け取れる。なぜなら、こうして自分の恋敵である四条春香を『慰める』ことを許可しているからだ。

「んは……やっ……そっ……蒼太……ど……あぁっ!」
「なにを言ってるのかわかりません……先輩」

 先輩が両足をバタつかせて、もがき始めた。
顔を赤く染めて、瞳が潤んで色っぽい。ドエスイッチONの俺は指先を止めない。
特に右手の指先はクリーンヒット中らしい。
大して汗もかいていないのに、先輩の股布から湿り気を感じる。

「そ……蒼太ろ……ああっ……うぁっ!」
「はぁ、はぁ……もう少し……この辺かな?」

水着の生地を指先で探ってみる。先輩はピクリと時折反応したり、声を出したりするが、俺を拒絶する様子は全くない。




 五月二五日、月曜日の午後八時過ぎ。
二〇畳間は闇に包まれた。背中と腹の部分が破れた水着姿の先輩は脱力してグッタリと放心状態だ。慰め過ぎて、イジメになってしまったかもしれない。部屋が暗くてよく見えないが、布団の上にコップの水を零したようなシミがついている。

「……はぁ……はぁ……蒼太郎……なんてことを……」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない……いやらしい……手つきだ」

 キッと鋭い目つきで睨まれるが、破れた水着のせいで迫力がまったくない。
顔を真っ赤にして、潤んだ瞳で俺を見上げる。

「俺から見た先輩は、紗月姉より魅力的です。だから、姉の言動に影響されることなく、姉のあとを追うことがない選択をするべきです」
「わかった……進路については、もう一度よく熟考する」
「ふぅ。これで伝えましたよ。先輩も慰めたし……」
「強引でいやらしい慰め方だな……蒼太郎には、まだ頼みがある」
「え?」
「わたしの男性恐怖症を治す協力をしていただきた……うっ」

 振り返りかけた先輩の唇に自分の口を押しつけて言葉をさえぎる。

「協力してますよ。こうやって、手を握ったりキスしたり……ダメですか?」
「いいや。恥ずかしいが、すごく嬉しい。しかし……蒼太郎、競泳水着姿は変態にしか見えないぞ……」




 部屋の闇を利用して、先輩と俺は着替えを済ませた。
紗月姉の水着は紙袋へ入れて、ゴミ箱の中へ。
俺はワイシャツと制服のズボン、先輩はブラウスと制服のスカート姿だ。
さて、ここからが本番、今夜は父親がいない四条邸に泊まる。

「ちょっと汗かいたし、風呂入りたいですね」
「そうだな。蒼太殿が先に入ってくれ。わたしはあとで……」
「では、お先に入らせてもらいますね」
「あ、蒼太郎――」
「ん? なんですか?」
「ああ、いや。なんでもない」
「せっかくなので、混浴しませんか? 前に言ってたでしょう」

 ふすまを開きかけた四条先輩の手が止まって、俺の目を見つめる。
コクリと無言でうなづいて、浴室がある母屋の方へ歩いて行った。

「バスタオルはこれを。パンツはこれ……わたしのボクサーパンツだが……」
「あ、そうか! 替えのパンツとシャツ持って来てない」

 先輩が差し出したのは、大きめの白無地のTシャツと、女性用の白いボクサーパンツだ。
Tシャツはサイズ的に問題ないだろう。
しかし、ボクサーパンツは少々小さく、股浅のようだ。

「わたしは部屋から自分の着替えを持って来るよ」
「はい、先に入ってますね」

 四条邸のひのき風呂は二週間ぶりだ。
ここで先輩のトラウマ、男性恐怖症を知った。

「――よし、慰めるか」
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