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【本幕・第8章】四条先輩爆乳要撃っ 前編!
4.今夜は揉んで挟んで手料理食べますっ!
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五月二五日、月曜日の午後四時過ぎ。
四条春香は俺に寄り添うように体を預けている。これがなにを意味するのか……
「紗月さんの約束は守る。蒼太郎と過ごしたいだけだ。もうすぐ、わたしは受験勉強で忙しくなるだろう。部活も引退だ。今夜はゆっくりと過ごしたい」
俺は恋愛感情がない代わりに、ある程度相手の好意のパラメーターを推し量れる。
しかし、この四条春香は男性恐怖症である。好きの度合いが非常にわかりづらい。
「先輩が手を出さなくても、俺が出すかもしれませんよ?」
「そのときはそのときだ……」
窓から夕陽が差し込んで四条先輩の頬を照らしている。
ブラウスからは白いブラが透けて、張り出した胸が欲情をあおるようだ。
四条春香であれを試さなければならない。
「先輩、すみません。ちょっと俺からもお願いが……」
「お願い? なんだ?」
「いきなりなんですが……その胸を……じゃない、接触行為を――」
「本当にいきなり卑猥だな」
「実験と言うか……反応によっては帰らないと……」
グイッと手を引き寄せ、そのまま唇を合わせてみた。余った方の手で胸を優しくまさぐり、抱き寄せて感触を楽しむ。今、下半身はギンギンに直立している。これが持続すれば今夜は泊まれない。四条春香に肉体欲を感じるなら、間違いが起きる可能性が高いからだ。
「少しの間、手を握っていてください……」
「そうか、例のトラウマを試しているのだな?」
「はい、先輩に肉体欲を感じれば……俺は帰ります。我慢できなくなります」
「わたしが紗月さんに唐竹割りにされてしまうからな……」
俺は恋愛感情欠落というトラウマを抱えていると姉たちは言う。
大多数の女性には、なにも感じない。例を挙げると、母や塁姉には家族愛のような感情。花穂姉ちゃんには愛情欲、紗月姉には強い肉体欲、その両方を感じる実姉の加奈子さん。
俺の脳のバグなのか、来栖有紀にも愛情欲と肉体欲を強く感じる。
「反応なしです……」
しばらく先輩を抱き寄せて、肌を接触させてみたが……
先輩に感じるものがなにもない。愛情欲も肉体欲もないようだ。
やはり、四条春香の着用していた競泳水着に興奮していただけなのだ。
来栖が花穂姉ちゃんを嫌う理由、自分と性質が似ているからだと言っていた。
実は俺もそうなのかもしれない。だからこそ、紗月姉は俺に任せたのだろうか。
隣りで夕日に照らされている四条先輩は美しく、スタイルもいい。
しかし、その内面のもろさや弱さ、同じトラウマ持ちという同族嫌悪感がある気がする。
「わたしは蒼太郎の恋愛対象外か。これはショックだな……」
「いえ、愛情欲は感じますよ。これは珍しいんです」
「では、望みはあるということか?」
「俺、花穂姉ちゃんに連絡しますね」
二つ嘘をついた。ひとつは愛情欲すら四条先輩に感じていない。
もうひとつは、これから花穂姉ちゃんに里志の家に泊まると嘘をつく。
◇◇◇
午後六時過ぎ、先輩は階下の炊事場で調理に取り掛かった。
ここは一軒家のように、二階に私室、一階は風呂と洗面所にミニキッチンを完備している。要塞のような道場つきの家に、娘専用の離れを作る父親。一方の本人は剣道をやめて家を出ようと望んでいる。どうも、親と子の意思の疎通ができていないとしか思えない。
「焼きそば? お好み焼き?」
下から匂うのは、粉ものを焼いているときの匂い、それとソースの匂いだ。
部屋で待つように言われているが、このピンクだらけの部屋は落ち着かない。
(キャラと合ってない気がするなぁ)
この二ヶ月で、四条春香に対する印象がずいぶん変わったものだ。
今までは紗月姉の親友で、花穂姉ちゃんの先輩で、剣道場のお姉さんだった。
それが、間近で接してみるとイメージとまるで違う人物像。
「俺といっしょ。ヘタレンジャーでハッタリ……」
午後七時前、階段をのぼって来る足音が聞こえる。
どうやら夕飯が完成したようだ。
「遅くなってすまない。モダン焼きを作ってみたが、口に合うか……」
「まさかの両方か……いや、大丈夫。俺、粉もの全般好きですから」
テーブルにモダン焼きの皿が並べられると、正面に四条先輩が腰掛けた。
「それで、紗月さんになにを話せと言われたのだ?」
「大学に入って、先輩がしようとしている競技を諦めさせろと……」
「つまり、才能がないと?」
「はい……」
四条春香は俺に寄り添うように体を預けている。これがなにを意味するのか……
「紗月さんの約束は守る。蒼太郎と過ごしたいだけだ。もうすぐ、わたしは受験勉強で忙しくなるだろう。部活も引退だ。今夜はゆっくりと過ごしたい」
俺は恋愛感情がない代わりに、ある程度相手の好意のパラメーターを推し量れる。
しかし、この四条春香は男性恐怖症である。好きの度合いが非常にわかりづらい。
「先輩が手を出さなくても、俺が出すかもしれませんよ?」
「そのときはそのときだ……」
窓から夕陽が差し込んで四条先輩の頬を照らしている。
ブラウスからは白いブラが透けて、張り出した胸が欲情をあおるようだ。
四条春香であれを試さなければならない。
「先輩、すみません。ちょっと俺からもお願いが……」
「お願い? なんだ?」
「いきなりなんですが……その胸を……じゃない、接触行為を――」
「本当にいきなり卑猥だな」
「実験と言うか……反応によっては帰らないと……」
グイッと手を引き寄せ、そのまま唇を合わせてみた。余った方の手で胸を優しくまさぐり、抱き寄せて感触を楽しむ。今、下半身はギンギンに直立している。これが持続すれば今夜は泊まれない。四条春香に肉体欲を感じるなら、間違いが起きる可能性が高いからだ。
「少しの間、手を握っていてください……」
「そうか、例のトラウマを試しているのだな?」
「はい、先輩に肉体欲を感じれば……俺は帰ります。我慢できなくなります」
「わたしが紗月さんに唐竹割りにされてしまうからな……」
俺は恋愛感情欠落というトラウマを抱えていると姉たちは言う。
大多数の女性には、なにも感じない。例を挙げると、母や塁姉には家族愛のような感情。花穂姉ちゃんには愛情欲、紗月姉には強い肉体欲、その両方を感じる実姉の加奈子さん。
俺の脳のバグなのか、来栖有紀にも愛情欲と肉体欲を強く感じる。
「反応なしです……」
しばらく先輩を抱き寄せて、肌を接触させてみたが……
先輩に感じるものがなにもない。愛情欲も肉体欲もないようだ。
やはり、四条春香の着用していた競泳水着に興奮していただけなのだ。
来栖が花穂姉ちゃんを嫌う理由、自分と性質が似ているからだと言っていた。
実は俺もそうなのかもしれない。だからこそ、紗月姉は俺に任せたのだろうか。
隣りで夕日に照らされている四条先輩は美しく、スタイルもいい。
しかし、その内面のもろさや弱さ、同じトラウマ持ちという同族嫌悪感がある気がする。
「わたしは蒼太郎の恋愛対象外か。これはショックだな……」
「いえ、愛情欲は感じますよ。これは珍しいんです」
「では、望みはあるということか?」
「俺、花穂姉ちゃんに連絡しますね」
二つ嘘をついた。ひとつは愛情欲すら四条先輩に感じていない。
もうひとつは、これから花穂姉ちゃんに里志の家に泊まると嘘をつく。
◇◇◇
午後六時過ぎ、先輩は階下の炊事場で調理に取り掛かった。
ここは一軒家のように、二階に私室、一階は風呂と洗面所にミニキッチンを完備している。要塞のような道場つきの家に、娘専用の離れを作る父親。一方の本人は剣道をやめて家を出ようと望んでいる。どうも、親と子の意思の疎通ができていないとしか思えない。
「焼きそば? お好み焼き?」
下から匂うのは、粉ものを焼いているときの匂い、それとソースの匂いだ。
部屋で待つように言われているが、このピンクだらけの部屋は落ち着かない。
(キャラと合ってない気がするなぁ)
この二ヶ月で、四条春香に対する印象がずいぶん変わったものだ。
今までは紗月姉の親友で、花穂姉ちゃんの先輩で、剣道場のお姉さんだった。
それが、間近で接してみるとイメージとまるで違う人物像。
「俺といっしょ。ヘタレンジャーでハッタリ……」
午後七時前、階段をのぼって来る足音が聞こえる。
どうやら夕飯が完成したようだ。
「遅くなってすまない。モダン焼きを作ってみたが、口に合うか……」
「まさかの両方か……いや、大丈夫。俺、粉もの全般好きですから」
テーブルにモダン焼きの皿が並べられると、正面に四条先輩が腰掛けた。
「それで、紗月さんになにを話せと言われたのだ?」
「大学に入って、先輩がしようとしている競技を諦めさせろと……」
「つまり、才能がないと?」
「はい……」
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