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【本幕・第8章】四条先輩爆乳要撃っ 前編!
2.巨乳が去って爆乳が大接近してますっ!
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姫咲スポーツクラブの体育館、二階の観覧席に座って試合観戦。
左側に座る紗月姉は、上半身にフィットした白いTシャツとローライズデニムのシンプルな服装だ。シャツから白い下着が透けて見え、デニムからは豊満な尻がはみ出しそうだ。
「口でとか指入れとか……神聖な剣道の試合会場で卑猥な発言するなよ」
「そこがおかしいよね。剣道は神聖で性は汚れ?」
これがあるから、紗月姉は厄介なのだ。
普段ふざけてばかりのくせに、急に真剣さが増す。
ただ、俺も紗月姉の見返り発言を即座に妄想して、悶々とするばかりだ。
こうして一週間ぶりに会ったと思えば、欲望につけ込まれてお願いされる。
その欲望に俺自身が勝つことができないと知っているから。
「要するに、四条先輩を慰める役で俺を呼んだんだな?」
「そうだよ。あとはさっき言った通りのことを伝えてほしい……」
話しているうちに、一回戦の第一試合と第二試合が終了したようだ。
いよいよ次は姫咲高校剣道部から四条春香が登場する。
「なんで、自分で言わない?」
「あたしが言えば嫌味になる。最強無敵美女の青山紗月だから」
その言葉にぐうの音も出ないのは本当のことだからだ。
紗月姉は頭も悪くない、美しく、強い。性格は少し問題ありだが……
◇◇◇
午前一〇時。観覧席より見おろす剣道地区予選大会の会場に四条先輩が現れた。他校の対戦相手と白のラインテープの枠内へ足を運んでいるようだ。二歩進んでお互いに礼、三歩進んでしゃがんだ状態で礼をしたあと審判の始めの声があがる。剣道の試合の掛け声は、なんというか……怪獣の子供みたいだ。
「なあ、紗月姉……剣道ってなんでキョエェェェェエッとか叫ぶの?」
「え? 気合だよ、気合」
「いや、剣道はメン、ドウ、コテ、だろ? ミェェェェエエエン、ドリュアアアアアアアァァ、コテコテチュリァァァアアとか、恐竜の子供みたいになってない?」
「声で有利になることがあるからね。上級者はなに言ってるのかわかんないよね……」
「じゃあ、紗月姉も段位持つ上級だからすごい奇声なのか?」
「そりゃもう、いくいくいっちゃうぅぅって」
「どこでも行ってろよ……」
そんな馬鹿な会話をしている最中にも、試合は進んでいる。
つばぜり合いのあと、四条先輩は相手の引き面打ちにより一本目を奪われた。
「浅いっ! 踏み込めてないね春香は……」
「俺にはさっぱりわからん」
「気合が足りない! 勝てない相手じゃなのにね」
「今日は個人戦だけ? 団体戦は?」
「団体戦もあるよ。でも、春香は出ない」
二本目の勝負が始まると、その動きの悪さを見ている紗月姉がイラ立ち始めた。一瞬の交差、審判の旗は相手側にあがる。相手の抜き胴がきれいに入ったようだ。紗月姉の予想通り、四条春香は初戦であっさりと敗れ去った……
試合会場から更衣室のある廊下へ歩いて行く四条先輩を見おろしている紗月姉。その顔はイラ立ちと言うより、やるせないような寂しげな表情をしながら、端末でメールを打っている。試合の終わった先輩にねぎらいのメールでも送っているのだろう。
「紗月姉、本当にいいのか?」
「うん。あたしからは言えないや……。蒼ちゃん、頼むよ」
「わかった……」
家が剣術道場にもかかわらず、四条春香は剣道をやめる。
そして、進路は紗月姉と同じ体育大学への進学を希望しているという。四条先輩がこの姫咲スポーツクラブで水泳をしている理由も紗月姉から明かされた。
「蒼ちゃんに競技服を渡しておくよ。おそらく、春香は挑発に乗るから」
「才能も実力も運もない者に、先に引導を渡すのか?」
ガムテープで雑に封された大きめの紙袋を受け取った。
中には布地のものが数枚入っているようだ。
「親友で妹みたいな存在だけど、あたしの背中を追って来てもなにもないよ」
「そうか……酷だな……」
体育館正面脇のドアが開いて、制服姿の四条先輩がまっすぐ歩いて来る。
「じゃ、帰るね」
「先輩こっち来るぞ? なんで帰るんだ?」
「今は会わない。メールは入れたから、あとは蒼ちゃんに任す!」
「見返りは、なにかもらうからな!」
「今度帰ったときねっ」
耳元でささやいて、紗月姉は去って行った。
俺の視線は去って行く姉から、向かって来る四条春香に向いた。
左側に座る紗月姉は、上半身にフィットした白いTシャツとローライズデニムのシンプルな服装だ。シャツから白い下着が透けて見え、デニムからは豊満な尻がはみ出しそうだ。
「口でとか指入れとか……神聖な剣道の試合会場で卑猥な発言するなよ」
「そこがおかしいよね。剣道は神聖で性は汚れ?」
これがあるから、紗月姉は厄介なのだ。
普段ふざけてばかりのくせに、急に真剣さが増す。
ただ、俺も紗月姉の見返り発言を即座に妄想して、悶々とするばかりだ。
こうして一週間ぶりに会ったと思えば、欲望につけ込まれてお願いされる。
その欲望に俺自身が勝つことができないと知っているから。
「要するに、四条先輩を慰める役で俺を呼んだんだな?」
「そうだよ。あとはさっき言った通りのことを伝えてほしい……」
話しているうちに、一回戦の第一試合と第二試合が終了したようだ。
いよいよ次は姫咲高校剣道部から四条春香が登場する。
「なんで、自分で言わない?」
「あたしが言えば嫌味になる。最強無敵美女の青山紗月だから」
その言葉にぐうの音も出ないのは本当のことだからだ。
紗月姉は頭も悪くない、美しく、強い。性格は少し問題ありだが……
◇◇◇
午前一〇時。観覧席より見おろす剣道地区予選大会の会場に四条先輩が現れた。他校の対戦相手と白のラインテープの枠内へ足を運んでいるようだ。二歩進んでお互いに礼、三歩進んでしゃがんだ状態で礼をしたあと審判の始めの声があがる。剣道の試合の掛け声は、なんというか……怪獣の子供みたいだ。
「なあ、紗月姉……剣道ってなんでキョエェェェェエッとか叫ぶの?」
「え? 気合だよ、気合」
「いや、剣道はメン、ドウ、コテ、だろ? ミェェェェエエエン、ドリュアアアアアアアァァ、コテコテチュリァァァアアとか、恐竜の子供みたいになってない?」
「声で有利になることがあるからね。上級者はなに言ってるのかわかんないよね……」
「じゃあ、紗月姉も段位持つ上級だからすごい奇声なのか?」
「そりゃもう、いくいくいっちゃうぅぅって」
「どこでも行ってろよ……」
そんな馬鹿な会話をしている最中にも、試合は進んでいる。
つばぜり合いのあと、四条先輩は相手の引き面打ちにより一本目を奪われた。
「浅いっ! 踏み込めてないね春香は……」
「俺にはさっぱりわからん」
「気合が足りない! 勝てない相手じゃなのにね」
「今日は個人戦だけ? 団体戦は?」
「団体戦もあるよ。でも、春香は出ない」
二本目の勝負が始まると、その動きの悪さを見ている紗月姉がイラ立ち始めた。一瞬の交差、審判の旗は相手側にあがる。相手の抜き胴がきれいに入ったようだ。紗月姉の予想通り、四条春香は初戦であっさりと敗れ去った……
試合会場から更衣室のある廊下へ歩いて行く四条先輩を見おろしている紗月姉。その顔はイラ立ちと言うより、やるせないような寂しげな表情をしながら、端末でメールを打っている。試合の終わった先輩にねぎらいのメールでも送っているのだろう。
「紗月姉、本当にいいのか?」
「うん。あたしからは言えないや……。蒼ちゃん、頼むよ」
「わかった……」
家が剣術道場にもかかわらず、四条春香は剣道をやめる。
そして、進路は紗月姉と同じ体育大学への進学を希望しているという。四条先輩がこの姫咲スポーツクラブで水泳をしている理由も紗月姉から明かされた。
「蒼ちゃんに競技服を渡しておくよ。おそらく、春香は挑発に乗るから」
「才能も実力も運もない者に、先に引導を渡すのか?」
ガムテープで雑に封された大きめの紙袋を受け取った。
中には布地のものが数枚入っているようだ。
「親友で妹みたいな存在だけど、あたしの背中を追って来てもなにもないよ」
「そうか……酷だな……」
体育館正面脇のドアが開いて、制服姿の四条先輩がまっすぐ歩いて来る。
「じゃ、帰るね」
「先輩こっち来るぞ? なんで帰るんだ?」
「今は会わない。メールは入れたから、あとは蒼ちゃんに任す!」
「見返りは、なにかもらうからな!」
「今度帰ったときねっ」
耳元でささやいて、紗月姉は去って行った。
俺の視線は去って行く姉から、向かって来る四条春香に向いた。
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