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【本幕・第8章】四条先輩爆乳要撃っ 前編!
1.欲の棒につけ込む姉ってどうですかっ!
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五月二五日、月曜日。
ガッツリ六限目まで授業がある平日である。
時刻は午前八時半、学校へ行かず姫咲スポーツクラブへ向かう途中だ。今日は、スポーツクラブに併設された体育館で剣道の地区予選大会が行われる。朝から紗月姉の呼び出しで現地へ向かっているのだ。
「体痛ぇ……」
昨日、久しぶりに姫咲スポーツクラブの温水プールで泳いだ。四条先輩と会ってバイトに誘われたのだが、それはまだ保留中だ。
一昨日、来栖と塁姉から姉と距離を置けと言う忠告があったが、簡単にできることではない。なぜなら、姉の紗月と花穂は、俺の欲望をガッシリ握っているから。
(――紗月姉、もう来てるかな)
一週間会わないのは特段珍しいことではない。
しかし、問題は欲求不満が募ること。
紗月姉に感じる強い肉体欲、そんな燃え盛るエネルギーが一週間分チャージ完了。
建物に近づくたび、強い欲求が体を支配するような感覚を覚える。
「ん、二階席か?」
体育館正面入口にいるのは、防具袋と竹刀を持った他校の選手ばかりだ。
脇の階段から二階の観覧席へあがって紗月姉の姿を探すが……
そんな必要はまったくなかった。観客がまばらで紗月姉は俺の姿を発見して手を振っている。
「蒼ちゃん、一週間ぶりっ! 寂しかった!?」
紗月姉は立ち上がって飛びついて来る。
俺は避ける暇もなく、一週間ぶりのおっぱい撃を食らう。
「うわっ! 紗月姉! いきなりやめろって!」
「そう言いつつも、しっかり背中に手を回してるじゃない!」
本能とは恐ろしいものだ。姉からの抱擁を自然に抱き返している。
◇◇◇
四条春香先輩の大会を、観戦しに来てくれと紗月姉に頼まれたのが今朝だ。
学校には急用で午後から授業に出ると、里志に言づけてある。
気になるのは、関係のない俺が今日ここに呼ばれた意味だ。
「なんで授業サボらせてまで俺を呼んだの?」
「春奈が蒼ちゃんにも見届けてほしいって言うから」
二階席の一番前に並んで座って、一階の様子をうかがっている。
いくつかの学校の選手が集まっている中、うちの学校の生徒もいるようだ。
「見届けるって……引退試合でもないのに? 勝てば次もその次もあるだろ?」
「ないよ。四条春奈にはそれがない。ここで剣を置くんだ、あいつは」
「四条先輩は段位だけで剣道強くないらしいけど、決めつけるのはどうかな?」
「蒼ちゃん。一歩外に出ればこの世界なんて、実力と才能と運を持つ人間しか上に行けないんだよ。春香は剣道をやめると決めている。進学して家を出たいと言っていたしね」
一階で四条先輩の姿を発見した。
昨日見た表情と違い、緊張感と不安感がにじみ出ている。
武道を習ったことがない俺でもわかる。あれは、迷いがある顔……
実力と才能と運を持つ人間しか上に行けない。俺はその言葉に納得できない。
それに今の発言では、四条春香が剣道を捨てて逃げ去るみたいではないか。
「一回戦ぐらい勝てるんじゃないか?」
「無理。春香には実力、才能、運がない。迷いを抱えたまま勝てるわけがない」
もうすぐ個人戦の一回戦が始まるようだ。下の階が騒がしくなってきた。
防具を付けた選手が何名か既に準備をしている。
「紗月姉……親友をボロカス言うなよ」
「あたしにはわかるんだ。親友だからじゃない」
「どういうこと?」
「実力も才能も運もあって、最強で超美人、無敗の完全無欠だからね……」
「自分で言うな……まあ、確かに紗月姉はすごいけどさ」
青山紗月、その戦闘力は未知数である。試合の敗戦記録はすべて反則負け。
剣道の試合でブチ切れて前蹴り、柔道の試合でブチ切れて正拳突きなど……
それを大会でやってのけたのだ。今ではケンカ自慢の不良さえ近寄らない。
「蒼ちゃん、頼みたいことがあるんだ。この試合後の春香のことなんだけどね」
階下から大きな気合を入れる声が聞こえてきた。
どうやら、一回戦が始まったらしい。
観覧席の俺と紗月姉の会話は、選手や応援の声にかき消された。
「紗月姉、本気か!?」
「お願いっ! 見返りはあとで!」
「見返り?」
「アレを口でしてあげる。あと、あたしのこれも触って指入れてもいい」
「あれとかこれって……なに言ってんだよ?」
「わかってるくせに。蒼ちゃんの欲望のままにどうぞってこと。ただし、最後まではしないけどね……それは理解できてるよね」
欲望につけ込んでいる。
会場の熱気よりも熱いのは、胸の奥から込み上げる姉への情欲の炎。
そのシーンを即座に想像して鼓動が高まる。
姉は挑発するような表情で自分の股間を指で弄るふりをした……
ガッツリ六限目まで授業がある平日である。
時刻は午前八時半、学校へ行かず姫咲スポーツクラブへ向かう途中だ。今日は、スポーツクラブに併設された体育館で剣道の地区予選大会が行われる。朝から紗月姉の呼び出しで現地へ向かっているのだ。
「体痛ぇ……」
昨日、久しぶりに姫咲スポーツクラブの温水プールで泳いだ。四条先輩と会ってバイトに誘われたのだが、それはまだ保留中だ。
一昨日、来栖と塁姉から姉と距離を置けと言う忠告があったが、簡単にできることではない。なぜなら、姉の紗月と花穂は、俺の欲望をガッシリ握っているから。
(――紗月姉、もう来てるかな)
一週間会わないのは特段珍しいことではない。
しかし、問題は欲求不満が募ること。
紗月姉に感じる強い肉体欲、そんな燃え盛るエネルギーが一週間分チャージ完了。
建物に近づくたび、強い欲求が体を支配するような感覚を覚える。
「ん、二階席か?」
体育館正面入口にいるのは、防具袋と竹刀を持った他校の選手ばかりだ。
脇の階段から二階の観覧席へあがって紗月姉の姿を探すが……
そんな必要はまったくなかった。観客がまばらで紗月姉は俺の姿を発見して手を振っている。
「蒼ちゃん、一週間ぶりっ! 寂しかった!?」
紗月姉は立ち上がって飛びついて来る。
俺は避ける暇もなく、一週間ぶりのおっぱい撃を食らう。
「うわっ! 紗月姉! いきなりやめろって!」
「そう言いつつも、しっかり背中に手を回してるじゃない!」
本能とは恐ろしいものだ。姉からの抱擁を自然に抱き返している。
◇◇◇
四条春香先輩の大会を、観戦しに来てくれと紗月姉に頼まれたのが今朝だ。
学校には急用で午後から授業に出ると、里志に言づけてある。
気になるのは、関係のない俺が今日ここに呼ばれた意味だ。
「なんで授業サボらせてまで俺を呼んだの?」
「春奈が蒼ちゃんにも見届けてほしいって言うから」
二階席の一番前に並んで座って、一階の様子をうかがっている。
いくつかの学校の選手が集まっている中、うちの学校の生徒もいるようだ。
「見届けるって……引退試合でもないのに? 勝てば次もその次もあるだろ?」
「ないよ。四条春奈にはそれがない。ここで剣を置くんだ、あいつは」
「四条先輩は段位だけで剣道強くないらしいけど、決めつけるのはどうかな?」
「蒼ちゃん。一歩外に出ればこの世界なんて、実力と才能と運を持つ人間しか上に行けないんだよ。春香は剣道をやめると決めている。進学して家を出たいと言っていたしね」
一階で四条先輩の姿を発見した。
昨日見た表情と違い、緊張感と不安感がにじみ出ている。
武道を習ったことがない俺でもわかる。あれは、迷いがある顔……
実力と才能と運を持つ人間しか上に行けない。俺はその言葉に納得できない。
それに今の発言では、四条春香が剣道を捨てて逃げ去るみたいではないか。
「一回戦ぐらい勝てるんじゃないか?」
「無理。春香には実力、才能、運がない。迷いを抱えたまま勝てるわけがない」
もうすぐ個人戦の一回戦が始まるようだ。下の階が騒がしくなってきた。
防具を付けた選手が何名か既に準備をしている。
「紗月姉……親友をボロカス言うなよ」
「あたしにはわかるんだ。親友だからじゃない」
「どういうこと?」
「実力も才能も運もあって、最強で超美人、無敗の完全無欠だからね……」
「自分で言うな……まあ、確かに紗月姉はすごいけどさ」
青山紗月、その戦闘力は未知数である。試合の敗戦記録はすべて反則負け。
剣道の試合でブチ切れて前蹴り、柔道の試合でブチ切れて正拳突きなど……
それを大会でやってのけたのだ。今ではケンカ自慢の不良さえ近寄らない。
「蒼ちゃん、頼みたいことがあるんだ。この試合後の春香のことなんだけどね」
階下から大きな気合を入れる声が聞こえてきた。
どうやら、一回戦が始まったらしい。
観覧席の俺と紗月姉の会話は、選手や応援の声にかき消された。
「紗月姉、本気か!?」
「お願いっ! 見返りはあとで!」
「見返り?」
「アレを口でしてあげる。あと、あたしのこれも触って指入れてもいい」
「あれとかこれって……なに言ってんだよ?」
「わかってるくせに。蒼ちゃんの欲望のままにどうぞってこと。ただし、最後まではしないけどね……それは理解できてるよね」
欲望につけ込んでいる。
会場の熱気よりも熱いのは、胸の奥から込み上げる姉への情欲の炎。
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