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【本幕・番外編】あねあね探検隊っ 弐
0.欲望渦巻く携帯破壊作戦開始しますっ!
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まえがき
このエピソードは【本幕・第二章 あねちゃんぷる迎撃っ 前編!】の5話で、蒼太のガラケーの破壊計画を練るワル姉妹視点のショートストーリーです。
http://www.alphapolis.co.jp/content/sentence/413322/
時系列的には掃除を一旦終えて、蒼太が買い出しに出ている間の話になります。
(買い出しに行った、という表現は文中には出てきません)
___________________________________
五月九日土曜日、午後一二時過ぎ。
寮の掃除はひとまず昼休憩となった。青山家の弟、蒼太が買い出しに出発。
姉二人は、顔を見合わせてほくそ笑んでいる。
オペレーション『事故を装って、蒼太の携帯電話破壊活動』発動。
「花穂、持って来た?」
「もちろん!」
花穂は持参した鞄の中から、小さな黒い箱を取り出した。
中身を確認するために箱を開く。中には最新型のウェアラブル端末が入っている。
「蒼ちゃんの迷子防止にGPSアプリとか必要じゃない?」
「そうだね、蒼太に悪い女がつかないように、GPSとテレビ電話の強制着信は必要ね」
花穂は自分の端末からチップを抜き、ウェアラブル端末に差し替えて操作する。
インストールしたアプリは、アドレス帳に入っている人物の位置を相互把握できるGPSアプリ。もう一つは、一般には公開されない裏アプリで、浮気防止などに使用されることがあるというテレビ電話強制着信アプリ。
「問題はガラケーだねぇ。蒼ちゃん、機械音痴でガラケー信者だからなぁ……」
「紗月姉。これをプレゼントするときに、蒼太の携帯電話からチップを抜くから、破壊できないかな? この丸テーブルに置くようにするから」
「これも蒼ちゃんのためだ。心を鬼にして、メリケンサックで破壊しよう!!」
紗月は引き出しから、使い古されて錆びついたメリケンサックを取り出した。
そして、大きめの硬いコップにコーヒーを入れて飲んでいる。
午後一二時半。紗月と花穂による、蒼太のガラケー破壊作戦の会議は続く。
この作戦に失敗は許されない。怪しまれることなく、速やかに破壊しなくてはならない。
「紗月姉、テーブルの上に置いた携帯電話を叩き壊せるの?」
「一応、あたしは空手有段者だからね。携帯どころか、こんな薄っぺらい丸テーブルならぶち抜けるよ。でも、問題はインパクトの瞬間に携帯だけ吹っ飛ぶ可能性があることかな?」
「それなら大丈夫。ネイル用の瞬間接着剤で固定するから!」
花穂は鞄から小さな接着剤を取り出した。
これを蒼太の携帯からチップを抜くときに塗布して、テーブルに固定すればいい。
「完璧だねっ! 花穂、蒼ちゃんが新しい端末持ったらエッチ動画見まくるよ?」
「いいじゃない。蒼太は性知識乏しいもん。丸見え動画でも鑑賞して勉強しないとねっ」
「心配なのは、トラウマを治す前に他の女と関係を持っちゃうことだね……」
「ヘタレだけど蒼太も男の子だからね。このウェアラブル端末でしっかり監視しないと」
綿密な携帯電話破壊作戦を練り終えた。あとは実践するのみ。
紗月と花穂は洗濯を終えた衣類を畳んでいた。そこで蒼太のパンツを発見。
「ピンクのボクサーブリーフで前に合金棒……うちの親もセンスすごいな」
「で、紗月姉と蒼太は昨晩、天然洗濯ノリが付着する行為にふけっていたと?」
「違うって! プロレスごっことダイエットで、ちょっと摩擦しただけ!」
「紗月姉、約束守ってよね? 最後までするのは絶対に禁止。あまり過激なのも控えてね。それは蒼太のためにならない」
「わかってる。接触行為は控えるよ」
紗月は、心の中でせせら笑っていた。
妹に反応しない蒼太チンを存分に使用できるのだ。
肉体のすべてを許さなくても、楽しむ方法は幾通りもある。
「それじゃあ、いくつか条件出すからね……」
花穂は紗月と新たなルールを設定した。
共有ボックスに、蒼太となにをしたか偽らず書く。蒼太を寮に呼ぶとき、自分もいっしょに呼ぶ。過度な誘惑と誘爆禁止令、要するにエッチ過ぎる行為の禁止だ。
「花穂、蒼ちゃんといっしょに住んでるんだから、あんたも自制しなよ?」
「わたしはいつも自制してるよ? 蒼太はわたしの下着にしか反応しないし……」
「でも、蒼ちゃんは花穂の愛情を欲しがっている。恋に近いのはどっちなんだろうね?」
「難しいね。愛情欲と肉体欲……恋に似て非なる感情なのかも」
カツンカツンと外から蒼太の足音が聴こえる。買い出しから戻ったようだ。
紗月はブンブンと腕を振り回し、ウォーミングアップを始める。
花穂は未開封を装うために、鞄に小箱をしまい込んだ。
姉二人は顔を見合わせてほくそ笑んでいる……
_____________________________
あとがき
※次は【あねとん堰止め乱撃っ 後編!】が始まります。
※姉たちがほぼ無理矢理つけた「ウェラブル端末」についての秘密を来栖有紀が明らかにしていきます。
このエピソードは【本幕・第二章 あねちゃんぷる迎撃っ 前編!】の5話で、蒼太のガラケーの破壊計画を練るワル姉妹視点のショートストーリーです。
http://www.alphapolis.co.jp/content/sentence/413322/
時系列的には掃除を一旦終えて、蒼太が買い出しに出ている間の話になります。
(買い出しに行った、という表現は文中には出てきません)
___________________________________
五月九日土曜日、午後一二時過ぎ。
寮の掃除はひとまず昼休憩となった。青山家の弟、蒼太が買い出しに出発。
姉二人は、顔を見合わせてほくそ笑んでいる。
オペレーション『事故を装って、蒼太の携帯電話破壊活動』発動。
「花穂、持って来た?」
「もちろん!」
花穂は持参した鞄の中から、小さな黒い箱を取り出した。
中身を確認するために箱を開く。中には最新型のウェアラブル端末が入っている。
「蒼ちゃんの迷子防止にGPSアプリとか必要じゃない?」
「そうだね、蒼太に悪い女がつかないように、GPSとテレビ電話の強制着信は必要ね」
花穂は自分の端末からチップを抜き、ウェアラブル端末に差し替えて操作する。
インストールしたアプリは、アドレス帳に入っている人物の位置を相互把握できるGPSアプリ。もう一つは、一般には公開されない裏アプリで、浮気防止などに使用されることがあるというテレビ電話強制着信アプリ。
「問題はガラケーだねぇ。蒼ちゃん、機械音痴でガラケー信者だからなぁ……」
「紗月姉。これをプレゼントするときに、蒼太の携帯電話からチップを抜くから、破壊できないかな? この丸テーブルに置くようにするから」
「これも蒼ちゃんのためだ。心を鬼にして、メリケンサックで破壊しよう!!」
紗月は引き出しから、使い古されて錆びついたメリケンサックを取り出した。
そして、大きめの硬いコップにコーヒーを入れて飲んでいる。
午後一二時半。紗月と花穂による、蒼太のガラケー破壊作戦の会議は続く。
この作戦に失敗は許されない。怪しまれることなく、速やかに破壊しなくてはならない。
「紗月姉、テーブルの上に置いた携帯電話を叩き壊せるの?」
「一応、あたしは空手有段者だからね。携帯どころか、こんな薄っぺらい丸テーブルならぶち抜けるよ。でも、問題はインパクトの瞬間に携帯だけ吹っ飛ぶ可能性があることかな?」
「それなら大丈夫。ネイル用の瞬間接着剤で固定するから!」
花穂は鞄から小さな接着剤を取り出した。
これを蒼太の携帯からチップを抜くときに塗布して、テーブルに固定すればいい。
「完璧だねっ! 花穂、蒼ちゃんが新しい端末持ったらエッチ動画見まくるよ?」
「いいじゃない。蒼太は性知識乏しいもん。丸見え動画でも鑑賞して勉強しないとねっ」
「心配なのは、トラウマを治す前に他の女と関係を持っちゃうことだね……」
「ヘタレだけど蒼太も男の子だからね。このウェアラブル端末でしっかり監視しないと」
綿密な携帯電話破壊作戦を練り終えた。あとは実践するのみ。
紗月と花穂は洗濯を終えた衣類を畳んでいた。そこで蒼太のパンツを発見。
「ピンクのボクサーブリーフで前に合金棒……うちの親もセンスすごいな」
「で、紗月姉と蒼太は昨晩、天然洗濯ノリが付着する行為にふけっていたと?」
「違うって! プロレスごっことダイエットで、ちょっと摩擦しただけ!」
「紗月姉、約束守ってよね? 最後までするのは絶対に禁止。あまり過激なのも控えてね。それは蒼太のためにならない」
「わかってる。接触行為は控えるよ」
紗月は、心の中でせせら笑っていた。
妹に反応しない蒼太チンを存分に使用できるのだ。
肉体のすべてを許さなくても、楽しむ方法は幾通りもある。
「それじゃあ、いくつか条件出すからね……」
花穂は紗月と新たなルールを設定した。
共有ボックスに、蒼太となにをしたか偽らず書く。蒼太を寮に呼ぶとき、自分もいっしょに呼ぶ。過度な誘惑と誘爆禁止令、要するにエッチ過ぎる行為の禁止だ。
「花穂、蒼ちゃんといっしょに住んでるんだから、あんたも自制しなよ?」
「わたしはいつも自制してるよ? 蒼太はわたしの下着にしか反応しないし……」
「でも、蒼ちゃんは花穂の愛情を欲しがっている。恋に近いのはどっちなんだろうね?」
「難しいね。愛情欲と肉体欲……恋に似て非なる感情なのかも」
カツンカツンと外から蒼太の足音が聴こえる。買い出しから戻ったようだ。
紗月はブンブンと腕を振り回し、ウォーミングアップを始める。
花穂は未開封を装うために、鞄に小箱をしまい込んだ。
姉二人は顔を見合わせてほくそ笑んでいる……
_____________________________
あとがき
※次は【あねとん堰止め乱撃っ 後編!】が始まります。
※姉たちがほぼ無理矢理つけた「ウェラブル端末」についての秘密を来栖有紀が明らかにしていきます。
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