姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【本幕・第6章】あねとん堰止め乱撃っ 中編!

3.テスト勉強に保健体育追加しますかっ!

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 五月一九日、火曜日の午後四時過ぎ。
来栖有紀のこのネタに少々飽きてきた。
この変態女の普段着が、スク水だろうとビキニだろうとなんだっていい。
しかし、毎度犯しなさいや突きなさいと言って、尻を突き出すのを注意せねば。

「お前な、生尻にカンチョーはさすがに俺も無理だから突かんぞ……」
「え? そこまで、見えてないはずよ?」

 水着の円形に切り取られた部分を、手で探って気にしている。
そんな微妙な恥じらいがあるなら、最初から切り抜く必要ないだろ……

「来栖、勉強を教えてくれるのか? どっちだ?」
「君、忘れてない? 昨日、姉に関する相談とか言ってたじゃない?」

 来栖は四角テーブルの対面に腰掛けた。
テーブルの上には、筆記用具とノート類が用意されている。

「知能が高いお前ならわかるよな? 秘密の暴露はリスクがともなうって」
「それは暴露する相手によるわ。君の秘密は漏洩しない」

 テーブルを挟んで座る来栖有紀の目は真剣そのものだった。
姿勢を正し、凛としたその姿は夕日を背負って神々しさを感じる。
ただし、スク水の尻は円型に穴が開いているが……

「わかった。すべて話すよ」

 昨日出会った来栖に、里志やスズにさえ明かしていない秘密を暴露する。
この天才でぼっちの変態女に、どこか通じ合える部分を見出したからだ。




 来栖に明かした秘密の内容は、俺の出自の話。
それと、青山姉妹との生活や関わり合い、接触行為についてだ。
恋愛感情がないという過去からのトラウマの話も詳しく話した。
それに加え、高校入学から起こったことも大まかに説明を終えた。

「蒼太君、話してくれてありがとう」
「感想もアドバイスもなしか?」
「テスト勉強始めるわ」

 来栖は話の内容に相づちを打っただけで、なんのリアクションもしなかった。
俺の隣に密着するように接近して、勉強を教える準備をしている。

「理数系がダメなんだ。ちょっと教えてくれ」
「いいよ。ここはね……正答がこれで……解への手順が――」

 来栖の教え方は、姉二人や学校の教師陣をはるかに凌駕していた。
まず、正しい答えから教えてしまう。次にその答えに辿り着く方法をつぶさに説明する。尻がOバックだと忘れてしまうぐらい、来栖の個人授業は巧みだった。

「すごいな。来栖は教え方も天才だな……」
「あ、さっき君の誕生日、三月って言った?」
「ああ、三月二十九日だ」
「わたしは四月五日なの。君、わたしがいた国では学年も年齢も下だね」

 国によって違うらしいが、九月が新年度の学校も多いとか。
日本でも導入されたと聞いたが、興味がないのでよく知らない。

「来栖先輩って呼んでほしいか?」
「やだ、来栖のままがいい。絶対に来栖」
「有紀って呼んでもいいぞ」
「それ、慣れちゃうと学校でもポロっと出ちゃうから来栖でいいよ」

 呼び方にこだわりはないが、このときの来栖はこだわっているように見えた。
下の名前で呼ばれる方が喜ぶと思ったら、そうでもないようだ。

「少し休憩していいか?」
「休憩しましょう。お茶を持って来るわ」

 部屋の出口へ歩く来栖のうしろ姿を見送るが……
その装いはコスプレを通り越して、珍妙に見えてしまう。







◇◇◇








 テスト勉強を開始してから約二時間。
時刻は午後六時前。外はまだ明るい。
来栖の個人授業は言葉で表せない程、的確かつ斬新な内容だった。

「来栖、着替えないの?」
「……ん」
「おーい、来栖!」
「わっ! ごめん、ちょっと考えごと。蒼太君って恋をしないんだよね?」
「しないって言うか、そういう感情がない。わからない」

 再び来栖は目を閉じて考え出した。一分、二分と考え込んでいる。
やがて、ブツブツと呪文のように言葉を並べ始める。

「姉のトラウマ治療行動……混浴……添い寝……キス……爆発……」

 なにか最後に物騒な言葉が出たが、おそらく本来の意味ではない方だろう。
来栖有紀の頭脳で俺のトラウマの正体が判明する、そんな期待が高まる。

「なにかわかったか?」
「君の話で一番引っかかるのは、青山姉妹のね」
「お前ならハッキングして、内容見れるんじゃないか!?」
「無理よ。ハッキング自体は可能だけど、セキュリティーが堅固なの。特に共有ボックスは、過去に共謀殺人や薬物取引に使用された経歴があるから……ハッキングした時点でこの場所も身元もばれて捕まるのがオチよ」
「やっぱりダメか……」
「トラウマに関しては、君と実験したいの」
「実験? なにを?」
「姉二人と同じ接触行為をするわ。混浴、添い寝、キス……誘爆……爆発」
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