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【本幕・第6章】あねとん堰止め乱撃っ 前編!
1.変態少女の登場は過激で破廉恥ですっ!
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まえがき
※この章から準主人公を【紗月】から【来栖有紀】に変更します。
※登場する来栖有紀は変人ですが、主人公の参謀的な役割を担います。
※また、章の名前が「あねとん堰止め」とあるように、「姉のブラコン阻止」という意味合いが入っています。なぜ、来栖有紀がブラコンを阻止したがるのかは、もう少し後の話で出る予定です。
______________________________
俺は青山蒼太、一五歳の高校一年。
部活はしていない。いわゆる帰宅部というやつだ。
放課後は悪友の里志や、他の友人と教室で談笑してから帰宅することが多い。
ライフスタイルは、シンプルイズベスト。これが、俺のモットーだ。
「失礼します」
しかし、クラスには委員会と言う面倒な役割分担がある。
同じ面倒な仕事なら、唯一の趣味である読書に関する委員会にしようと思い図書委員になった。電子書籍が大普及したこの時代に、図書室で現物の本を手に取って読む学生は少ない。要するに、図書室を見回って本を片づける楽な仕事なのだ。
その当番の日が今日で、職員室に鍵を取りに来た。
「青山君、花穂さんの怪我はどう?」
「だいぶ痛みも引いたみたいです。それより宮本先生、図書室の鍵どこですか?」
女子体育と保体の宮本優理先生が俺に声を掛けてきた。放課後の職員室は部活で出払っている教師が多いためか、広い空間がもっと広く見える。宮本先生は、鍵がたくさん掛けられた棚から一つの鍵を持って来た。
「はい、これね。おかしいなぁ。鍵は二本あるはずなのに、一本しかなかったよ」
「当番の見回りって、ひとりずつのはずですよね?」
「まあ、いいや。あとで確認してみるね。青山君、見回り終わったら、それ元の場所に返しといて」
「わかりました。ありがとうございます」
姫咲高校は生徒の校舎が二棟、音楽室など特別教室の校舎、職員校舎の四つに分かれている。その職員校舎の二階、つまり、先程鍵を取りに行った職員室の二階が図書室だ。
図書室の鍵を開けると、書籍類のかび臭い独特の匂いが鼻を突いた。
「本、出しっぱなしになってないな」
本来なら放課後も解放されているはずの空間だが、学校を出て数分の場所に姫咲図書館が無料開放されている。空調やネット環境を完備している分、生徒があちらに流れ込んでしまうのも無理はない。
(窓の外、景色いいな)
図書委員としての初仕事、あまり意味のない見回り。
この図書室に入るのは、今日が初めてだ。見慣れた町の風景も、初めて到達する場所から見ると違って見えるものだ。本棚の間から見る窓の外は、青々とした木々が立ち並ぶ小高い山が見える。
「えっと……この端末の動画撮影機能ってこれだっけ?」
別に趣味というわけではない。
気まぐれで、ときどき風景を撮影したりするだけだ。
腕に付けたウェアラブル端末の動画撮影をオンにして、見回りをしながら窓の方へ向かい、外の景色を撮影するプランに変更。
(――うん? 音楽が聴こえる……)
いくつもの本棚の間を進み、図書室の一番奥の角へ近付いたときだった。
女生徒が壁にもたれ、座り込んで眠っている。耳には大音量のヘッドフォン、口からよだれを垂れ流し、短めのスカートがめくれ上がってベージュのパンツが丸見えだ。
五月一八日、月曜日の午後五時前。俺は異様な人物を見下ろしている。
まず、目の前で眠りこける女生徒はパンツ丸出し。それだけなら放置しよう。
問題はそのパンツに、振動する端末を押し当てながら眠っているという異常行為を目撃してしまったことだ。もう一方の手には図書室の鍵が握られている。鍵を持ち出したのはこいつらしい。
(うわぁ。これは、見ちゃいけないパターンのやつだな)
言わずもがな、迅速に退避決定。
踵を返して立ち去ろうとしたとき、端末の着信音が鳴り響いた。
花穂姉ちゃんからの着信だが、今は通話できる状況ではない。
なにより、後ろを振り返りたくない……
「……ちょっと待ちなよ、青山蒼太君!」
背後から俺の名前が呼ばれた。なんで、俺の名前を知ってるんだ。
振り返りたくないが、振り返って確認するしかないらしい……
「なんで俺の名前……あっ」
「生徒会書記、二年の来栖有紀よ。で、今の見てたよね?」
「ああ、生徒会室にいた……」
「今、撮影してなかった?」
「偶然だけど……」
来栖はシュッと立ち上がり、窓のサンに手を置いた。
俺に向けて尻を突き出し、片手で勢いよくスカートをめくりあげる。
「ほら、犯しなさいっ!」
※この章から準主人公を【紗月】から【来栖有紀】に変更します。
※登場する来栖有紀は変人ですが、主人公の参謀的な役割を担います。
※また、章の名前が「あねとん堰止め」とあるように、「姉のブラコン阻止」という意味合いが入っています。なぜ、来栖有紀がブラコンを阻止したがるのかは、もう少し後の話で出る予定です。
______________________________
俺は青山蒼太、一五歳の高校一年。
部活はしていない。いわゆる帰宅部というやつだ。
放課後は悪友の里志や、他の友人と教室で談笑してから帰宅することが多い。
ライフスタイルは、シンプルイズベスト。これが、俺のモットーだ。
「失礼します」
しかし、クラスには委員会と言う面倒な役割分担がある。
同じ面倒な仕事なら、唯一の趣味である読書に関する委員会にしようと思い図書委員になった。電子書籍が大普及したこの時代に、図書室で現物の本を手に取って読む学生は少ない。要するに、図書室を見回って本を片づける楽な仕事なのだ。
その当番の日が今日で、職員室に鍵を取りに来た。
「青山君、花穂さんの怪我はどう?」
「だいぶ痛みも引いたみたいです。それより宮本先生、図書室の鍵どこですか?」
女子体育と保体の宮本優理先生が俺に声を掛けてきた。放課後の職員室は部活で出払っている教師が多いためか、広い空間がもっと広く見える。宮本先生は、鍵がたくさん掛けられた棚から一つの鍵を持って来た。
「はい、これね。おかしいなぁ。鍵は二本あるはずなのに、一本しかなかったよ」
「当番の見回りって、ひとりずつのはずですよね?」
「まあ、いいや。あとで確認してみるね。青山君、見回り終わったら、それ元の場所に返しといて」
「わかりました。ありがとうございます」
姫咲高校は生徒の校舎が二棟、音楽室など特別教室の校舎、職員校舎の四つに分かれている。その職員校舎の二階、つまり、先程鍵を取りに行った職員室の二階が図書室だ。
図書室の鍵を開けると、書籍類のかび臭い独特の匂いが鼻を突いた。
「本、出しっぱなしになってないな」
本来なら放課後も解放されているはずの空間だが、学校を出て数分の場所に姫咲図書館が無料開放されている。空調やネット環境を完備している分、生徒があちらに流れ込んでしまうのも無理はない。
(窓の外、景色いいな)
図書委員としての初仕事、あまり意味のない見回り。
この図書室に入るのは、今日が初めてだ。見慣れた町の風景も、初めて到達する場所から見ると違って見えるものだ。本棚の間から見る窓の外は、青々とした木々が立ち並ぶ小高い山が見える。
「えっと……この端末の動画撮影機能ってこれだっけ?」
別に趣味というわけではない。
気まぐれで、ときどき風景を撮影したりするだけだ。
腕に付けたウェアラブル端末の動画撮影をオンにして、見回りをしながら窓の方へ向かい、外の景色を撮影するプランに変更。
(――うん? 音楽が聴こえる……)
いくつもの本棚の間を進み、図書室の一番奥の角へ近付いたときだった。
女生徒が壁にもたれ、座り込んで眠っている。耳には大音量のヘッドフォン、口からよだれを垂れ流し、短めのスカートがめくれ上がってベージュのパンツが丸見えだ。
五月一八日、月曜日の午後五時前。俺は異様な人物を見下ろしている。
まず、目の前で眠りこける女生徒はパンツ丸出し。それだけなら放置しよう。
問題はそのパンツに、振動する端末を押し当てながら眠っているという異常行為を目撃してしまったことだ。もう一方の手には図書室の鍵が握られている。鍵を持ち出したのはこいつらしい。
(うわぁ。これは、見ちゃいけないパターンのやつだな)
言わずもがな、迅速に退避決定。
踵を返して立ち去ろうとしたとき、端末の着信音が鳴り響いた。
花穂姉ちゃんからの着信だが、今は通話できる状況ではない。
なにより、後ろを振り返りたくない……
「……ちょっと待ちなよ、青山蒼太君!」
背後から俺の名前が呼ばれた。なんで、俺の名前を知ってるんだ。
振り返りたくないが、振り返って確認するしかないらしい……
「なんで俺の名前……あっ」
「生徒会書記、二年の来栖有紀よ。で、今の見てたよね?」
「ああ、生徒会室にいた……」
「今、撮影してなかった?」
「偶然だけど……」
来栖はシュッと立ち上がり、窓のサンに手を置いた。
俺に向けて尻を突き出し、片手で勢いよくスカートをめくりあげる。
「ほら、犯しなさいっ!」
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