姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【本幕・番外編】あねあね探検隊っ 壱

0.エロ本捜索隊が弟の部屋を漁りますっ!

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まえがき
※章と章の間に挟むショートストーリーです。
※次回から新章が始まります。
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 五月一七日、日曜日の午後十二時半過ぎ。
青山家の弟、蒼太がコンビニへ出発。
姉二人は顔を見合わせて、ほくそ笑んでいた。
オペレーション『高校生になった蒼太おとうとのエロ本捜索。女性への趣味と傾向』発動。

「行くよ、花穂!」
「了解!」

 颯爽と階段を駆けあがり、弟の部屋をピッキングでいとも簡単に開ける花穂。
紗月と花穂による、エロ本捜索活動が開始された。

「蒼ちゃんって隠し場所変えるよね?」

 紗月は隠し場所の定番、ベッドの下をのぞき込んでいるがなにもない。

「紗月姉、そんなベタなとこに隠さないよ……」

 花穂は蒼太の部屋全体を見回して、テレビ台に目星を付けた。
薄型二十二インチテレビを乗せた、奥行き三十センチほどの台の下を手で探る。

「花穂、あった?」
「あった!」

 花穂がテレビ台から発見したのは、水着グラビアの雑誌二冊だった。
『月刊スク水タイフーン』『月刊ビキニ倶楽部』

「蒼ちゃんって、水着好きだけど、スク水ってマニアックだな……」
「なにか思い入れでもあるんじゃない? あとこの二冊はフェイクだよ」




 水着雑誌をテレビ台の下へ元通りに戻した花穂は、再び部屋の中を捜索した。
紗月は弟の匂いを存分に味合うため、ベッドの上の布団に寝転んでいる。

「紗月姉! 真面目に探してよ!」
「はいはい……あれ? ここなんか硬いものがある!」

 紗月はいったんベッドからおりて、敷布団を探ってみた。
敷布団シーツの中になにかが入っている。ファスナーを開き、取り出すと……
『デラどっぴゅん 四月特大号』を発見。

 一二時四五分、

「わっ! これすごっ! 紗月姉、男の子ってやっぱりこんなの好きなんだね?」
「うーん、中学の頃は水着雑誌だけだったのにね。蒼ちゃんも成長したなっ」

 薄い大判のフルカラー雑誌、表紙から全裸の男女がキスシーンを演じている。
どうやら、男女の営みの終始をフルカラーで撮影した雑誌のようだ。

「蒼太、こういうの興味あるんだ……」
「花穂、これを見て」

 紗月は本のホチキス留め部分を持ち、下に向けて雑誌を振り出した。
そうすると、あるページだけが開きやすい状態になっている。

「うわぁ……」
「このページ、蒼ちゃんお気に入りだろうね。たぶん、絶頂前にフィニッシュブローをかけるページだよ!」

そのページは、男の上に女が乗って交わっているピンナップが掲載。
接合部分はボカシで隠されているが、男と女は悦楽の表情を浮かべているのが見て明らかだ。

「蒼太って、この体勢好きなのかな?」
「花穂、知らなかったの? 蒼ちゃんは上に乗られるの好きだよ」




 紗月と花穂は興奮を抑えつつ、『デラどっぴゅん 四月特大号』を読み続けた。
そして、あるページに付箋が貼られているのを発見。そこには文字が書いてある。
『勝手に人の部屋を探るな! 同じ目に遭わせるぞ! 蒼太』

「うはっ。蒼太のくせに先読みしてる!」
「ばれてるとは思ってたけど……さすが、推理小説読んでるだけあるね」
「紗月姉。これ、同じ目に遭わせるって書いてるよ?」
「付箋貼るページ、どこ間違えてもエロシーンだけど……蒼ちゃん……」

 そのページの男女はベッドの上で向かい合い、座った状態で交わっている。
唇を交わしながら、男が女を抱きかかえ、女は男の膝の上だ。

「これと同じ目に?」
「花穂、これお互いに腰振ってるんだよ。こんなこと蒼ちゃんしたいのかな?」
「なんだかこの写真の男の人、蒼太に似てない?」
「そう言われて見ると……女の人はあたしらに似てるような……」

 紗月と花穂は顔を合わせながら、ほくそ笑んでいる。

「これは嬉しい脅しだよね。蒼太は可愛いね、紗月姉」
「うん、興奮してきた! こんな体勢で蒼ちゃんと……ぐふふ」

 興奮する姉妹は時間を忘れて、食い入るようにそのページを見ていると……
外から足音と、家の門を開ける音が聞こえてきた。

「あっ! 蒼太がコンビニから帰ったよ!」
「花穂! 撤収っ! 施錠よろしく!」
「紗月姉、昨日避妊具買ったってほんと?」
「あ、うん。見せるよ」

 『蒼太のエロ本捜索』終了。成果は並み。
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あとがき
※次から新章「あねとん堰止め乱撃っ 前編!」が始まります。
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