姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

文字の大きさ
上 下
94 / 217
【本幕・第5章】あねしゃんぶる連撃っ 後編!

1.トラウマとエロ下着の秘密ですよねっ!

しおりを挟む
 五月一六日、土曜日。午後九時前。
風呂場から逃走した俺は紗月姉の部屋でテスト勉強を続けている。
花穂姉ちゃんと加奈子さんは入浴中、紗月姉はコンビニへ夜食を買いに出た。

「――実の姉に興奮するおれ……」

 最後に背中を洗ったのは、加奈子さんだった。
二人の姉に、ほとんど無反応。
加奈子さんの吐息ひとつで、身体に電流が走ったような興奮を覚えた。
あの人が実姉だと頭で理解している。背徳的な意識など毛頭ない……はずだ。

「蒼ちゃん、アイス食べる!?」

 紗月姉がアイスをくわえながら、部屋に戻って来た。
光沢感のあるベロア生地のスポーツウェア上下を着て、湯上りの髪がまだ乾いていない。顔もスタイルもいい、色気も充分。だたし、アイスの食べ方は不合格だ。

「紗月姉……その食べ方やめろよ。弟子スズが真似してたぞ?」
「こう溶かし込むようにねっとりと……りんにもいい予行演習になるって」

 やめろと言うと、すぐ調子に乗り始める。この姉の悪い癖だ。
シュポシュポと音を立て舐め回すように食べているが、なにも込み上げてこない。

「昼間こう言ったよな? 無念蒼太チンになった理由がわかったって」
「お風呂の実験で確信したよ。蒼ちゃんのトラウマに関すること」

 勉強道具が置かれた丸テーブルを囲んで、紗月姉が難しい顔を見せる。
そもそも、風呂場で背中を洗うだけの行動が、実験とは信じがたい。

「加奈子さんか? 俺が加奈子さんに過剰に反応したことだろ?」
「うん、それ。蒼ちゃんの恋愛感情がない原因って、あたしと花穂が小さい頃から取り合いしたせいだって話したよね?」
「それは前に聞いた。二人が取り合いして、歪んだトラウマができたって……」
「あのさ、蒼ちゃん。二人で取り合いしてるときに助け出す子も、蒼ちゃんを奪い去ってることにならない? つまり……蒼ちゃんを取り合っていたのは、あたしと花穂だけじゃない」
「そんな……助けてくれた加奈子さんも俺のトラウマの原因なのか!?」
「たぶんね。あたしたちは知らないうちに三人で取り合いをしていたんだよ。昨日今日でなにが変化したかわかる? 加奈子ちゃんが家に泊まりに来たよね?」
「いや、待ってくれ。加奈子さんは何度か泊まりに来てるだろ?」
「基本的には、花穂が加奈子ちゃんの家行くでしょ? この家に泊まりに来るのは、数年ぶりだと思うんだけど」

 言われてみれば、その通りだ。
花穂姉ちゃんが加奈子さんと仲が良すぎて、お互いの家でお泊りしていると勘違いしていた。青山家に加奈子さんが宿泊する回数は少ない。まず、あの二人はここで夜まで遊んで、加奈子さんの家からの迎えで姉もそのまま泊まりに行ってしまう。

 俺は頭の中で勝手に、加奈子さんが夜遅くまでまで青山家うちにいる。イコール、加奈子さんが姉の部屋に泊まっていると、なにも深く考えず思い込んでいた。
自分の記憶を都合のいいように、捏造していたことになる。








◇◇◇








 午後九時半、廊下から足音が聞こえる。花穂姉ちゃんと加奈子さんだ。
俺のトラウマに加奈子さんも関係している。
それを聞いてから、勉強に身が入らない。

「俺のこの状況は、加奈子さんがここに来たからか?」
「来たからと言うか……引き金は、いっしょにお風呂入ったことかな」

 金曜の夜、紗月姉の入浴中を襲撃するはずが、中にいたのは加奈子さんだった。
お互い裸をさらけ出したあと、誘われるがまま混浴していた。
加奈子さんの様子が、いつもと違って見えた気がする……

「でも、その夜……紗月姉と布団で……」
「おかしいと思わない? 早撃ちガンマンの蒼ちゃんが二回だけ!」
「早撃ちは余計だけど、変調はそのときから出てたわけか……」
「花穂には内緒ね。たぶん一時的なものだと思うよ」
「加奈子さんが帰ると元に戻ると?」
「確証はないけど、おそらく……」

 立ち上がった紗月姉が、スポーツウェアの上下を脱ぎ始めた。
いつか見た上下セットの白い下着だ。ブラの肩紐は黒で、胸の部分にバラが刺繍されている。パンツも同様にバラの刺繍があり、サイドが二本の紐になっている。

「紗月姉っ! なんでいきなり脱ぐんだ……」
「なにも感じない? 込み上げて来ない?」

 零れそうな胸、きれいな生足、抜群のスタイルに込み上げるものがないと言えば嘘になる。
しかし、一時的なものですぐにおさまってしまう。

「……ダメみたいだ」
「それじゃ、リハビリ開始……って、えっ!? なに!? 蒼ちゃん?」

 無意識に紗月姉の腰を抱いていた。
白いパンツ、バラの刺繍がある部分に顔をうずめながら……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?

久野真一
青春
 2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。  同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。  社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、  実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。  それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。  「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。  僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。  亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。  あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。  そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。  そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。  夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。  とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。  これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。  そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

処理中です...