姉らぶるっ!!

藍染惣右介兵衛

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【本幕・第5章】あねしゃんぶる連撃っ 前編!

3.怪我した姉をおんぶして帰宅しますっ!

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 鳥のさえずる声が聞こえる。どうやら朝らしい。
覚醒した瞬間から、下半身あそこに軽い痛みを感じるのはなぜだろう。
確か昨晩は花穂姉ちゃんの部屋でいっしょに寝たはず……

「おっはよっ! 蒼太」
「……ん? お……やすみ……」
「起きないと……ピコピコするよ?」

 また、下半身に軽い痛みが走る。
朝の生理現象……まさか、タワーが攻撃されている?
おそるおそる目を開いて自分の下腹部を見ると、パンツが盛り上がっている。
その盛り上がりを、楽しげにビチビチ指で弾く花穂姉ちゃん……

「姉ちゃん……すげー痛いから!」
「今日も蒼太が元気でよかった。でも、これ大き過ぎない?」

 花穂姉ちゃんの起床時間は朝早い。洗濯と食事の用意をするからだ。
既に制服に着替えて、俺を起こしに来たようだ。

「ん? いつもこんなもんだろ」

 パンツをベロンとめくって、膨張したままのものを見せつける。
どうせめくられるのだ。先手を打ってやる方が清々しい。

「今からパンツおろそうと思ってたのに……蒼太、最近先読みするよね?」
「姉ちゃんたちの行動がワンパターンなんだって」
「おはようのキスはしたくないの?」
「俺も早く学校行く準備しないと……」

 昨晩あれだけ必死に花穂姉ちゃんの唇を欲したのに……
今、その欲求がない。やはり、通り雨のような一時的な感情だったのだろうか。




 五月一四、日木曜日。午前八時前。
玄関を出ると、加奈子さんが待っている。
なにかと多忙なこの二人と登校するのは久しぶりだ。

「おはようございます……弟君」
「おはよう、加奈子さん」
「加奈ちゃんおはよ! 行こっ」

 この二人と歩くと、変に目立ってしまうのが難点だ。
生徒会長と副会長、成績優秀な美少女コンビを校内で知らない者はいない。

「そういや、蒼太。新しい友達はできた?」
「いいや、まだだ。新しい友達って、地元高校だから同中の奴ばっかだぞ……」

 姫咲高校はそこそこの偏差値だが、レベルの高い進学校ではない。
同じ中学の生徒が大量に受験して、そのまま入学するため顔見知りが多い。
なにより通学の利便性だ。こうして会話しているうちに学校に到着してしまう。

「花穂姉ちゃん、今日は帰り遅い?」
「テスト前だから早く帰るよ。蒼太、いっしょに帰る? 加奈ちゃん習い事だし」
「うん。授業終わったら連絡するよ」
「わかった。じゃあ、またあとでねっ」
「それでは、弟君……」
「おね……加奈子さん、習い事頑張って」

 加奈子さんを見る度に、あの日聞いた琴の音を思い出す。
本当はお姉ちゃんと呼びたいが、人前では呼びにくい。







◇◇◇








 放課後小さな事件が起きた。
教室を出ようとした俺の元に、体操着姿の加奈子さんが走って来る。
相当急いで走って来たのか、髪を振り乱して呼吸が荒い。

「加奈子さん?」
「……お、弟君! 花穂さんが……体育の授業で怪我をされました……」
「花穂姉ちゃんが!?」
「こちらです……保健室へ」

 俺は加奈子さんのあとに続き、校舎一階の保健室へと急いだ。
保健室のドアを開くと、ベッドに腰掛けた花穂姉ちゃんがいる。

「姉ちゃん、大丈夫か!?」
「どうしよ蒼太……捻挫しちゃった」

 左足首に包帯が巻かれ、松葉杖が用意されているようだ。
うちは親が海外だ。送り迎えができる人間がいない。

「弟君……わたしの家から迎えを呼びましょうか……?」
「大丈夫。ありがとう、加奈子さん。姉ちゃんは俺が連れて帰るよ。加奈子さんは早く習い事行かないと。あとは任せてくれないかな?」
「……はい、お願いします……花穂さんそれでは……」

 一礼して加奈子さんは去って行った。習い事の時間に間に合えばいいのだが……
さて、問題はどうやって、姉をお持ち帰りするかだ。

「松葉杖あるし、蒼太と帰るなら大丈夫だねっ!」
「学校付近じゃ人目あるからできないけど……あとでおぶってやるよ」

 肩を貸しながら下駄箱、校門、学校付近の通学路を過ぎた。
学校から少し離れると人目に付きにくい。

「お姫様抱っこ!」
「するかっ! 早く背中に乗ってくれよ!」

 中腰に屈むと、重みと共に胸の感触が背中に伝わる。
紗月姉や四条先輩には及ばないが、並盛りのおっぱい撃が炸裂。
手は柔らかい臀部付近に添え、しっかりと体を支える。

「蒼太の背中大きいね」
「姉ちゃんのおっぱいとお尻柔らかい」
「お尻っていうか、そこ太ももでしょ。姉ちゃんに惚れた?」
「惚れてたら今夜は勉強どころじゃなくなるだろ! 襲ってしまうぞ」
「蒼太。今夜はお姉ちゃんと性の喜びについて勉強をねっぷり――」
「大却下申請待ったなしだっ!」

 テスト勉強は、まだ始まったばかりだ。
開始早々、姉にアクシデント発生だが、テスト勉強には差し支えないだろう。
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