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【本幕・番外編】ぼーいず・びー・でんじゃらすっ 壱
0.パイオツカイデー作戦おっ始めますっ!
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まえがき
※間に挟むショートストーリーです。
________________________
五月十日正午過ぎ。
俺はある人物と、ウェアラブル端末でコンタクト取った。
そして、ある作戦の決行を決意して、その男は俺の部屋へやって来たのだ。
作戦概要『下着姿で昼寝中の青山紗月のブラをめくって、巨乳を拝謁至極』
「作戦コードネームを『パイオツカイデー』とする!」
高らかに俺の部屋で自滅宣言をするこの男、悪友の朝峰里志である。
小学生の頃から紗月姉にべた惚れ。何度も告白するが、毎回振られている。
テレビ電話で紗月姉が来ていること、下着姿で昼寝していること、会いに来ても昼寝中は起きないことを話すと、ロケット砲のように家にぶっ飛んで来たのだ。
「里志、ばれたらお前死ぬぞ……」
「死んでも悔いはねえっ! 紗月さんのおっぱい、おっぱい!」
これはもう手遅れだ。死地へ赴こうとする戦士を俺には止めることができない。
いや、むしろサクッと死ね。
「紗月姉の部屋はこっちだ。知ってるだろ?」
俺たちは部屋を出て、紗月姉の部屋の前にスタンバイした。
今日は日曜日、今朝の喧騒から解放された花穂姉ちゃんは友人と出掛けている。
「蒼太! ドアちょっと開いてるぞ!」
開いたドアの隙間から中を確認すると、布団の上に大の字で寝ている姉がいる。
その下着は上下白色だが、ブラジャーの肩紐は黒で、胸の部分にバラが刺繍されたデザインだ。パンツも同様にバラの刺繍があり、サイド部分が紐になっている。
「紗月姉の下着エロいな……ん? 里志?」
「はひぃ、ふひゅう……ふぁ、はぁ、な、なんだあのエロ下着は!?」
なんなんだお前のその呼吸音は……
このエロ勝負下着、今晩俺の部屋に来る気満々だな。
紗月姉は忘れ物の課題を取りに帰って来た。明日の午前中には帰る予定だ。
足音を殺して、まず俺が部屋の中へ潜入する。
そして、里志に合図して姉の寝床へ導き入れる。
目標を視認、そこいらのモデルより美人な我が姉紗月がいびきをかいて爆睡中。
「うわっ! このパンツ、見ろよ。横側この二本の紐だけ……里志?」
「んぐほっ……ひゅぽっひゅっ……た、たまらんっ!」
だから、なんなんだお前のその呼吸音は……しっかり呼吸しやがれっ!
さて、ここからが本番だ。ブラジャーをずりさげて、胸を露出させねばならない。
「里志! お前言い出しっぺだろ? ブラめくれ!」
「ぉいっ! 蒼太、いいのか?」
「見つかって、死ぬのはお前だけで充分だろ? 行け!」
里志はビシッと敬礼をして、紗月姉のそばに近寄る。
さらば相棒、さらば親友。無言の別れを告げるように、敬礼を返した。
「殉職しても悔いはねえっ! 行くぞ……」
里志は寝息を立てる紗月姉のブラジャーに手をかけた。
それをゆっくりと引きおろすと……
「やばい……里志、これはやばい……」
胸を露出させる作戦に、想定外のアクシデント発生。
里志が引っ張ったブラは、肩紐を残して外れてしまい紗月姉の胸がブルンと零れた。
ホックの留め具が歪んで壊れている。
辛うじて肩紐が、ブラの位置を保っているという危うい状態だ。
「う、うお、紗月さんのおっぱい……でけえっ」
「やばいぞ里志! 元に戻せない。どうする?」
里志は忠告に耳を貸さず、食い入るように紗月姉の巨乳を凝視している。
「はぁ、はぁ……蒼太、ホックを閉じるのは無理だ。胸の上に置いておくしかないっ」
「真剣な顔して冷静な意見を言う前に、股間の盛り上がりをなんとかしろ!」
ブラをなるべく元の位置に戻して、退避するべきだろう。
「んぁ……ソー……セ……ジ……き……も……ちぃ」
「紗月姉の寝言か!?」
「紗月さんはソーセージ食う夢でも見てんのか?」
違うな、これはソータセージ……つまり俺の夢を見ているんだろう。
ソータセージ気持ちいいって、どんな夢見てるんだろうな。
後で聞……けるわけないか。
「蒼太! ブラを戻すぞ……」
里志は紗月姉の胸の上にブラを戻す。
やはり、破損した部分のせいで、完全に元通りとはいかないようだ。
「急げ! 部屋出るぞ、里志!」
作戦は成功した……と思ったが……
部屋から出ようとした瞬間、背後に肉食獣のような恐ろしい気配を感じた。
下着姿の紗月姉がゴキュバキュと指を鳴らして近づいて来る。
「蒼ちゃん、里志っ! 新技と必殺技どっちがいい!?」
パイオツカイデー作戦。
安物ブラ破損という想定外の事態が起こり、標的に捕捉され失敗。
……殉職者二名をもって終了っ!
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五月十日正午過ぎ。
俺はある人物と、ウェアラブル端末でコンタクト取った。
そして、ある作戦の決行を決意して、その男は俺の部屋へやって来たのだ。
作戦概要『下着姿で昼寝中の青山紗月のブラをめくって、巨乳を拝謁至極』
「作戦コードネームを『パイオツカイデー』とする!」
高らかに俺の部屋で自滅宣言をするこの男、悪友の朝峰里志である。
小学生の頃から紗月姉にべた惚れ。何度も告白するが、毎回振られている。
テレビ電話で紗月姉が来ていること、下着姿で昼寝していること、会いに来ても昼寝中は起きないことを話すと、ロケット砲のように家にぶっ飛んで来たのだ。
「里志、ばれたらお前死ぬぞ……」
「死んでも悔いはねえっ! 紗月さんのおっぱい、おっぱい!」
これはもう手遅れだ。死地へ赴こうとする戦士を俺には止めることができない。
いや、むしろサクッと死ね。
「紗月姉の部屋はこっちだ。知ってるだろ?」
俺たちは部屋を出て、紗月姉の部屋の前にスタンバイした。
今日は日曜日、今朝の喧騒から解放された花穂姉ちゃんは友人と出掛けている。
「蒼太! ドアちょっと開いてるぞ!」
開いたドアの隙間から中を確認すると、布団の上に大の字で寝ている姉がいる。
その下着は上下白色だが、ブラジャーの肩紐は黒で、胸の部分にバラが刺繍されたデザインだ。パンツも同様にバラの刺繍があり、サイド部分が紐になっている。
「紗月姉の下着エロいな……ん? 里志?」
「はひぃ、ふひゅう……ふぁ、はぁ、な、なんだあのエロ下着は!?」
なんなんだお前のその呼吸音は……
このエロ勝負下着、今晩俺の部屋に来る気満々だな。
紗月姉は忘れ物の課題を取りに帰って来た。明日の午前中には帰る予定だ。
足音を殺して、まず俺が部屋の中へ潜入する。
そして、里志に合図して姉の寝床へ導き入れる。
目標を視認、そこいらのモデルより美人な我が姉紗月がいびきをかいて爆睡中。
「うわっ! このパンツ、見ろよ。横側この二本の紐だけ……里志?」
「んぐほっ……ひゅぽっひゅっ……た、たまらんっ!」
だから、なんなんだお前のその呼吸音は……しっかり呼吸しやがれっ!
さて、ここからが本番だ。ブラジャーをずりさげて、胸を露出させねばならない。
「里志! お前言い出しっぺだろ? ブラめくれ!」
「ぉいっ! 蒼太、いいのか?」
「見つかって、死ぬのはお前だけで充分だろ? 行け!」
里志はビシッと敬礼をして、紗月姉のそばに近寄る。
さらば相棒、さらば親友。無言の別れを告げるように、敬礼を返した。
「殉職しても悔いはねえっ! 行くぞ……」
里志は寝息を立てる紗月姉のブラジャーに手をかけた。
それをゆっくりと引きおろすと……
「やばい……里志、これはやばい……」
胸を露出させる作戦に、想定外のアクシデント発生。
里志が引っ張ったブラは、肩紐を残して外れてしまい紗月姉の胸がブルンと零れた。
ホックの留め具が歪んで壊れている。
辛うじて肩紐が、ブラの位置を保っているという危うい状態だ。
「う、うお、紗月さんのおっぱい……でけえっ」
「やばいぞ里志! 元に戻せない。どうする?」
里志は忠告に耳を貸さず、食い入るように紗月姉の巨乳を凝視している。
「はぁ、はぁ……蒼太、ホックを閉じるのは無理だ。胸の上に置いておくしかないっ」
「真剣な顔して冷静な意見を言う前に、股間の盛り上がりをなんとかしろ!」
ブラをなるべく元の位置に戻して、退避するべきだろう。
「んぁ……ソー……セ……ジ……き……も……ちぃ」
「紗月姉の寝言か!?」
「紗月さんはソーセージ食う夢でも見てんのか?」
違うな、これはソータセージ……つまり俺の夢を見ているんだろう。
ソータセージ気持ちいいって、どんな夢見てるんだろうな。
後で聞……けるわけないか。
「蒼太! ブラを戻すぞ……」
里志は紗月姉の胸の上にブラを戻す。
やはり、破損した部分のせいで、完全に元通りとはいかないようだ。
「急げ! 部屋出るぞ、里志!」
作戦は成功した……と思ったが……
部屋から出ようとした瞬間、背後に肉食獣のような恐ろしい気配を感じた。
下着姿の紗月姉がゴキュバキュと指を鳴らして近づいて来る。
「蒼ちゃん、里志っ! 新技と必殺技どっちがいい!?」
パイオツカイデー作戦。
安物ブラ破損という想定外の事態が起こり、標的に捕捉され失敗。
……殉職者二名をもって終了っ!
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