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【序幕・第10章】清楚な加奈子さんっ
2.お部屋でおパンツ姿になるんですかっ!
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水も滴るいい女という言葉がある。
いい女と呼ぶには、まだあどけなさが残る。そんな女性が立っている。
加奈子さんは白いバスタオルを巻いて、髪をタオルで留めた姿だ。
「加奈子さん! まさか、ベッドインしたあと!?」
「……ペット……このマンションはペットイン禁止なんです……」
これが結城加奈子さんなのだ。超天然系お嬢様である。
ローズだろうか、石鹸の香りが加奈子さんの身体から湯気と共に漂う。
さっきまでお風呂に入っていたんだろう。俺がちょっと早く来過ぎたようだ。
「俺、ここ入るのは初めてだよね? 前は八階だったような……」
このマンションは各階の作りが似ている。
それ程頻繁に来るわけではないので記憶が乏しいが、前は八階に住んでいたはずだ。
「ここは去年から住んでます……弟君、中へどうぞ……」
バスタオル姿の加奈子さんに案内されて、部屋の中へ入って行く。
女の子らしい白いタンスやピンクのカーテンなどで装飾されたリビングだ。
奥のドアが開いている。そこに見えるのは天蓋付きベッド。
「ここ、加奈子さんひとりで使ってるの!? すっごい広いね」
「はい……あ、弟君。少し、待ってくださいね……着替えます……」
加奈子さんは奥の寝室へ向かって行った。寝室だけでも一〇畳はありそうだ。
天蓋付きベッドはセミダブルほどだろうか。黒い支柱に黒いカーテン、黒い寝具だ。
そして、ドアから見えるのは大きな姿見。ついその鏡を見てしまう。
「……う、鏡に加奈子さんが……」
加奈子さんは見えないように部屋の中で着替えているのだが、ドアの奥に置いてある大きな姿見の傾斜角度が、バスタオルを取り外そうとしている加奈子さんを映している。
鏡から目を離せば見ないで済むが、その選択肢は頭から消し飛んだ。
バスタオルを外した加奈子さんの体はしなやかで白く、胸は小ぶりだった。
頭に巻いたタオルを取り払い、フルフルと首を振って髪をおろしている。
(……可愛いな……)
加奈子さんはつやつやした真っ白い下着をつけ始めた。
うちの姉妹がつけているような、派手な安物の下着ではなさそうだ。
「弟君、お待たせしました……まずお昼にしましょうね……」
小花柄の薄いイエローのワンピースとデニム姿の加奈子さんが部屋から出て、キッチンの方へ向かって行く。どうやら昼御飯の用意は済ませているようだ。
「なに作ってくれたのかな?」
キッチンから電子レンジの音が聞こえる。これはガーリックの香りだろうか。
麺を茹でたときの匂いも微かに残っている。おそらくパスタだろう。
「……お口に合うかわかりませんが……どうぞ……」
ガラステーブルに運ばれて来たのは予想通りパスタだった。
レストランで出るような、様々な具材を駆使した一品だ。
「美味しそう! 加奈子さん、いただきます!」
俺が食べ始めるのを見て、加奈子さんも食べ始めた。
花穂姉ちゃんの料理は母譲りで美味いが、加奈子さんの料理も絶品だ。
パスタにレタスサラダ、少食の女性らしいラインナップである。
「ハンバーグ……温めるのを忘れていました」
「え? ハンバーグあるの?」
食事の手を一旦止めて、加奈子さんは再びキッチンへ入って行く。
すぐに電子レンジを回す音と共に、肉とソースの香りが食欲をそそる。
大好物の煮込みハンバーグ、加奈子さんのお手製だ。
「弟君……五日前に花穂さんがハンバーグを作ったと言っていたので――」
「ぐあっ……あの異形のハンバーグ、思い出したくない」
「花穂さんのように、美味しく作れませんがどうぞ……」
「いや、加奈子さんが美味しそうだよ!」
この時、加奈子さんのハンバーグの方が、美味しそうだと言ったつもりだった。
本能的なのか、勢い余ってなのか、清楚な美少女を前につい本音が漏れ出す。
ただし、超天然な加奈子さんは、この程度のシモネタには気づきもしない。
◆◆◆◆◆◆
食後、加奈子さんが片づけをしたあと、紅茶を用意してくれた。
これはローズヒップティーだ。すごくいい香りが湯気に乗って舞い上がる。
「……あ、あの……弟君、お土産……受け取ってくれましたか?」
「うん、今日穿いてるよ?」
紗月姉が朝洗濯してくれたおかげで、来る前に穿き替えることができたのだ。
このパンツ、結構穿き心地がいい。替えも二枚あるので、これから重宝しそうだ。
温泉やプールの更衣室では、ちょっと見せられない一品だが……
「弟君……そのパンツ……見せてくれませんか?」
「……え、加奈子さん? 脱ぐの? 俺……」
加奈子さんは立ち上がって、寝室の方へ歩き出した。
そして、手の平を上に向けて、どうぞのポーズをとっている。
「……こちらに来てください……」
一〇畳はあろうかという寝室の真ん中には立派な天蓋付きベッド。
大きな姿見と大きなクローゼットにタンス。木製の簡易デスクセットも隅にある。
「えっと、土産のパンツ見せればいいんだよね?」
俺はベルトを外し、デニムをずり下げた。
銀色の文字で注入棒と書かれたパンツが加奈子さんの前に出た。
加奈子さんの顔が股間の文字に近付いて……
「……弟君……注入棒……」
――スリスリと文字の部分を触り始めた……
いい女と呼ぶには、まだあどけなさが残る。そんな女性が立っている。
加奈子さんは白いバスタオルを巻いて、髪をタオルで留めた姿だ。
「加奈子さん! まさか、ベッドインしたあと!?」
「……ペット……このマンションはペットイン禁止なんです……」
これが結城加奈子さんなのだ。超天然系お嬢様である。
ローズだろうか、石鹸の香りが加奈子さんの身体から湯気と共に漂う。
さっきまでお風呂に入っていたんだろう。俺がちょっと早く来過ぎたようだ。
「俺、ここ入るのは初めてだよね? 前は八階だったような……」
このマンションは各階の作りが似ている。
それ程頻繁に来るわけではないので記憶が乏しいが、前は八階に住んでいたはずだ。
「ここは去年から住んでます……弟君、中へどうぞ……」
バスタオル姿の加奈子さんに案内されて、部屋の中へ入って行く。
女の子らしい白いタンスやピンクのカーテンなどで装飾されたリビングだ。
奥のドアが開いている。そこに見えるのは天蓋付きベッド。
「ここ、加奈子さんひとりで使ってるの!? すっごい広いね」
「はい……あ、弟君。少し、待ってくださいね……着替えます……」
加奈子さんは奥の寝室へ向かって行った。寝室だけでも一〇畳はありそうだ。
天蓋付きベッドはセミダブルほどだろうか。黒い支柱に黒いカーテン、黒い寝具だ。
そして、ドアから見えるのは大きな姿見。ついその鏡を見てしまう。
「……う、鏡に加奈子さんが……」
加奈子さんは見えないように部屋の中で着替えているのだが、ドアの奥に置いてある大きな姿見の傾斜角度が、バスタオルを取り外そうとしている加奈子さんを映している。
鏡から目を離せば見ないで済むが、その選択肢は頭から消し飛んだ。
バスタオルを外した加奈子さんの体はしなやかで白く、胸は小ぶりだった。
頭に巻いたタオルを取り払い、フルフルと首を振って髪をおろしている。
(……可愛いな……)
加奈子さんはつやつやした真っ白い下着をつけ始めた。
うちの姉妹がつけているような、派手な安物の下着ではなさそうだ。
「弟君、お待たせしました……まずお昼にしましょうね……」
小花柄の薄いイエローのワンピースとデニム姿の加奈子さんが部屋から出て、キッチンの方へ向かって行く。どうやら昼御飯の用意は済ませているようだ。
「なに作ってくれたのかな?」
キッチンから電子レンジの音が聞こえる。これはガーリックの香りだろうか。
麺を茹でたときの匂いも微かに残っている。おそらくパスタだろう。
「……お口に合うかわかりませんが……どうぞ……」
ガラステーブルに運ばれて来たのは予想通りパスタだった。
レストランで出るような、様々な具材を駆使した一品だ。
「美味しそう! 加奈子さん、いただきます!」
俺が食べ始めるのを見て、加奈子さんも食べ始めた。
花穂姉ちゃんの料理は母譲りで美味いが、加奈子さんの料理も絶品だ。
パスタにレタスサラダ、少食の女性らしいラインナップである。
「ハンバーグ……温めるのを忘れていました」
「え? ハンバーグあるの?」
食事の手を一旦止めて、加奈子さんは再びキッチンへ入って行く。
すぐに電子レンジを回す音と共に、肉とソースの香りが食欲をそそる。
大好物の煮込みハンバーグ、加奈子さんのお手製だ。
「弟君……五日前に花穂さんがハンバーグを作ったと言っていたので――」
「ぐあっ……あの異形のハンバーグ、思い出したくない」
「花穂さんのように、美味しく作れませんがどうぞ……」
「いや、加奈子さんが美味しそうだよ!」
この時、加奈子さんのハンバーグの方が、美味しそうだと言ったつもりだった。
本能的なのか、勢い余ってなのか、清楚な美少女を前につい本音が漏れ出す。
ただし、超天然な加奈子さんは、この程度のシモネタには気づきもしない。
◆◆◆◆◆◆
食後、加奈子さんが片づけをしたあと、紅茶を用意してくれた。
これはローズヒップティーだ。すごくいい香りが湯気に乗って舞い上がる。
「……あ、あの……弟君、お土産……受け取ってくれましたか?」
「うん、今日穿いてるよ?」
紗月姉が朝洗濯してくれたおかげで、来る前に穿き替えることができたのだ。
このパンツ、結構穿き心地がいい。替えも二枚あるので、これから重宝しそうだ。
温泉やプールの更衣室では、ちょっと見せられない一品だが……
「弟君……そのパンツ……見せてくれませんか?」
「……え、加奈子さん? 脱ぐの? 俺……」
加奈子さんは立ち上がって、寝室の方へ歩き出した。
そして、手の平を上に向けて、どうぞのポーズをとっている。
「……こちらに来てください……」
一〇畳はあろうかという寝室の真ん中には立派な天蓋付きベッド。
大きな姿見と大きなクローゼットにタンス。木製の簡易デスクセットも隅にある。
「えっと、土産のパンツ見せればいいんだよね?」
俺はベルトを外し、デニムをずり下げた。
銀色の文字で注入棒と書かれたパンツが加奈子さんの前に出た。
加奈子さんの顔が股間の文字に近付いて……
「……弟君……注入棒……」
――スリスリと文字の部分を触り始めた……
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