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【序幕・第8章】あねさんぶる挟撃っ 後編!
1.知略の姉を恥略で攻略してまみすかっ!
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五月四日午後二時過ぎ。
紗月姉は地元の友達と遊ぶと言って、少し前に出掛けて行った。
それからしばらく経った後、花穂姉ちゃんが帰宅。
「ただいま、蒼太! 紗月姉の風邪大丈夫だった!?」
荷物を置いた花穂姉ちゃんが、紗月姉の靴がないことに気づく。
「朝には熱下がってた。もう遊びに行ったけど?」
前回とは違ったパターンのご帰還となった。
いつもはここで俺に飛びついて来て、しばらく離れてくれない。
やはり、姉妹なのだ。姉のことが心配だったんだろう。
「蒼太がつきっきりで看病したって共有ボックスに書いてある……」
花穂姉ちゃんが、自分の端末を触り始めた。
共有ボックスって、まさか姉妹で淑女同盟みたいなの締結してないだろうな。
俺のパンツ嗅ぎ動画も、保管されてるような嫌な予感しかしない。
「うん、看病したけど? あ、紗月姉の部屋に布団置きっぱなしだ……」
「むぅ……いっしょに寝たんだ。つきっきりで股間突きまくり……」
「や、股間は突いてないからなっ!」
「でも、あのおっぱいは触ったでしょ?」
「着替えさせたからな……」
パンツまで穿き替えさせたとは言えないな……
紗月姉の生乳を揉んだことも極秘にしておこう。
リビングに荷物を運んだ花穂姉ちゃんは、洗濯機を回したり服を整理したり忙しない。紗月姉と根本的に違うのは、この細やかさなのだ。紗月姉は不精者の父親似、花穂姉ちゃんは母親似と、幼い頃からよく言わ続けた。
「その服、似合ってる」
袖口と腰回りに別の色を使用したブルーの三色カットソーとミニスカを穿いている。
アクセサリーをつけてアップしたヘアスタイルも、いつもと違って新鮮だ。
「ありがとう。これ、蒼太にお土産ねっ」
「お土産?」
「うん。はいこれ!」
紙袋を渡された。これはいつかのパターンで、洗濯物が入っているのだろうか。
雑に破って中身を取り出すと、ナイロン袋に衣類が入っている。
「パンツだな……」
ピンクのボクサーブリーフだ。
股間部分に金の縦文字で、金剛棒とプリントされている。
こんな品のない土産を選べるこの姉に敬意を表したい。
「ほら、お揃いっ!」
パサッとミニスカを地面に脱ぎ落して、後ろを向く花穂姉ちゃん。
ピンクのボクサーパンツ、お尻の部分に……赤い縦文字で受入可……
こんな下品な土産を選べるこの姉に改めて敬意を表したい。
「なにが受入可だよ……早くスカート穿けよな……」
「なにがって、蒼太の金剛棒と遺伝子を含んだ熱いものを……」
こんなくだらない会話をしながらでも、作業を止めないのはさすがだと言える。
衣類を片づけ、洗濯機を回して、夕飯の材料を確認している。
「お風呂入って来るね。あんまりいい温泉じゃなかったんだ……」
「俺もいっしょに入ろうか?」
兵法の敵陣を攻略するための作戦の一つに、敵の勢力が及ぶ範囲内に陣地を築くのが有効だと記されている。昨晩の紗月姉のように、ここで一歩踏み込んでいつもと違った反応を見たい。
「えっ!? 蒼太からそんなこと言うの初だね!?」
「ん? 今朝、紗月姉の背中流したぞ……花穂姉ちゃんも背中流してやるよ」
豪放な紗月姉と違って、花穂姉ちゃんの反応は実に明確だ。
まるでマンガのキャラのように赤面している。ただし、怒りで……
「朝から二人でお風呂!?」
「紗月姉は水着な。昨日風呂入れなかったし、汗すごいかいてたから……」
「いっしょに入る! 蒼太に背中流してもらう!!」
こうやってすぐに姉に対抗するところは、昔と全然変わらない。
知力で大きく勝っているというのに、中身はちょっとお子様だな。
◆◆◆◆◆◆
花穂姉ちゃんは、お土産の整理を終えた後で風呂場に向かった。
本日二度目の入浴。もう夜に入らなくていいや……
「そろそろ行っていいかな?」
脱衣場に向かって、擦りガラス越しに見ると浴槽にはまだいない。
服をすべて脱いで、風呂のドアを開いてみると……
「……え!?」
バスチェアーに座って身体を洗う花穂姉ちゃんが一瞬驚いた顔で振り返る。
驚くのも無理はない。今までと違うのは、俺がタオル巻かずに堂々と全裸で入ってきたことだ。
花穂姉ちゃんは、反射的にタオル一枚で前だけを隠した。
自分から望んで見る裸と、見せつけられる裸、恥じらいに微妙な差がある。
姉二人もそうなのだ。イタズラに裸ばかり見せつけて来るが、こちらから踏み込んでみると一歩退く。
「姉ちゃん、背中流すけど?」
「う、うん……蒼太……紗月姉のときもチンチン丸出し?」
「チンチン丸出しって……紗月姉のときはタオル巻いてたけど」
鏡越しに姉の視線を追うと、チラチラと股間に視線を移している。
朝っぱらから部屋に忍び込み、俺のパンツを何度もめくるくせに……
この反応は新鮮というより、奇妙な感じだ。
「そういうのって、なんて言うんだっけ? 超包茎?」
「図形みたいに言わないでくれ……火星人だ」
「ん? 火星人?」
「首と背中から洗っていくよ」
柔らかいスポンジに石鹸をたくさんつけて、ゴシゴシ背中を洗っていく。
鏡越しに見える花穂姉ちゃんは、顔を真っ赤に染めて目を合わせようとしない。
紗月姉は地元の友達と遊ぶと言って、少し前に出掛けて行った。
それからしばらく経った後、花穂姉ちゃんが帰宅。
「ただいま、蒼太! 紗月姉の風邪大丈夫だった!?」
荷物を置いた花穂姉ちゃんが、紗月姉の靴がないことに気づく。
「朝には熱下がってた。もう遊びに行ったけど?」
前回とは違ったパターンのご帰還となった。
いつもはここで俺に飛びついて来て、しばらく離れてくれない。
やはり、姉妹なのだ。姉のことが心配だったんだろう。
「蒼太がつきっきりで看病したって共有ボックスに書いてある……」
花穂姉ちゃんが、自分の端末を触り始めた。
共有ボックスって、まさか姉妹で淑女同盟みたいなの締結してないだろうな。
俺のパンツ嗅ぎ動画も、保管されてるような嫌な予感しかしない。
「うん、看病したけど? あ、紗月姉の部屋に布団置きっぱなしだ……」
「むぅ……いっしょに寝たんだ。つきっきりで股間突きまくり……」
「や、股間は突いてないからなっ!」
「でも、あのおっぱいは触ったでしょ?」
「着替えさせたからな……」
パンツまで穿き替えさせたとは言えないな……
紗月姉の生乳を揉んだことも極秘にしておこう。
リビングに荷物を運んだ花穂姉ちゃんは、洗濯機を回したり服を整理したり忙しない。紗月姉と根本的に違うのは、この細やかさなのだ。紗月姉は不精者の父親似、花穂姉ちゃんは母親似と、幼い頃からよく言わ続けた。
「その服、似合ってる」
袖口と腰回りに別の色を使用したブルーの三色カットソーとミニスカを穿いている。
アクセサリーをつけてアップしたヘアスタイルも、いつもと違って新鮮だ。
「ありがとう。これ、蒼太にお土産ねっ」
「お土産?」
「うん。はいこれ!」
紙袋を渡された。これはいつかのパターンで、洗濯物が入っているのだろうか。
雑に破って中身を取り出すと、ナイロン袋に衣類が入っている。
「パンツだな……」
ピンクのボクサーブリーフだ。
股間部分に金の縦文字で、金剛棒とプリントされている。
こんな品のない土産を選べるこの姉に敬意を表したい。
「ほら、お揃いっ!」
パサッとミニスカを地面に脱ぎ落して、後ろを向く花穂姉ちゃん。
ピンクのボクサーパンツ、お尻の部分に……赤い縦文字で受入可……
こんな下品な土産を選べるこの姉に改めて敬意を表したい。
「なにが受入可だよ……早くスカート穿けよな……」
「なにがって、蒼太の金剛棒と遺伝子を含んだ熱いものを……」
こんなくだらない会話をしながらでも、作業を止めないのはさすがだと言える。
衣類を片づけ、洗濯機を回して、夕飯の材料を確認している。
「お風呂入って来るね。あんまりいい温泉じゃなかったんだ……」
「俺もいっしょに入ろうか?」
兵法の敵陣を攻略するための作戦の一つに、敵の勢力が及ぶ範囲内に陣地を築くのが有効だと記されている。昨晩の紗月姉のように、ここで一歩踏み込んでいつもと違った反応を見たい。
「えっ!? 蒼太からそんなこと言うの初だね!?」
「ん? 今朝、紗月姉の背中流したぞ……花穂姉ちゃんも背中流してやるよ」
豪放な紗月姉と違って、花穂姉ちゃんの反応は実に明確だ。
まるでマンガのキャラのように赤面している。ただし、怒りで……
「朝から二人でお風呂!?」
「紗月姉は水着な。昨日風呂入れなかったし、汗すごいかいてたから……」
「いっしょに入る! 蒼太に背中流してもらう!!」
こうやってすぐに姉に対抗するところは、昔と全然変わらない。
知力で大きく勝っているというのに、中身はちょっとお子様だな。
◆◆◆◆◆◆
花穂姉ちゃんは、お土産の整理を終えた後で風呂場に向かった。
本日二度目の入浴。もう夜に入らなくていいや……
「そろそろ行っていいかな?」
脱衣場に向かって、擦りガラス越しに見ると浴槽にはまだいない。
服をすべて脱いで、風呂のドアを開いてみると……
「……え!?」
バスチェアーに座って身体を洗う花穂姉ちゃんが一瞬驚いた顔で振り返る。
驚くのも無理はない。今までと違うのは、俺がタオル巻かずに堂々と全裸で入ってきたことだ。
花穂姉ちゃんは、反射的にタオル一枚で前だけを隠した。
自分から望んで見る裸と、見せつけられる裸、恥じらいに微妙な差がある。
姉二人もそうなのだ。イタズラに裸ばかり見せつけて来るが、こちらから踏み込んでみると一歩退く。
「姉ちゃん、背中流すけど?」
「う、うん……蒼太……紗月姉のときもチンチン丸出し?」
「チンチン丸出しって……紗月姉のときはタオル巻いてたけど」
鏡越しに姉の視線を追うと、チラチラと股間に視線を移している。
朝っぱらから部屋に忍び込み、俺のパンツを何度もめくるくせに……
この反応は新鮮というより、奇妙な感じだ。
「そういうのって、なんて言うんだっけ? 超包茎?」
「図形みたいに言わないでくれ……火星人だ」
「ん? 火星人?」
「首と背中から洗っていくよ」
柔らかいスポンジに石鹸をたくさんつけて、ゴシゴシ背中を洗っていく。
鏡越しに見える花穂姉ちゃんは、顔を真っ赤に染めて目を合わせようとしない。
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