一途なエリート騎士の指先はご多忙。もはや暴走は時間の問題か?

はなまる

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32-2ボルク、私を抱いてください

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 シエルを目の前にしてその美しい紺碧色の瞳がシエルの姿を映しながら距離を詰めてくる。

 「後悔しないかシエル?」

 そう聞く彼は目は愛しそうにシエルを見つめていた。

 ボルクの脳は崩壊しそうな理性のはざまでその後の事を考えてしまう。

 彼女を傷つける事になってしまわないか、なによりそれが恐いと思ってしまう。

 だからこそはっきり聞きたいと思う。

 真剣すぎる眼差しは茜色の瞳を貫き最後の言葉を待っている。


 「ええ、しないわ」

 きっぱりそう言い返す。

 不安がないと言えばうそになるのだろう。

 でも、媚薬を飲んで身体が火照っている今のシエルにはそんな余裕などなかった。

 勇気を振り絞ってボルクに体当たりしたのよ。

 彼はどうして応えてくれないの???

 やっぱりこの男は崩落しない強固な砦のように思えてくる。

 もうダメかも知れない。

 残っていた理性も溶け落ちそうになり潤んだ瞳で彼を見上げた。

 さっきから何度こうやって見つめ合っているだろう。

 体内は欲望の熱でぐずぐずになりかけているというのに…


 「さすがシエル姫。そこまではっきり言われるとは…思い切りがいいというか、とてもついて行けないというのか…もう容赦しませんよ」

 ボルクはこの瞬間ずっとこらえて来た箍たがが外れた。

 彼の口角が上がってうわ向き瞳が細められる。



 「シエル、かわいすぎますよ。この責任は取ってもら‥」そう言い終わらないうちにボルクがシエルの唇を奪った。

 ふんわり温かな感触が触れた途端にボルクの理性はグラグラ崩壊し始めた。

 甘くて柔らかなシエルの唇が俺の脳をぐちゃぐちゃにする。

 拒否しろ!今すぐやめるんだ。などと言うワードは完全に脳内から消されて行く。

 そのとろけるような唇にむしゃぶりつく。

 激しいキスにシエルの呼吸が乱れる。

 「はぁ、ぅんん…ぁああ…」

 唇を貪り舌を絡み合わせ口づけを繰り返すとくちゅくちゅと淫らな音がたち始める。

 シエルはますます燃え上がったように身体をくねらせ声を上げる。

 そのくせシエルの返される戸惑うようなキスに、ボルクは彼女がどんな気持ちでこんなことをしたのかと思うとどうしようもない喜びが沸き上がり彼は完全に理性を失った。



 シエルの寝間着のリボンをかきむしるようにほどくとすぐに露わになった胸がこぼれ出た。

 その間も口内を彼の舌が這いまわりナカを貪られシエルの背すじはゾクゾク痺れるような感覚が這い上がっていく。

 「やぁぁ、……んっ、はぁ……」

 喘ぐたびに胸の先がずくりと疼きお腹が熱くなっていく。

 ボルクはそれをわかっているとでも言いたげにシエルの胸に手を添えると硬い指先で胸の先をなぞる。

 舌先は耳孔のナカを探ったと思うと今度はその縁の周りをたどり始めている。

 「あぁん、ぅうん……」

 「ここも‥よく見せて」

 先を摘ままれてクニクニ転がされるとあっという間に甘い感覚が脳に伝わった。

 「ぁあ、だ、め‥…」

 「すごくきれいだ。シエルのここ…この前は良く見えなかったが今日は全てを見せてほしい」

 ボルクが弄んでいた反対側の胸のつぼみを唇ですっぽり含み、その中で蠢く舌が何度も先を転がすと例えようのない悦びがシエルに込み上げて来た。

 「あっ、そんな、の…だ……ぁあんっ…」

 心地よい刺激にシエルはボルクの腕に手を伸ばす。


 「もっと可愛い声聞かせてくれ」

 熱で浮かれたかすれた声の主はその手をつかむと華奢な手にキスを一度落とす。すぐに唇はまた鎖骨を辿って胸に戻りズクズクに疼き始めた胸を強く吸い上げる。

 さらに先ほどから転がされて尖った頂点をたやすく摘ままれてこねられる。

 その瞬間快感が脳に突き抜けた。

 「…ぃや、あん、っ…ああんっ」

 「もっと、淫らな声を出して…媚薬のせいだ。もっと感じるままにすればいい」

 ボルクはそう言いながら自分のシャツを脱ぎ捨てシエルの寝間着をはぎ取っていく。


 シエルの身体を反転させてうつ伏せにさせるとその背中のくぼみを一つずつたどるように唇を落とし始めた。

 温かい手のひらはシエルの腰を浮かせて下着を奪いぐっと腰を持ち上げる。

 シエルは媚薬のせいで恥ずかしさも忘れて受け取る快感に溺れはじめる。


 臀部を撫ぜさすられ背筋を伝う唇のせいでより一層頭がぼうっとしてきて何も考えられなさそうだった。でも、さすがにこんな態勢は恥ずかしすぎるのではと思う。

 「もっ、ぼるくや、めてっ…」

 そう抗議する。途端に彼が後ろからぐっと抱きしめて熱い指が割れ目に滑り込む。

 「ひゃぁ…」

 シエルは慌てて腰を浮かして逃げ出そうとした。でも、彼の大きな手のひらがそれを阻止しさらに左右に広げられる。

 彼はするりと身体をずらすとシエルの腰をぐっと突き上げる。

 「……ぁはぁん…」

 恥かしいのにそれ以上に高まる欲求がシエルを耐えられなくして行く。

 いやだと思っても身体はもっと刺激を求めていて止められない。
 

 「…こんなにきれいだなんて」

 艶めく吐息とつぶやきがシエルの羞恥を煽る。

 「…やぁ、見ないで」

 「こんなに濡れている」

 温かな空気がソコに触れて彼の吐息だと気づいても敏感な部分に感じる卑猥な疼きに双丘が揺れる。

 そんな自分に恥ずかしさを感じながら首を振る。

 「……ぃやぁ……言わないでっ…」

 「でも、煽ったのはシエルだから…」

 ボルクにそんな事を言われて脳は混乱を極める。

 責任取って下さいよシエル。耳孔の奥にそんな言葉が聞こえてきそうになって思わずキュッと唇を噛むが、その途端襞がぎゅっと締まりナカがひくついて思わず腰をくねらす。

 「…も、いじわる…」

 「シエル素直になって下さい。媚薬のせいでここはひくついてますよ。もう我慢できないんじゃないんですか?」

 ボルクはわざと焦らすように蜜をすくって花びらをそよそよつつく。

 「ああぁっ、……」

 彼の目の前に晒されているのにシエルは尻を誘うようにくねらせてしまう。

 「ああ、こんなに蜜が、ほら、もう、とっろとっろですよ」


 ボルクの指が容赦なく花びらの間をかき分けてナカに入って来る。待っていた刺激に襞がうごめき指をナカへと受け入れて行く。

 彼の指が襞を掻きわけてナカに侵入してくちゅりと指を揺すった。

 「…ひっ、はぁっぁ……」

 弾けるような快感がシエルのナカで湧き起こりたまらず吐息を漏らしてしまう。

 「もうドロドロですね。シエル?すぐにもイってしまいそうですよ…俺も、もっ…」

 ボルクは背後から熱い吐息をシエルの背中に吹きかけながらさらに指を増やしたらしく動きを早めてくる。

 その動きは徐々に早くなりナカをさらにかき回されて行く。


 「も、やぁ、イ、ちゃう。あん、ぼ、るく……はぅ、うんん……」

 もうどうしていいかわからないほどの愉悦が襲ってきて、切羽詰まるほどの何かが押し迫っていて、シエルはその快楽に身をゆだねた。

 ボルクはさらにもう片方の手を指の入った蜜口より前に伸ばすとそこに息づく小さな突起に指先を当てた。

 強い刺激に一気に熱が集まり圧縮された空気みたいにぎゅっと気持ちいい感覚が押し寄せた。彼がその突起の周りをぐりっとつまんだ瞬間。

 快感が大波となった波に根こそぎさらわれて行く。

 「あっ、ゃああっあぁ…んんあぁ……ぅん……」

 身体が勝手にピクンを跳ね上がり四肢が突っ張ったみたいになって身体じゅうに快感が広がって行く。

 ピンと張り付得た快感がじわじわほどけて行き始めると支えている脚に力が入らなくなって頽くずおれそうになる。

 ボルクはその身体をぎゅっと抱きかかえ直すとシエルの肌に唇を押し付けそして大きく息を吐いた。


 「しえる…」

 彼は苦しそうな声を絞るといきなりシエルから離れて行った。

 すぐそばにあった温もりが奪われシエルはがくりと腰を落とした。まるで高ぶった心までが振り落とされたみたいな気持ちになる。

 急いで身体の向きを変えてシエルはゆっくりボルクを見た。


 彼はシエルから目を背け唇を噛んでいるように見えた。

 何かいけない事でもしたのかと思ったが、さばくの夜の事を思えばそんなはずはないとも思えた。 

 熱くなった身体に彼から快感を与えられすごく気持ちよかった。すごく満足できた。それに今から彼を受け入れるつもりだったのに。その準備も出来たはずなのに。

 なのにボルクは…どうして?

 ボルクの態度は一変した。

 耐え切れず彼の身体に腕を伸ばす。


 シエルの伸ばした手はボルクの身体に触れる前に彼の手で遮られた。

 「シエル。悪いがもう帰ってくれ!シエル君は何もわかってないんだ。こんなことをすればどんなことになるか。一体何を考えている?媚薬なんか飲んで、でも、もう満足出来たはずだ。さあ、これを着て早く…」

 ボルクはいきなり怒ったように声を荒げた。

 シエルの寝間着を拾うとそれをシエルに突き出し自分もシャツも羽織った。

 さっきまで甘くとろけた感情はまるで凍り付いたみたいにぞんざいな扱いをされる。


 そんなに嫌なら断れば良かったのに、自分だって楽しんだくせに。いや、ボルクは楽しんでなんかいないわ。

 「どうして怒るの?ボルクだって…」

 そう言いかけて彼の瞳にぎろりと睨まれてしまう。大好きな紺碧色の瞳が恐ろしいほど冷たく感じて威圧感に言いよどんだ。

 「悪かったわ。あなたがそんな気持ちだって知らなかった。ごめんなさい」

 シエルに出来ることは一刻も早くこの部屋から出て行くことだけだった。




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