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23ほんとに人生変わりました

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 アンナ王妃が動いた。

 「もう、いいじゃない。この国の王子なのよ。何だって好きな物を買えて好きな物を食べれて、女性だって思うようにできるのよ」

 「母上。そこは違います。女性は思うようになるのではなくて愛する人と結ばれるでしょう?」

 「そう。そうよ。あなたの愛する人だってあなたが望めば喜んで結婚してくれるわよ。ねぇみなさん?」アンナ王妃は他の王妃に同意を求める。

 「ええ、そりゃもう、女性がお金と権力は大好物ですもの。王子と結婚となったらどんな女性だって二つ返事でオッケーしますわ。ねぇぇマリー?」キャロン王妃が。

 「それに王子となったらどんな家の親でも速攻でオッケーでしょうし、宝石だってドレスだってそれはもう素晴らしいものを贈れますもの。ねぇぇ」マリー王妃も。


 私はこれが王妃の会話かと思ったけど…


 ルドルフは食いついた。はい、それはもう、パクリと!

 「そうなんですか?王子ってそんなにいいんですか?女性が絶対に結婚を受けてくれるんですか?ドレスや宝石も好みのものを贈ってデートだって美味しいものを食べに連れて行けて劇場とか行けますかね?一番人気でチケットなかなか取れないって事もないんですかね?」

 「「「ええ、もちろん!王子ですから」」」

 3人の王妃。そこはバッチリそろって返事。


 「だったら俺、王子になります。そして…ソルティ嬢に結婚を申し込もうと思います!」

 「いいじゃない、ソルティは最高よ。あなた見る目あるわ」

 アンナ王妃からお褒めのお言葉。

 私はその会話を啞然として見ている。


 それからルドルフは私の前に跪いた。

 私はあっけに取られて彼を見下ろした。

 「ソルティ結婚して欲しいんだ。ずっとずっと好きだった。でも、俺には公爵家のご令嬢と結婚なんて無理だから…だからずっとそばで見守るつもりだった。けど、こんな事になって俺すごく驚いてるけど…でも、俺はソルティを愛してる。心から愛してるんだ。どうか結婚して欲しい」

 「あの…ルドルフ。それはもちろんうれしいって言うか。その…いきなりで私…考える時間が欲しい」

 えっ?もちろんうれしい。私ったら何言ってるんだろう。でも、私もルドルフには好意を寄せている。と言うか好きなんだけど…これはあまりにいきなり過ぎない?

 アルフォンとの婚約がやっと片付いたばかりですぐに結婚なんて考えられないって言うか…

 でも、彼とならこの先の人生やっていける気はするんだけど。


 「ああ、もちろん。今すぐ返事をくれなんて言わない。まずはデートから始めてくれないか?」

 「ええ、それは喜んで」

 「えっ?まじ?やっぱ王子だからかなぁ…いや、こんなにうまくいくなんて…」

 「ルドルフ。私があなたが王子になったから付き合ってもいいって言ったと思うの?」

 「えっ?違うのか?だって平民の護衛騎士なんて眼中にないはずだろう?」

 「私はルドルフって言う人が好きなの。王子でも平民でもそんな事で選ぶと思う?」

 「やべっ!俺心臓止まりそう。ソルティちょっとここ押さえてくれないか」

 ルドルフが私の手を掴んで自分の胸にあてる。

 「ドクン!ドクン!ドックン!ドドックン!」

 激しい鼓動が響いて私の手のひらがその鼓動を捕まえてそれに合わせるように。

 「ドクン!ドクン!ドックン!ドドックン!」同じリズムを刻む。

 「ルドルフも私のここに手を…」

 私の手は自然にルドルフの手を取って胸に当てた。

 「同じだな。俺と同じ、激しく鼓動が…ハハハハハ」

 ルドルフは私を抱き上げるとくるくる回った。



 「コホン!コホン!コ。コッホン!」

 「悪いがアルドルフ。王子だって認めるんだな?」

 「ソルティはどう?俺が王子になることに反対?」

 「ううん、ルドルフはきっといい王子になると思うから引き受けたらどう?」

 「わかった。では引き受けます。俺、王子なります」

 「では、手続きを始めるから…住まいはまた屋敷を与える事になるだろうが取りあえずは王宮になるからすぐに引っ越しの手配をしよう。いや、その前に側近を決めて…それから議会でも報告をしなければ…さあ、忙しくなるぞ。いいかアルドルフ?…おい、聞いてるのか?」

 アルパモント殿下の目が点になる。


 私はいつの間にかルドルフの膝の上に横抱きで乗せられていた。

 「ソルティ愛してる。キスしてもいい?」

 「も、ルドルフったら、みんなが見てるわ」

 「そんなの構うもんか。俺達は婚約してるんだし…ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…」

 ルドルフは逃げられないように片手を私の頬に添える。彼の唇がズームするように近づいて来た。

 すぐに彼の唇が私の唇をついばんでそのうち唇が押し付けられた。

 「ちゅぅ~…はぁ…ん、んんっ…」

 息も出来ないほどの熱量でアルドルフの唇から差し出された舌に縦横無尽に私の内部を掻き乱され私は口の中も下半身も脳内もすべてトロトロに乱される。

 「…はぁッ、はぁっ、はぁっ…あ、ルドルフったら!」

 「もっともっともっと欲しい。俺といっぱいキスして」

 「あっ、はぅ…もぉっ、だ、めぇ…ん、んっ……」

 私たちは抱き合っていちゃいちゃしている。

 ルドルフは殿下の話なんか聞いてはいない。そのうち手が私の胸に伸びて来た。

 「あん、そこは…だめぇ…」

 私はさすがに身をよじって彼の手を阻止する。


 「アルパモント。今は無理よ。少し時間を上げましょうよ。ねっ、アルドルフ」

 ルドルフは聞こえていたのか顔はそのままで返事だけした。

 「あの出来れば名前はルドルフのままでお願いします」

 「いや、我が一族の男はすべてアルの名前が入っている。お前だけ特別には出来んからな。いいかアルドルフ。わかったな」

 「は~い。ソルティ。今からアルドルフだって。そう呼んでくれる?」

 彼の蒼翠色の瞳がこれでもかってくらい甘い色で優しい眼差しで覗きこんだ。

 胸の奥がずくずく疼いて私は腕をいっぱいに伸ばして抱きつく。

 「ええ、いいわよ。アルドルフ大好き」

 「ちょ、こんな所で、もぉぉぉぉ、ソルティまじ、それやばいから…」

 押し付けられているお腹の当りがなぜか突き上げられる気がして…アルドルフは慌てて腰を引いた。

 私はアルドルフの股間を見てしまった。

 お腹の下にもっこり膨らんだ股間が。

 「もぉ、やだ!アルドルフったら!」

 私は恥ずかしくて思わずその股間を手の平でバチ~ンと叩いた。

 「グフッ!ソル・ティ…それ駄目な奴!」

 アルドルフは悶絶して抱いていた手を離してひとりぴょんぴょんカエルのように飛び跳ねる。


 えっ?私…何したの?どうしてそんなに?何なに?

 「まあ、ソルティ。駄目じゃない。まだ未使用なんじゃない?あなただってまだ✖✖してないんでしょう?去勢は国王だけでいいのよ。あっ、アルフォンはいいけど。アルドルフはだめでしょう?」

 「はぁ…」

 「はぁ、死ぬかと思った。ソルティ。ここ男の急所だから、ここやられたら男はもう死んだも同然。だから大切に扱おうね」

 「まあ、ごめんなさい。私ったらそんな大事なところに…」

 「まあ、すぐに君の大好きなアイテムになる予定だから優しく頼む」

 「アイテム?」

 「ああ、もっと欲しいって言うと思う。期待には全面的に応えるつもりだから」

 「アルドルフ?頭は殴ってないはずだけど…大丈夫?」

 「ああ…いいんだ。今のは忘れていい。とにかく今からデートしよう。じゃあ、アルパモント殿下今日はこれで失礼します。王妃様も色々ありがとうございました」

 「いいのよ。でもちゃんとここに帰って来るのよ。あなたの家はここなんだからね」

 「は~い」

 そう言って私とアルドルフは王宮を後にした。


 ほんとにたくさんの方に読んでいただきありがとうございます。最終話は日曜日投稿予定です。最後までどうぞよろしくお願いします。


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