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しおりを挟むど、どうしよう。
言っちゃった。好きって。龍ちゃんが好きって。
もう、取り消しできないよね。
龍ちゃんってばわたしの耳朶に噛みついてきて、あんなこと言うから…
つい、ほんとについ、脳みそから勝手に言葉が零れ落ちた。
龍ちゃんすごく嬉しそうにわたしの髪を撫ぜてくれたりして、もう幸せ過ぎて何もかも蕩けてしまって。
脳は完全に機能を停止していて何も考えられない。
幸せの真ん中でトローンとしてたら‥‥
それからまた龍ちゃんのが勃ったりなんかしちゃうから。
くるっと後ろ向きに押し倒されて龍ちゃんが後ろから。
あっ、んもうぉぉぉ、龍ちゃんのせいなんだから、そんなにいきなり激しくするから。
「‥‥ぁ、ンん、ああぁ!ん、つぅ」
わたしは簡単にイってしまって。
まだ引くついてた襞が、収まりきってない余韻が、なのにソコを摺られたりしたからだってば。
「…はっ、いと、今イった?もう?すげぇナカどろっどろ、もうヒクヒクしてる」
「だ、だって、りゅ、ちゃんがぁぁ、あ、ぁあん、気持ちいい、はぅぅ」
龍ちゃんはギリギリ入り口まで引き抜いて腰をぐっと押しいれた
わたしの腰を持ち上げて、さらに鋭角な角度から突き込む。
「ぁんっ、や、ぁだ、はぁん」
ぐちゅんって卑猥な音がして最奥にまで龍ちゃんので穿たれて。
ただ、シーツを握りしめて感じるままに身を任せて。
どうしようもないほど蕩けて気持ち良くて激しい快楽に淫らな声が止まらなくて。
あぁぁ、もっとちょうだい。もっと繋がっていたい。もっとわたしを抱きしめていて。もっと、もっと龍ちゃんと一緒にいたいって。
叶わない願いを願ってしまう。
身体を繋ぎ合わせるたびに、そんな思いが強くなってわたしをどんどん胴欲になっていく。
「いと…」
ふと、優しく呼ばれる。
龍ちゃんの唇が、吐息が、背中に這わされて甘い感情が沸き上がってくる。
するりとシーツを握りしめたわたしの手に龍ちゃんの手が重なってきて。
「いと、もう、気持ちよすぎ。好きだ。大好きだから」
「んっ、ふぁぅ、はぁあん、あっ、あっ…‥」
もぉ、そんな事‥‥あぁぁぁぁ、龍ちゃんの熱い塊が何度も何度も最奥を貪ってくるからで。
わたしは信じられないほど何度もイってしまって。
こんなに感じるなんて、すごく気持ちいい。
とどめを穿たれた時でさえ、龍ちゃんはわたしの手を握りしめてくれてた。
その手が温かくてうれしくて、わたしの脳はとうとう完全に崩壊した。
その後は、龍ちゃんに抱かれたままで、でも、龍ちゃんはすぐに寝息を立て始めた。
まだ、信じれないこの状況に戸惑いながらベッドから出て弓弦のお腹にタオルケットをかけ直す。
崩壊した脳はとんでもないことを思い始めていて。
ほんとに、ほんとにわたし龍ちゃんの気持ちに応えていいの?
後で後悔なんかしない?
もしかして、私たちうまく行くんじゃない?
でも、やっぱり勘違いじゃないかって思ったけど、けど。
龍ちゃんがこんなにわたしを好きって言ってくれるなら、ひょっとしたらうまく行くんじゃないかって。
わたしは朝まで龍ちゃんの腕に抱かれて眠った。
朝、龍ちゃんの携帯電話のアラームが鳴って目が覚める。
「うん?悪いな、糸。俺今日仕事なんだ。そろそろ起きなきゃな」
龍ちゃんが眠そうに目をこすりながら言う。
寝起きの龍ちゃん見たの初めて。髪はクシャクシャで、強面の顔も今はくにゅりと緩んでなんか、可愛いって胸がキュンってなる。
「そ、そうなんだ。大変なんだ。龍ちゃんいつ頃出る??」
わたしは何気ない風を装う。
「8時頃かな」
そう言いながらたくましい腕を巻き付けてくる。
近づいてくる唇にあっという間にとらえられてキスされた。
つい、キスに応えて絡み合う身体。
だめぇぇぇ、もう起きなきゃ、ねっ、りゅうちゃんって!わたしは唇を離す。
「もう、いとってば…」
「そろそろ起きなきゃ。ねぇ龍ちゃん良かったらお弁当作ろうか?」
「えっ?いいのか?」
「うん、でもあり合わせだよ。じゃあ、龍ちゃん支度してて」
わたしは、(もちろん下着もパジャマも着ていた)起き上がってキッチンに。
龍ちゃんはまだ寝転がってて裸のままで、腰のあたりにタオルケットがくしゃっとまとわりついていた。
昨晩はあれがわたしを悶えさせたのかって、あわいの間がまたずんと疼いた。
いや、さっきのキスのせい?もう、いやだー!
わたしは視線を直ぐにそらすと弓弦の眠っている布団に視線を移した。
弓弦はまだよく眠っていた。弓弦ひとりで寝たの初めてだ。いつもは夜中に起きたりするくせに。
龍ちゃんがいると何でも出来ちゃうから不思議だよね。
「あっ、龍ちゃん、もし弓弦が起きたらおしっこ連れて行ってもらえる?」
「ああ、任せろ」
「うん、助かる」
何だろう。この会話。まるで家族みたい。でも、そんな雰囲気がすごくくすぐったいけどうれしい。
わたしは、急いで黄色い花柄の部屋着に着替える。
冷蔵庫を見て豚肉の生姜焼きを作ることにする。卵焼きとウインナーはカニさんに切って焼く。
付け合わせはカボチャの煮物と大豆サラダにして弁当と朝食の出来上がり。
そろそろ弓弦も起こさないとッて思ってたら、龍ちゃんが弓弦を起こしてくれていた。
「弓弦、朝だぞ。起きろ」
弓弦の目がぱっちりと開く。龍ちゃんに抱き起されて弓弦は一瞬驚いたみたいだがすぐに機嫌がよくなった。
「りゅ、はよう」
「弓弦おはよう」
「さあ、ふたりとも顔を洗って来てね。もう、ご飯できたよ。弓弦はおしっこが先だよ」
「はーい」ふたりの二重奏。
もう、なんだかな。調子狂う。
龍ちゃんはシャワーを浴びたらしくまだ髪の毛が濡れていた。
弓弦もちゃんとお手洗いに連れて行ってくれて弓弦はおしっこをちゃんとできたって自慢している。
わたしは小さなテーブルに卵焼き、カニさんウインナー。カボチャの煮つけとワンプレートにして並べる。味噌汁はテーブルに乗り切らないのでトレイに置いたままで出す。
「糸、すごいな。煮物まであるのか」
「まとめて作ってある冷凍だから。弓弦が好きなの。カボチャとかひじき煮とか」
「そっか、弓弦えらいな」
弓弦も釣られてか今朝はよく食べる。
龍ちゃんはパクパク朝食を食べると立ち上がった。
「‥‥もう、糸、可愛いから押し倒したくなる」
龍ちゃんがわたしの着ているワンピースの上から胸の先をつつく。
やだ。これ胸の先見えてたんだ。
「りゅうちゃん!」
玄関口に歩きながら言う。
「俺たちうまく行きそうじゃないか?」
「まだ、そんなの…」言葉を濁す。
「明日は休みだから、3人でどこか行かないか?」
「そうねね。考えとく」
「ああ、おっと、俺、急がないと。また夕方来るから、あっ帰るころメールする、またプリンじゃなくて、また今夜な。あっ、携帯使えるようにしとけよ糸!」
龍ちゃんは唇にキスをチュってすると部屋を後にした。
「うん、また今夜…」
ドアから顔を出して微笑み返す。
龍ちゃん、わたしの脳みそ完全にノックアウトされてるんですけど。
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