妾に恋をした

はなまる

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41混乱

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 翌朝メリンダ様が出て行かれてネイト様はメリンダ様と離縁するといきまいて興奮された。

 「メリンダと離縁する。子供は家で引き取る。あいつはもうここには帰らせない。いいだろう?父さん。あんな奴。家の厄病神だ。二度と顔も見たくない!」

 「ネイト言い過ぎだぞ。メリンダからすれば面白くない事もあったんだろう。お前も考えを改めるべきだ」

 「そうですよネイト様、奥様は悪くありません。すべての責任は私が身ごもったからです。離縁なんて子供が生まれるんです。そんな事はやめてください」

 「だったらミーシャはどうするんだ?俺はミーシャと一緒になりたいんだ」

 「それは困ります」

 「ネイト。いい加減にしないか!ミーシャも困ってるじゃないか。いいから仕事に行かなきゃならん。支度をしろ!」

 ガストン侯爵や大奥様が何とか収めておふたりは仕事に向かわれた。


 「ミーシャは何も気にしなくていいから、これはネイトとメリンダの問題なの。だからあなたは気にせず「ですが、大奥様」いいから、まだゆっくり寝てなきゃだめよ。ほら、客間に行って」

 「でしたら離れで休みます」

 私は何とかそう言って離れに戻った。

 ひとりになるとずんと落ち込んだ。

 すべて自分がここにいることが問題だと思った。

 だから私はもうここにはいられないと思った。

 どうやっても妾は妾。この様子では子供も大切にされるかどうかもわからない。

 すべては間違いだった。

 例えここを出て行ってもネイト様は私を連れ戻しに来るだろう。

 メリンダ様だっていつまでも実家にいるわけにはいかない。

 いずれはこの屋敷に帰って来てネイト様と一緒に子育てをする事になる。

 私は後悔した。子供を置いて出て行くなんて…


 考えはどんどん悪い方にばかり行ってしまう。

 とにかくここにいてはいけないと思ってしまう。

 想いあまり私は夕方ガストン侯爵邸を出た。

 とりあえず心配をかけないよう置手紙を書いて残した。


 ~ネイト様へ

 私が身ごもったせいで奥様にご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。

 色々なことが一度に起きてどうすればいいか混乱しています。

 少しひとりで考える時間が欲しいです。

 どうするか考えがまとまったら必ずこちらに戻ってお話をするつもりです。

 どうか、しばらく探さないで下さい。

 おかしなことをするつもりはありません。心配しないで下さい。

                                ミーシャ・ベルランドより~


 私は実家に帰ってもすぐ見つかると思い、しばらく王都の繁華街の宿に身を隠すことにした。

 でも、これからどうするあてもなかった。



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