妾に恋をした

はなまる

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9初めての夜(1)

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 ガウンはすぐに脱がされナイトウエアの前をはだけられ胸を手でまさぐられあっという間に下着だけになった。

 ご主人様がシャツやズボンを脱ぎ捨て私を抱えてベッドに運んだ。

 明かりはついたままで下着を脱がされながら見惚れる。

 (ご主人様、筋肉がすごいです。トーマスは暗がり中でしか見たことがなかったけどここまで美しい肉体美ではなかった…)

 こんな事を思うなんて…あまりの緊張で脳の回路がおかしくなったのだろうか。


 「きれいだ」

 そう言うとご主人様は私の上にかぶさって来た。

 (それはこっちのセリフです。ご主人様。あっ、なにを…)

 いつの間にか下着もはぎ取られ股の間に入りこみあっという間にご主人様のものが!

 「いっ!」

 引き裂かれるような痛みに思わず声が漏れた。

 「なっ!」

 さすがにおかしいと思ったのか動きが止まる。

 「な、なんでもありません。ご主人様このまま…どうかこのまま続きを…」

 「すまん、久しぶりだったんだな。少し待ってろ」

 ご主人様はベッドのサイドテーブルの下から小さな小瓶を取り出した。

 こんな所に何が…?

 それは潤滑油だった。それを手の平にたっぷり取り出して目的の場所に垂らした。

 明るい部屋なので何もかもがはっきり見て取れた。

 だから…

 私は初めて男の興奮したものを見たせいで顔が強張った。

 あまりの事でうめき声さえ漏れた気がする。(あ、あんなものが…)

 ご主人様はニヤリとした気がしたが慣れた手つきで自身のものにも塗り込んで今度こそ一気に押し込まれた。

 私が経験者だと思っているご主人様はぐいぐい攻め立てる。

 「うっ!」

 私はおかしな声を出してはとキュッと唇を噛む。(い、痛い。でも我慢)

 そしてご主人様は一気に欲を吐き出した?多分。

 「くうぅぅ…」

 (えっ?まさか苦しいの?)

 違った。

 精を放っているらしいご主人様の顔は苦悶の表情にも見えた。

 初めて見た。

 はっ!

 ご主人様と目が合ってぎゅっと目を閉じる。

 私はその下で引きつれる痛みに顔を歪めないように必死で目を閉じて感情を押し殺す。

 思っていたのとは違った。もっとキスとかされて胸なんかに吸い付かれて時間をかけるのかと思っていた。

 (良かったじゃない。さっさと終わる方が楽でいいじゃない。何を期待してたのよ)

 そう思うはずなのに何だかがっかりした自分がいた事に驚いた。


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