上 下
28 / 54

27いよいよ婚活パーティーです

しおりを挟む

 あれから一週間色々準備を進めて週末、婚活パーティーを開くことになった。

 プリムローズはいろいろ考えたが結局自己紹介をして希望を言ってもらうことにした。

 その場の雰囲気で王様ゲームか人探しゲーム、しりとりなんかもいいかも知れないと考えている。



 ***男性側***

 カイト。エリオット。チャド。この3人は竜族。レイモンドは人族だ。そしてアルナンド。ブレディ。レゴマールの7人。

 ***女性側***

 ローリー。マリーン。お祭りの日に集まったミルフィとフランソワ。アドナ。エリスだ。人数が合わないがそこは仕方がない。

 ローリーとマリーンとミルフィは竜族でフランソワとアドナとエリスは人族で、女性はみんな竜人や竜族でも構わないと言う条件をクリアしている。

 他にも数人誘ったがまだとまどう人も多く今回はこの人数でやって見ることになった。


 時間が近づいて来るとみんなが事務所に集まって来た。

 予め女性が先に来るように時間を少しずらして知らせてある。

 女性が先に座って男性には後から席を指示しようと思ったからだ。

 会場は雰囲気を盛り上げるため入り口には大きな花輪を飾り付け、入り口を入ったところには華やかなリボン飾りをあしらった。

 丸いテーブルにはクロスをかけ花を飾り、カウンターテーブルにはゲームに必要なものが並んで、奥の部屋も扉を開いて解放して飲み物やお菓子を準備していつでも歓迎できるようにした。

 (音楽があればいいんだけど生演奏ってわけにもいかないから仕方ないな。その分司会の進行で場を盛り上げて行かなくちゃ。よ~し頑張るわよ)


 えっと、我が結婚相談所の面々は…

 5人とも髪はきちんと整えられ白いシャツにウエストコート、トラウザーズと言うほとんど正装に近い姿だ。最初はクラバットも付けていたがあまりかしこまるのもどうかとプリムローズが言ったのでクラバットは外した。

 シャツの前ボタンを外して少しくだけた雰囲気になると、そりゃもう、セクシーさがドアップして男の色気が漂ってくる。

 (5人ともけっこう色気むんむんですよ。これは他の男性に頑張ってもらわないと…それにダイルとピックは今回お見合いはなしと言う事なのに…ダイルさんちょっと中年の色気恋過ぎません?それにピック、もう可愛いすぎです)

 プリムローズの脳内は幸せホルモンが出まくりで、それを抑えるのが難しく…

 なのに。

 「プリムローズ準備はこれでいいかな?」レゴマールはしきりにシャツの襟の角度を何度も直したりしている。

 ブレディは碧眼の必殺目線でプリムローズにウインクする。

 (やめて!あぁぁぁぁ、それってセクシービームですよぉ)

 くらくらする身体を必死で立て直し気づかないふりをして奥の部屋に入る。

 一度果実水を飲んで落ち着きを取り戻そうとしていると。

 そんなところにアルナンドがダイアモンドのような瞳でぎろりと現れた。

 「げっ!」

 プリムローズは思わず口をふさいだ。

 いきなり奥から出て来てプリムローズは腰を抜かしそうなほど驚く。

 「もぉ!い、いきなり驚くじゃないですか。アルナンドさんどうしてそんなところにいるんですよ~!」

 「すまん、緊張して…」

 「299歳で緊張ですか?」

 「年は関係ないだろう…はぁ、今日はもうやめていいか?」

 すかさずダイルが口をはさむ。

 「アルナンドが言い出したんですよ。それなのに止めるとは、聞き捨てなりません。さあ、諦めて下さい。ひょっとしたら気に入る女性がいるかも知れませんよ」

 「ふぅ…」

 アルナンドは冷たい息を思いっきり吐き出すと諦めたようにフロアに出て行く。


 「さあ、そろそろ時間です。皆さんお出迎えの準備を…」

 「「「「はーい!」」」」「はぁぁぁ」

 「「「アルナンド!」」」

 アルナンドはみんなに睨まれた。


 ***


 プリムローズたちは入って来る人たちに笑顔で挨拶をする。みんな少し緊張しているのがひしひしと伝わって来る。

 「こんにちは。今日はようこそ。さあ、どうぞ。気楽に楽しんで行って下さいね。あなた方は…フランソワとアドナね」

 プリムローズは名前を確認して首から名札を掛ける。名札には名前と年齢、職業が書いてある。

 ふたりとも同じ服飾店で働いているらしい。フランソワは赤い華やかなワンピースドレスでアドナはきれいなブルーのおとなしめのワンピースドレスだ。

 アドナは平民で王都にでて3年男性との付き合いはなく知り合うきっかけになればと申し込んだと書いてあった。

 フランソワは…商会の令嬢らしい。

 「ええ、こんにちは。私たちすごく緊張してて…」

 「こんなの初めてだし、やっぱりやめようかって思ったんですけど…」

 「ええ、そうですよね。緊張して当然ですよね。でも、安心して、ゲームとか楽しい催しを準備してるのでお相手をと言うよりみんなで楽しんでもらえればいいので…さあ、どうぞ座って、すぐにみんな来ますからね…ピックお飲み物を」

 「「はい、じゃあ、よろしくお願いします」」ふたりは声を揃えて言う。

 レゴマールに奥の席に案内してもらう。

 全員同じテーブルは無理なのでテーブルは二つに分けている。

 女性とはひとつ席を開けて隣には男性を座らせるように言いつけてある。


 次々に女性が現れて席についてもらう。

 「これで女性は揃いましたね。すぐに男性の方も来るので気楽に飲み物でも飲んでいて下さいね。最初に自己紹介やお相手への希望なんかを聞こうかと思ってるので考えておいていただけると…」

 「希望ですか?」

 「ええ、やっぱり皆さん不安でしょう?だから最初に希望を伝えておくといいかと思いまして…」

 「そうですね。わかりました」

 納得したようにみんなが聞いてみたいことを書いていく。

 そしていよいよ男性陣が現れ始めた。



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

お金目的で王子様に近づいたら、いつの間にか外堀埋められて逃げられなくなっていた……

木野ダック
恋愛
いよいよ食卓が茹でジャガイモ一色で飾られることになった日の朝。貧乏伯爵令嬢ミラ・オーフェルは、決意する。  恋人を作ろう!と。  そして、お金を恵んでもらおう!と。  ターゲットは、おあつらえむきに中庭で読書を楽しむ王子様。  捨て身になった私は、無謀にも無縁の王子様に告白する。勿論、ダメ元。無理だろうなぁって思ったその返事は、まさかの快諾で……?  聞けば、王子にも事情があるみたい!  それならWINWINな関係で丁度良いよね……って思ってたはずなのに!  まさかの狙いは私だった⁉︎  ちょっと浅薄な貧乏令嬢と、狂愛一途な完璧王子の追いかけっこ恋愛譚。  ※王子がストーカー気質なので、苦手な方はご注意いただければ幸いです。

悪役令嬢はお断りです

あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。 この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。 その小説は王子と侍女との切ない恋物語。 そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。 侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。 このまま進めば断罪コースは確定。 寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。 何とかしないと。 でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。 そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。 剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が 女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。 そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。 ●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_) ●毎日21時更新(サクサク進みます) ●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)  (第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

婚約者が王子に加担してザマァ婚約破棄したので父親の騎士団長様に責任をとって結婚してもらうことにしました

山田ジギタリス
恋愛
女騎士マリーゴールドには幼馴染で姉弟のように育った婚約者のマックスが居た。  でも、彼は王子の婚約破棄劇の当事者の一人となってしまい、婚約は解消されてしまう。  そこで息子のやらかしは親の責任と婚約者の父親で騎士団長のアレックスに妻にしてくれと頼む。  長いこと男やもめで女っ気のなかったアレックスはぐいぐい来るマリーゴールドに推されっぱなしだけど、先輩騎士でもあるマリーゴールドの母親は一筋縄でいかなくて。 脳筋イノシシ娘の猪突猛進劇です、 「ザマァされるはずのヒロインに転生してしまった」 「なりすましヒロインの娘」 と同じ世界です。 このお話は小説家になろうにも投稿しています

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」    そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。  人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。  正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。  人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。  再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。  デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。  確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。 ––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––  他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。  前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。  彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。  

処理中です...