大きな騎士は小さな私を小鳥として可愛がる

月下 雪華

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甘やかな呼吸困難

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 部屋に淫らな水音が響く。
「う、ううっ!あ、あぁっ!」
 私は身に慣れない快楽に爪でシーツを引っ掻き、大きく腰を逸らす。それを見るウォルターは野獣のような瞳をギラめかせた。
 そして、その複数回の絶頂に蕩けててる私を撫でて、ウォルターは自身の服をくつろがす。

 私の秘所に沈められていた顔を上げて、浮かべられた優しい笑みはもう悪魔の微笑みのようにしか思えない。
「ビー。どうだ?」
「ぁ、あぁ!!いいから!ねぇ、もう、はやくしてくださっ」
「駄目だ。ビーの為だからな」
 
 そう言いながらウォルターは秘孔を解し続けた。
 ベアトリスは、ウォルターの長すぎる愛撫に、数度意識が飛びかけている。
 ちらりと頭に浮かぶ話はあってもそれらは全て嬌声となり口から出ることはない。

 部屋には水音とくぐもった声だけが響いている。

「気持ち悪かったら言ってくれよ」
「……はいっ。うっ、あ、ああっ」

 
 私の秘所に2本指を突っ込まれる。その指がゆるゆるバラバラ、指が中を乱す。
 さっきまで何も知らなかった体はそれでも、微かな愉悦を感じられるようになっていた。夢見がちらしいウォルターの上手くいかないことへの懸念が私への長い愛撫に繋がっている。苦しくても体が持て余す愉悦を思うと彼が与えてくれるものは悪いとは言えない。

 
「はぁ……ビー?大丈夫だよな」
「ん、は、あっ、えっ……ああっ!?はぁっ!」
 
 上だけでいっぱいいっぱいであるのに、指の抽挿が激しくなりベアトリスの下で更にぐちゅぐちゅとはしたない音が響く。
「あん、あっ、いくっ!いっ、あぁっ!」
「あぁ。ビーも気持ちいいか。良かったな」

無理だ。もう無理。戻って来れなくなる。
ウォルターは何度これを続ける気なのだろうか。
なにこれ気持ちよすぎて気持ち悪い。 

  ぺちゃぺちゃと音を立て乳首を嬲られ舐められ、それにつられナカをきゅうきゅうと締め付ける。視界にはチカチカと白い星が浮かばせていた。
 彼の手で頂点へと届けられたベアトリスは気が狂いそうだった。
 
「……どうだ?ん、ビー。なんだかふわふわしているが大丈夫か?」
「ぐすっ、もう、はやくおわらせて。おねがい、もうむりよ」
 ベアトリスがウォルターの服の襟を掴んで体に引き寄せる。生理的な涙がじわじわ溢れる。

「ビー……可愛いな……」
「んうっ、あっ」
 髪を撫でられ頬を触られ、下ではぐちゃぐちゃになった所に陰茎が当てられる。
 
「痛いだろうが耐えてくれないか」
「は?っ、あ!?はぁっ、あ」
 どちゅん。聞きなれない音を立てて現れた耐えきれない衝撃がベアトリスを襲う。

 それを受けた彼女は視界が真っ白になって、真っ黒になって、そのまま。
 呼吸が浅くなって、思考が途切れて。
 そのままでベアトリスは気絶した。

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