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第一章幼少期ーー5歳編第1節覚醒と第1王子
第1話
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「初めまして、リファティア嬢。僕はアレン・ウェリオス。よろしくね」
この自己紹介を聞いてから、アレン・ウェリオス、彼が邸から帰るまでのことはよく覚えていない。というか、この自己紹介を聞いてから気絶した。覚えていない以前の問題だ。気絶したんだから。
でも、気絶するのも無理はなかったと思う。だって、前世の記憶を思い出したんだから。思い出したきっかけはあれだ。
アレン・ウェリオスの自己紹介。
この時点で察した人もいるかもしれない。彼は前世でやったことのある乙女ゲームの攻略対象者だったんだ。でもその乙女ゲームに、そこまで夢中になった訳じゃなかったから詳しくは覚えていない。前世の友達と妹に勧められてやったんだ。
こんなことになるなら、もっとちゃんとやっておくべきだったかも。バカにしてごめんよ、前世の少々オタクな友よ。
(あれ?てか今世のわたし、ゲームに登場したキャラじゃないような…)
少なくとも、メインキャラじゃない。
今世のわたしは、リファティア・ラルーチェ。愛称はリーファ。リーファはプラチナブロンドのサラサラストレートの長い髪に、光の加減によって金にも見える琥珀色の瞳の現在5歳の美少女だ。ラルーチェ公爵の末娘で家族にかなり溺愛されている。乙女ゲームに出てきそうだけど、出てこない。というのが今世のわたしだ。
そしてわたしに前世の記憶を思い出させた張本人のアレン・ウェリオス。彼はこの国の第一王子で王太子、メイン攻略対象者。現在6歳。金髪サラサラヘアにエメラルドグリーンの瞳の美少年。将来が楽しみな感じだった。まあ、実際ゲームなら王道な正統派の王子系キラキライケメンだしね。王子だけど。
わたし、たぶんモブだけど彼に関わっていいものなのだろうか。うーん。考えるのが面倒になってきた。別にいっか。わたしはわたしが思うように行動するし。それにもう遅いと思うんだよね。だって今気づいたけど、今世のわたしの2人いる兄のうちの1人、攻略対象者なんだよね。それもメインの。本当になんで気づかなかったんだろう。バカかわたし。
とりあえず紹介しておきましょう。今世のわたしの兄、ユリウス・ラルーチェ。現在7歳。公爵家の次男。金色のフワフワの髪に金の瞳の美少年。将来は爽やか系イケメンだが、今はまだ可愛い感じだ。
そして、ユリウスはリーファを溺愛している。
大事なことだからもう一度言おう。メイン攻略対象者のユリウスはリーファ、つまりわたしを溺愛している。
もう攻略対象者に関わる関わらない以前の問題だよね。だって兄だよ?しかもシスコンだよ?多分わたしがいる時点で乙女ゲームの設定は遥か彼方、崩壊してるんじゃないかな?たぶん乙女ゲームの原作気にしてたらやってられないよね。
確かこの乙女ゲーム、攻略対象者が多いことで有名なんだよね。
最初のメイン攻略対象者(ファーストキャラとも呼ばれる)はアレンやユリウスを含めて4人。そしてこの4人を攻略するとルートが開放されるのが、セカンドキャラと呼ばれる4人。そしてこの4人を攻略するとルートが開放されるのがサードキャラと呼ばれる2人。この10人がとりあえず主な攻略対象者。
でもそれだけじゃないこのゲーム。ここまで来るのにも、かなり苦労する。が、他の乙女ゲームでもよくある隠しキャラ。この乙女ゲームでもやっぱり存在する。
隠しキャラは3人。そのうち最も出現率が低く、最高難易度を誇るシークレットキャラと呼ばれるキャラが、1人いる。
最初の8人で苦労するから、9人目10人目が隠しキャラと思われがちだけど。
隠しキャラの出現率っていうのはかなり低い。
シークレットキャラはそれ以上に低いらしいけど。だからこそ、隠しキャラたちの存在を知らなかったって人は多いだろう。
そういうわたしも妹と少々オタクな友に言われて知った。
隠しキャラの出現ルートの開放は何が条件なのかは不明。
ゲームの説明はこれくらいにしておこう。また後々すればいいし。
わたしの前世について軽く触れておこうかな。前世のわたしは雪宮花蓮っていう高3の女子高生だった。気の合う仲の良い友達もいて、その友達はクラスの中でも目立つ方だった。だから、わたしも所謂クラスの中心グループって言われる所に属していたってことかな。毎日楽しく過ごしていて、両親もいて、妹もいて、短かったけど、幸せな人生だったって言えると思う。
わたしの前世の妹は涼花っていう中学2年生の少女。可愛くて明るくて、わたしの自慢の妹だった。
そんな妹と少々オタクな友に勧められたのが、今世の世界の元になったであろう乙女ゲーム、『恋咲くカラフル~咲って泣いて~』。通称は『恋カラ』。勧められたし、語られたし、わたしはファンタジーが好きだし、『恋カラ』はRPG要素ありだったし、で、プレイしたわけだ。わたしは恋愛には興味なかったけど、仮にも女子なので、イケメンをかっこいいとは言えるので、最初のメインキャラの何人かは、一応攻略した。
わたしは「恋愛」には興味なかったとは言ったけど、正確には「恋愛」がわからなかったんだ。
前世の"わたし"、雪宮花蓮はそういう女の子だった。
この自己紹介を聞いてから、アレン・ウェリオス、彼が邸から帰るまでのことはよく覚えていない。というか、この自己紹介を聞いてから気絶した。覚えていない以前の問題だ。気絶したんだから。
でも、気絶するのも無理はなかったと思う。だって、前世の記憶を思い出したんだから。思い出したきっかけはあれだ。
アレン・ウェリオスの自己紹介。
この時点で察した人もいるかもしれない。彼は前世でやったことのある乙女ゲームの攻略対象者だったんだ。でもその乙女ゲームに、そこまで夢中になった訳じゃなかったから詳しくは覚えていない。前世の友達と妹に勧められてやったんだ。
こんなことになるなら、もっとちゃんとやっておくべきだったかも。バカにしてごめんよ、前世の少々オタクな友よ。
(あれ?てか今世のわたし、ゲームに登場したキャラじゃないような…)
少なくとも、メインキャラじゃない。
今世のわたしは、リファティア・ラルーチェ。愛称はリーファ。リーファはプラチナブロンドのサラサラストレートの長い髪に、光の加減によって金にも見える琥珀色の瞳の現在5歳の美少女だ。ラルーチェ公爵の末娘で家族にかなり溺愛されている。乙女ゲームに出てきそうだけど、出てこない。というのが今世のわたしだ。
そしてわたしに前世の記憶を思い出させた張本人のアレン・ウェリオス。彼はこの国の第一王子で王太子、メイン攻略対象者。現在6歳。金髪サラサラヘアにエメラルドグリーンの瞳の美少年。将来が楽しみな感じだった。まあ、実際ゲームなら王道な正統派の王子系キラキライケメンだしね。王子だけど。
わたし、たぶんモブだけど彼に関わっていいものなのだろうか。うーん。考えるのが面倒になってきた。別にいっか。わたしはわたしが思うように行動するし。それにもう遅いと思うんだよね。だって今気づいたけど、今世のわたしの2人いる兄のうちの1人、攻略対象者なんだよね。それもメインの。本当になんで気づかなかったんだろう。バカかわたし。
とりあえず紹介しておきましょう。今世のわたしの兄、ユリウス・ラルーチェ。現在7歳。公爵家の次男。金色のフワフワの髪に金の瞳の美少年。将来は爽やか系イケメンだが、今はまだ可愛い感じだ。
そして、ユリウスはリーファを溺愛している。
大事なことだからもう一度言おう。メイン攻略対象者のユリウスはリーファ、つまりわたしを溺愛している。
もう攻略対象者に関わる関わらない以前の問題だよね。だって兄だよ?しかもシスコンだよ?多分わたしがいる時点で乙女ゲームの設定は遥か彼方、崩壊してるんじゃないかな?たぶん乙女ゲームの原作気にしてたらやってられないよね。
確かこの乙女ゲーム、攻略対象者が多いことで有名なんだよね。
最初のメイン攻略対象者(ファーストキャラとも呼ばれる)はアレンやユリウスを含めて4人。そしてこの4人を攻略するとルートが開放されるのが、セカンドキャラと呼ばれる4人。そしてこの4人を攻略するとルートが開放されるのがサードキャラと呼ばれる2人。この10人がとりあえず主な攻略対象者。
でもそれだけじゃないこのゲーム。ここまで来るのにも、かなり苦労する。が、他の乙女ゲームでもよくある隠しキャラ。この乙女ゲームでもやっぱり存在する。
隠しキャラは3人。そのうち最も出現率が低く、最高難易度を誇るシークレットキャラと呼ばれるキャラが、1人いる。
最初の8人で苦労するから、9人目10人目が隠しキャラと思われがちだけど。
隠しキャラの出現率っていうのはかなり低い。
シークレットキャラはそれ以上に低いらしいけど。だからこそ、隠しキャラたちの存在を知らなかったって人は多いだろう。
そういうわたしも妹と少々オタクな友に言われて知った。
隠しキャラの出現ルートの開放は何が条件なのかは不明。
ゲームの説明はこれくらいにしておこう。また後々すればいいし。
わたしの前世について軽く触れておこうかな。前世のわたしは雪宮花蓮っていう高3の女子高生だった。気の合う仲の良い友達もいて、その友達はクラスの中でも目立つ方だった。だから、わたしも所謂クラスの中心グループって言われる所に属していたってことかな。毎日楽しく過ごしていて、両親もいて、妹もいて、短かったけど、幸せな人生だったって言えると思う。
わたしの前世の妹は涼花っていう中学2年生の少女。可愛くて明るくて、わたしの自慢の妹だった。
そんな妹と少々オタクな友に勧められたのが、今世の世界の元になったであろう乙女ゲーム、『恋咲くカラフル~咲って泣いて~』。通称は『恋カラ』。勧められたし、語られたし、わたしはファンタジーが好きだし、『恋カラ』はRPG要素ありだったし、で、プレイしたわけだ。わたしは恋愛には興味なかったけど、仮にも女子なので、イケメンをかっこいいとは言えるので、最初のメインキャラの何人かは、一応攻略した。
わたしは「恋愛」には興味なかったとは言ったけど、正確には「恋愛」がわからなかったんだ。
前世の"わたし"、雪宮花蓮はそういう女の子だった。
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小説家になろう様、ノベリズム様にも同作品名で投稿しています。
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