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中学生編
9.私と可愛い弟系男子
しおりを挟むどうする、どうする!?
ていうか、君、攻略対象者だよね!?
ぼくの初恋はあなたなんだ、ってヒロインに言うシーンあったよね?あれは嘘だったの?え。
「ぼく、天春景希っていうんだ。お姉さんのお名前を教えて?」
ニコニコと純粋な笑みを浮かべて私の手を握る天春景希に、私が逆らえるはずもなかった。
「な、七海璃空だよ。えっと、景希くんでいいのかな?」
私が名前を呼ぶと、さらに深まる笑顔。キラキラとしたエフェクトとお花が飛んでいるのが分かる。それに比例して私の目は死んでいく。大切ななにかがゴリゴリ削られている気がする。
そして、名案が浮かんだとでも言うような顔をしたと思ったら、私の耳に顔を寄せて、「あのね、お姉さん、ぼくの」
「ヒロ?何してんの?帰るよ」
そして、やってきた、今回ばかりは天の助け、天春景希のお兄ちゃん。彼は、天春景希の攻略時におけるサブキャラ。この人の好感度が高くないと天春景希の好感度が上がらないという何気に鬼畜仕様な景希ルート。
景希の好感度あげるために天春兄の好感度上げる作業していたら、天春兄が推しになってて、いつの間にか、景希そっちのけで、天春兄に会いに行って話しかけてて、気づいたら、別の攻略対象のルートに入ってた、なんてことになってしまったっていう声をネットで何度も見かけたこともあった。つまり、なんで、天春景希の兄ルートがないんですか!?って、全コンプしても隠しルートが見つからないと、血走った目でそう言う人が続出したレベルで、ファンがいるキャラ、それが天春景希の兄だ。ヒロインの一つ上、つまり私たちの一歳上で、優しくて弟思い、溢れる包容力、それが彼の魅力だ。ちなみに、私の前世の母は、この天春景希の兄推しだ。私にこういう人と結婚してよ、というくらいには天春景希の兄を推してたし、そう言われるくらいに天春景希の兄はいい人でできた人間だ。つまり、景希も兄のことを尊敬していて、兄大好きな子。だから、天春景希を攻略する前に兄を攻略しろってなるんだけど。まあ、兄は攻略対象じゃないので、好感度メーターがなかったから、手探りで好感度上げなければいけないんですが。だから、鬼畜だって言われるんだよ。
まあ、景希ルートは鬼畜。はっきりわかんだね。天春兄がこの現状見たらどう思うかな?弟が悪かったねって言ってくれそう。さすあに。できた人だよ、ほんと。実在するんだからね。
お巡りさんが見たら?そう、この世は地獄です。私はナニモワルクナイヨ。
「にいちゃん!」
兄の姿を目にして輝く天春景希の顔。お兄ちゃんのこと好きなんだねえ。可愛い。パタパタと駆け寄った天春景希の頭を撫でる天春兄も手馴れた様子で、さすが兄って感じ。天春景希を見つめる細められた目は温かく、本当に天春景希を可愛がってることが伺える。
「あ、お姉さん。ぼくのことは、ヒロって呼んで!にいちゃんとお姉さんにしか許してない呼び方なんだ!ぼくの告白、考えておいてね!じゃあ、またね!」
はっとなにか(たぶん言いかけたこと)を思い出したように、こちらに駆け寄った天春景希は、そう言って、兄の元に戻り、手を振って図書館から出ていった。天春兄は、苦笑いを浮かべてこちらに会釈して扉を閉めて出ていった。
しばらくポカンとしていた私は、そーくんとれーくんが呼びに来るまでそのままで、復活することは出来なかった。
───────
作者です。ここまでしか書けなかったので、短いけど、とりあえず、ここまであげとく。
天春景希の兄の名前、どうしよう。(´;ω;`)
考えてたのに。メモしてなかったっけ?
した気になってただけ?うそやん。
応援ありがとうございます!
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