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中学生編
8.私と攻略対象者二人目
しおりを挟む「暖かな春の訪れとともに、僕達、118名は…」
新入生代表として挨拶をしている人物に、女子達が色めき立っている。
その女子たちの注目を一点に集めている人物とは、そーくんだ。
最初、新入生代表の挨拶の打診は、私に来ていた。で、その話をそーくんとれーくんは一緒に聞いていたので、ちょうどいいとばかりにそーくんに代表を押し付け、コホンっ、そーくんがあいさつやったらかっこいいよ、と言ってお願いしたのだ。とはいえ、ぶっちゃけ私はやってもやらなくてもよかった。でも、それよりも、そーくんが立派に代表を務める姿を見たかった。心のフィルムに収めたかった。私の幼なじみ兼推しかっこいいでしょ、と心の中で自慢したかったというのが本音だ。
にしても、そーくんとれーくんの紺の学ランの威力やばい。かっこいい!初々しい感じがたまらない!
そーくんが真新しい制服に身を包んで、壇上に立つのを見て、「そーくん、立派になって……」と、心の中で号泣している私。気分は親戚のおばちゃんだ。
例の如く、隣で爆睡しているれーくん。もう、仕方ないなあ。いや、でもやっぱり起きて。
そーくんは、その新入生代表挨拶の話が私に来た時も、あまり興味がなさそうだった。それどころか不機嫌そうですらあった。いや何故?「流石りあ」と、目を見開き、私を褒めながらも完全に他人事だった。そーくん、ちょっとは興味もって。でも、私がそーくんを代表に推薦すると、ちょっと面倒くさそうに眉を顰めたが、「まあ、そっちの方がいいか…」とボソリと呟き、引き受けてくれたのだった。
対して、れーくんは、「へぇーっ!すげぇ!さすがりあ!」と、目をキラキラさせながらも、喜んでくれていた。めっちゃ可愛かった。なのに、実際そーくんが挨拶をしている今現在、爆睡中。後で、そーくんにしばかれるよ?
それは置いといて、そんなこんなで入学式は過ぎ去っていったのだ。
私たちが入学した中学校とは、『君ラブ』の舞台である学園の高等部、のお隣に位置する中等部だ。ちなみに幼等部である幼稚園から大学まである。エスカレーター式とはいえ、進学の試験は難しく、編入試験はさらに難関で偏差値は高い。高等部からの編入生は極小数で外部組と呼ばれ、内部組で進学した人とは溝ができやすいとのこと。
ちなみに、『君ラブ』ではそのあたりが描かれており、編入生であるヒロインの愛奈ちゃんは虐められる(ことになる)。「なんで外部組のあんたなんかが、うちの学園の王子と!」って感じで。うーん、過激派って怖いねぇ。この『君ラブ』にもやっぱり悪役令嬢というものは存在するのだ。完全に当て馬だけど…。
それはさておき、この学園には『君ラブ』のキャラは多いということだ。
うん、補正のせいか、この学園の中等部に来ることになってしまった以上、キャラに会うことは覚悟はしていた。私は来る気はなかったけど、そーくんとれーくんにあんな顔(ウルウルおめめに、上目遣い)をされると、ね?
でもさ、さすがに、学年も校舎も違う君に会うのは予想外だったかなー。いや、たしかに、敷地内だけど!
さすが、初等部、中等部、高等部があるだけに、学園の敷地は広い。広いんだ。それなのに、何故?入学初日だよ?なんで会うの?
「ねえ、お姉さん。ぼく、あなたに一目惚れしちゃった」
頬を薄らと紅色に染め、はにかみながらそう私に告白する人物。この学園の初等部の制服に身を包んだ彼は、天春景希。
ヒロインの一つ年下の攻略対象者だ。なので、今は初等部の六年生ではないだろうか。ふわふわとしたミルクティーブロンドの柔らかそうな髪に、パッチリとした薄い茶色の瞳、透き通るような白い肌をした中性的な顔立ちの彼は、紛れもない美少年で、典型的な可愛い系男子である。可愛らしい笑顔にキュンときた、たまに見せる男らしさとのギャップがハンパないと、『君ラブ』の中でも人気を誇るキャラだった。
さて、お察しの通り、攻略対象者には苗字に季節とか暦とかそういった関係の字が入っている。例外もいるにはいるが、今は別にいいだろう。
そんなことはどうでもいいんだ。
ていうか、え?この人、何言ってんの?
現在地:図書館
急に攻略対象者に告白された時の対処法を求む!
いや、こういう時こそ、そーくんとれーくんの、私に男子を寄せ付けないSEC○M顔負けのバリアが欲しい。なんでいないの。そうだよ、二人とも先生に捕まってたんだよ!それ幸いと、二人をおいて一人で図書館に来たのが間違いだった!ごめんよ、そーくんれーくん!頼むから早く来て!
─────
はい、お久しぶりです。作者です。
思ってたよりも期間があいてしまいました。
やっと、作者のお気に入り景希くん(ヒロくん)が出せました。一言しか喋ってないけどね。自分がつくったキャラはみんな可愛いと思ってるけど(笑)、中でもお気に入りなの、ヒロくん。
前々から、年下男子キャラ出したかったんだ(*´∀`*)
今、年下男子との恋の話を別作品で書いてたけど、投稿しようか迷ってます。
超短編。めっちゃ途中までしか書いてないけどw
頑張って仕上げるか、このままお蔵入りか。
お蔵入り作品すごく多いよ、今の時点で笑
さて、これからヒロくんがどう関わっていくのか、SEC○Mに認められるのか(笑)。
お楽しみに!
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