謎を集めた短編集

先生の顔の落書き

それは、
大海の奥底に眠る遺跡のようで
街の片隅に忘れ置かれた小石のような話。

あなたは、
こんな話を知っていますか？

神奈川県の某廃学校の
3年生の教室の黒板には
人の顔の落書きがある。

なんでも、
その教室を受け持っていた
担任の先生の落書きらしく
夜になると落書きが泣くと噂されていて
地元でも その廃学校は
有名な心霊スポットらしく
肝試しに入った人達が
誰もいないはずなのに
見回りをする男の人を見たり
電気を通ってないのに
パソコン室の明かりが付いてたり
当時 虐めで亡くなった
桜井君の幽霊を見たりと
様々な話をしてくれた。

だが、
廃学校へ入った人達の中に
誰一人として
３年生の教室の
泣く落書きを見たって人はいなかった。

そういえば、
その廃学校の３年生の教室って
3階は何故か 廊下に繋がる通路に
鉄格子の扉が付いてて
鍵は劣化による錆びか
何をしても開かないって
心霊スポット突撃系YouTuberの
霊幻堂チャンネルの松下さんが言ってて
普通は３年生の教室に近づくことすら
出来ないはずなんだけど
なんでそんな噂が流れたんだろう…。

えっ？

嘘じゃないかって？

う～ん、
嘘かもしれないけど…
火の無いところに煙は立たないって言うし
そもそも 学校に鉄格子って 妙な気もする。

後、
本当かどうかはわからないけど
廃学校がまだ学校だった頃
どのクラスかわからないけど
あるクラスの担任の先生が
生徒による虐めで休むようになり
心配して同僚が休んでいる先生の
様子を見に 自宅へ向かうと
休んでいた先生は自宅のロフトで
首を吊っていて
発見された時には亡くなっていて
その先生の顔の落書きが
３年生の教室の黒板に書かれた
落書きなんだとか。

あくまで
どこまでが本当かわからない話。

おしまい