【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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試行錯誤 1

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「今日の実習は、模擬店の試作だ。
試しに、水分量を変えて試作してみよう」

パンの出来上がりを変えるには、水分量、材料、発酵時間、焼く温度と時間、など要素が絡み合ってる。
解してほぐいくには、一つずつトライしていくしか方法は無い。

水分量を3%ずつ変えて、4種類ずつ焼いてみる。

地味な作業を、今週は黙々と続けた。
リーダーの稜也、亜紀、麻未は真剣だ。
特に稜也は先生にヒントを聞きまくり、トライしていた。

「面白い、絶対美味いパンを作る」
彼の性格を考えてリーダーにしたけど、正解のようだ。

亜紀は、コツコツやってる。
細かくデータを取って、大地といつも話し合ってる。
外国でやっていくには、こういう合理性が必要なんだろう。

麻未は、試作しては両親に感想を聞いていた。
夏休み明けから、ずっと研究していた実績がある。
進む方向性は、見えていた。

金曜日の放課後、博多のアンテナショップに寄って明太子を4種類買った。
それを抱えて、高代佑樹氏の家に行った。

「明太子って、メーカーでこんなに味が違うの?」
夕食に食べ比べる為に出したら、驚いてた。

「どれが好き?」

「これか、これかな」
2つを指さしたが、有名店のものだ。

「こっちとは、値段が2倍違うの」
家庭用の切れ子を、指さした。

「味の差は僅かだよ。
食べ比べてるから、判る程度。
安いものでも、単独で食べたら美味しいよ」

確かにそうだ。
これで作れば、市販のフィリングよりずっと美味しくなるだろう。

「ここまで調べるって、学校祭のレベルを超えてるね」

「私の店なの、妥協はしたくない」

「君らしい、それでいいよ」

どうせ、薄皮は取り除く。
味に関係無いところでコストダウンするが、中身では妥協する気は無かった。

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