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「ありがとう、君の接待は完璧だった」

結局、3時間ほど飲んで、お開きになった。
お二人が帰った後、佑樹さんが褒めてくれる。

「ちょっと忙しかった。
お正月の食材が、減っちゃった」

「明日、築地の場外に行こう。
大晦日に、掘り出し物が有るかもしれない」

「行ってみたい、約束よ」

「ああ、任せて」

「二人が君の着物姿を、褒めてた。
今時、家で着物を着ている女なんて居ない。
大事にしろってさ」

「貴方がリクエストしたから」

「そのエプロンも、素敵だ」

「これは割烹着って言うの。
着物を汚さないようになってる」

「君は、俺が知らなかった日本を見せてくれる」
相変わらず、大げさなイタリア人だ。

「もっと、日本の素晴らしさを教えてあげる」
私がそう言ったら、キスされた。

彼に、お風呂に入るように言った。
彼が上がると、私もお風呂に入って温まった状態でベッドに入った。
生理中なので、大人しく彼の腕の中で眠った。

大晦日、朝起きて鍋の残りを味噌汁にした。
パンとコーヒー、それにお味噌汁だ。

「このお椀で食べると、また美味しさが違う」
自分で選んだ汁椀が、気に入ったようだ。

タクシーで、築地場外市場に行った。

水槽にいた、赤なまこを買った。
特売のとらふぐのぶつ切りも買って、器の店に入る。
昨日のりゅうきゅうと筑前煮を入れるイメージで、彼に小鉢を探して貰った。
波佐見焼のモダンな小鉢を見つけたようだ。
大小を4つずつ、購入した。

野菜を買い足して、午前中のうちに部屋に戻って来た。
買ってきた食材を、仕分けして冷蔵庫に収納する。

午後になって、シンガポールの有名ホテルグループから3段重が送られて着た。

私は夕食と、年越し蕎麦の準備を始めた。
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