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「水炊きって、チキンスープの鍋なんだ」
彼の頭の中では、湯豆腐のイメージだったらしい。
大鍋からスープだけを取り出して、土鍋に移す。
サッとお湯を潜らせて、アクを落としたもも肉と野菜を煮込んでいく。
煮立ったところで、スープを皿にとって塩をほんの少し。
「味をみて」彼に渡す。
「え、旨い。何で?」
何でって言われても、返事に困る。
ちゃんと作れば、旨くなるに決まってる。
「食べる人を思って、手間をかけたから」
彼が鍋料理を喜んでくれるから、本気を出した。
「嬉しいよ」一言だけ、返事が来た。
器に、肉や野菜を取り分ける。
私も水炊きを作ったのは、2年ぶりくらいだった。
「美味い。
シンプルだけど、いくらでも入りそうだ」
彼は、黙々と食べていた。
かぼすポン酢と柚子胡椒の組み合わせが、一番合う。
地元の味に、懐かしさを感じた。
ビールから日本酒に切り替えて飲んでいると、彼が話を始めた。
「一緒に鍋パーティーをしたい男の奥さん、ヴィーガンなんだ」
「ヴィーガンって、菜食主義だっけ?」
「そうだ、もっと徹底してる」
「旦那さんは、普通なの?」
「ああ、大飯喰らいで何でも食べる」
「じゃあ、二鍋しかないわ」
「どういうこと?」
「貴方と旦那が同じ鍋で、ヴィーガンの奥様と私が同じ鍋を食べるの」
「君はヴィーガン用の鍋も作れるの?」
「難しくはないよ。肉も魚も、使わなきゃいいんでしょ。
私が奥様の鍋を作るから、貴方が旦那さんの分を作ればいい」
「お金はいくら掛かってもいい。
是非、喜んで貰いたいんだ」
「そんなに掛からないと思うよ。
ただ時間がいるから、早めに教えて」
「相談して良かった。
4人でヴィーガン用の鍋を囲むしか無いって思ってたんだ」
彼の頭の中では、湯豆腐のイメージだったらしい。
大鍋からスープだけを取り出して、土鍋に移す。
サッとお湯を潜らせて、アクを落としたもも肉と野菜を煮込んでいく。
煮立ったところで、スープを皿にとって塩をほんの少し。
「味をみて」彼に渡す。
「え、旨い。何で?」
何でって言われても、返事に困る。
ちゃんと作れば、旨くなるに決まってる。
「食べる人を思って、手間をかけたから」
彼が鍋料理を喜んでくれるから、本気を出した。
「嬉しいよ」一言だけ、返事が来た。
器に、肉や野菜を取り分ける。
私も水炊きを作ったのは、2年ぶりくらいだった。
「美味い。
シンプルだけど、いくらでも入りそうだ」
彼は、黙々と食べていた。
かぼすポン酢と柚子胡椒の組み合わせが、一番合う。
地元の味に、懐かしさを感じた。
ビールから日本酒に切り替えて飲んでいると、彼が話を始めた。
「一緒に鍋パーティーをしたい男の奥さん、ヴィーガンなんだ」
「ヴィーガンって、菜食主義だっけ?」
「そうだ、もっと徹底してる」
「旦那さんは、普通なの?」
「ああ、大飯喰らいで何でも食べる」
「じゃあ、二鍋しかないわ」
「どういうこと?」
「貴方と旦那が同じ鍋で、ヴィーガンの奥様と私が同じ鍋を食べるの」
「君はヴィーガン用の鍋も作れるの?」
「難しくはないよ。肉も魚も、使わなきゃいいんでしょ。
私が奥様の鍋を作るから、貴方が旦那さんの分を作ればいい」
「お金はいくら掛かってもいい。
是非、喜んで貰いたいんだ」
「そんなに掛からないと思うよ。
ただ時間がいるから、早めに教えて」
「相談して良かった。
4人でヴィーガン用の鍋を囲むしか無いって思ってたんだ」
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