【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

２

「ちゃんと生活しているみたいね」

母親が冷蔵庫を開けて、中を見ている。
私がお風呂の準備をしていたら、覗かれていた。

「勝手に開けて、見ないで」

「生活が乱れてないか、冷蔵庫を見ればわかる。
まあ、大丈夫みたいね」

「いいから、お風呂に入って」
無理やりバスルームに連れて行った。

その間に、厚揚げを焼いておく。
母が出てきたところで、かつお節とネギ、生姜をかけて出す。
日本酒を一緒に出した。

「お、気が利くね」

「これ飲んで、ゆっくりしてて」
私はバスルームに向かった。

メイクを落として、ゆっくりと風呂に入る。
やっと生理も終わって、明日に備える気分だ。
私が出て行くと、母はスキンケアを終わってお酒を楽しんでいた。

「相変わらず、そっけない部屋ね」

「そんなに急には変われないわ」

「私の予定では、今頃孫と遊んでるはずだったのに。
どこでこうなったやら」

「愚痴ってたら、追い出すわよ」

「おお怖い、頑固なところはお父さんそっくり」
久しぶりに私に会ったので、母は話したいことが沢山あるようだった。

母と一緒に寝るなんて、離婚直後に家に帰った時以来だ。
心細かった私を抱きしめてくれて、そのまま寝たことを覚えている。
母に抱きしめられていると、直ぐに眠りに落ちた。

翌朝、普段より時間に余裕があるのでお味噌汁を作った。
ご飯も炊いて、和食の朝食だ。

「ちゃんとしてる」

「お昼にパンを食べるから、ご飯にした」

食べながら、今日のイベントを説明する。
他の父兄に、つまらない話をしないように注意をしておいた。

「仲のいい父兄っているの？」

「柊木麻未ちゃんの家を訪問したので、顔見知りなの。
あと柚木武尊の父親には、気をつけて」

「気をつけるって？」

「嫁に来いって言われた」