【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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温泉旅行 1

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「わざわざ迎えに来てくれて、ありがとう」

到着ゲートから出ると、ブルゾンに身を包んだ智貴がいた。
直ぐに、スーツケースを持ってくれる。

「実家に寄るかい?」

「貴方にパンを焼いてきた。
冷蔵庫に入れたいから、マンションに行こう」

空港を出て駐車場に行くと、白い国産車に乗り換えていた。

「俺一人だから、これにしたんだ。
また紗栄子を乗せるとは、考えなかったよ」

助手席に座ると、私達が住んでいたマンションに向かう。
1時間ほどで、部屋に着いた。
ほぼ、私が住んでいた時と変わってない。
ガランとした冷蔵庫の中が、一番違うぐらいだ。

冷凍庫に密閉容器4つを収納して振り返ると、抱き締められてキスされた。

「ゴメン、ここでは許して。
悲しい記憶が、まだ癒えてないの」

「それは悪かった。
君の気持ちを考えなかった」

「いいのよ。私の勝手な気持ちだから」

部屋を出て、宿に向かう。
午後1時から、翌日の昼まで滞在出来る。
昼食を軽く済ませて、宿に入った。

ここはサッカーグランド2面の土地に、点々と古民家やコテージが建っている。
管理棟から部屋までは、自動運転の電動カートで移動した。

部屋は古民家を洋風の内装にした感じで、ダイニングに囲炉裏がある。
お風呂は内風呂と屋根付きの露天風呂が繋がっていた。
内風呂で温まって、そのまま露天風呂に入れる。
ただガラス張りで、ベッドルームから見えるのは驚いた。

「すごく、贅沢なお部屋」

「東京のホテルと、大して値段は変わらない」

「でも流れる時間は、ゆったりしてる」

「誰も来ない、一緒に温泉に入ろう」
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