女難の男、アメリカを行く

第３章 Sophomore

４

今日はOrientation最終日。
Student Involvement Fair（サークル新入生勧誘イベント）が開催されている。
例年通り、ArtGangとDestinationは受付テーブルを並べていた。
俺たち２年生３人は、朝一番から受付を任されている。
プレゼント用のTシャツを並べていると、DestinationのKaliカリが話しかけて来た。

「Amato、お互いのTシャツを交換しない？」

「いいね、交換しよう」
二チーム並んで、お互いの受付当番をこなす。
絵画はArtGang、Digital ArtやPhotographはDestinationとすみ分けが出来ている。
来週に合同の作品展を開催するので、参加希望を書いてくれたFreshManにTシャツをプレゼントした。
午前中だけで５０枚をプレゼント、午後に上級生たちがやって来たので交代する。
俺たちはランチに向かった。

「Amato、お願いが有るんだけど」

「何？俺に出来る事？」

「Aurelijaに私を紹介して欲しいの。彼女を撮影したいんだ」

「話してみるよ、ただし決めるのは彼女だ。過剰な期待はしないでくれ」
Kaliは俺にスマホの画像を見せた、Aurelijaがベルベットのドレスを着てベレー帽を被って誰かとツーショットで写っていた。

「こんな綺麗な子がいたんだって、驚いた。　またドレスが可愛いの」

「俺の母がプレゼントしたドレスだ、日本から贈られて来た」
iPhoneで、俺がOrlandHallで撮影した動画を見せた。
Kaliは食い入るように見ている。

「素晴らしい、もっと撮影したくなった」

夕食は、Aurelijaと一緒にパスタにした。
茹で上がったパスタにベーコン、ほうれん草を一緒に炒めて、パスタオイルを絡める。
出来上がったら、キッチンルームのテーブルに並んで食べた。

「Destinationという美術サークルにKaliというPhotoGrapherがいる。
君を撮影したいから、紹介してくれって頼まれた」
Aurelijaに話して、Kaliの作品を見せる。

「ドレス姿の君を見て、眼を奪われたそうだ。
どうする？」

「モデルをしてもいいけど、彼女って信用出来る？」

「Destinationのメンバー内では、評判は悪くない。
来週、合同作品展があるから会ってから決めればどうだ？」

結局、結論は出さないで会うことにした。
後は、Aurelija自身が決める事だ。