女難の男、アメリカを行く

灰色 猫

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第3章 Sophomore

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Sophomore2年生の学科登録の前に、Academic Adviserと面談した。
俺が考えた登録科目を提示すると、すんなり認められる。
1年分を纏めてスケジュールを組んだが、特に問題は無いようだ。
マクロ経済学、会計学など、Business必修を中心に登録を予定している。

土曜日に行われる、留学生交流会の準備に参加する。
石田先輩の話では、日本人は一人しか入学予定者はいないとの事だった。

「今年は女子一人だけなの、円安だと厳しいね」

「卒業した男子校で留学経験を話したけど、みんな内向きだった」

「留学したら遊べないもん、課題に追われて1週間が終わる」
石田先輩が夢も希望も無い事を言った。

「先輩はモテるでしょ、誘いも多いんじゃないですか?」

「私って臆病なの、なかなか相手を信じ切れない」

「女性は慎重なくらいがいいんじゃないですか?」

「安全を考えるとそうだね、でも海人君なら遊んでもいいかな」

「そんなことを言うと本気にしますよ」
売り言葉に買い言葉になってしまった、舞美から先輩には注意する様に言われていたのに。
これ以上話すのを切り上げて、当日は出席する事にして席を立った。

夜は、Aurelijaと一緒にカレーを作る。
Faruqがハラールチキンを持って来て3人分を作る予定だったが、Cynthia、Marika、Manju、Jackieまで呼んでいた。
結局、野菜を買い足す羽目になり、キッチンルームの大鍋で煮込む。
電気炊飯器2台でご飯を炊き上げた。
さすがに悪いと思ったのか、4人は手分けして春雨のサラダを作っている。

「Amatoのカレーが旨くなってる」
俺のカレーを何度も食べていた、Faruqが驚いている。

「これぐらい辛い方が、私は好き」
Minjuは辛さの変化に敏感だ。

「ガラムマサラを替えたんだ。母が使ってるのを持って来た」
俺は種明かしをする。

「Amatoのmomは料理が上手いからな」
Faruqは納得したようだ。

語学学校からの留学生仲間と一緒に食事すると楽しいけれど、自分の交際範囲の狭さを感じる。
アメリカ人の友人はBraydenぐらいで、他にはArtGangの仲間、Soroityの知り合いぐらいしか交流が無い。
せっかくアメリカで留学しているんだから、自分とは全く違う考え方の友人が欲しい。
もっと時間を作って、新しい事にも挑戦していこう。
あえて口には出さないが、Sophomoreの目標が出来た。

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