女難の男、アメリカを行く

灰色 猫

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第3章 Sophomore

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School House Beachに隣接するコテージに到着してから、無我夢中で俺たちは愛し合っていた。
夕日に照らされた湖を見に行く為に、ベッドルームから出て行く。
シャワーを浴びた舞美は、小花を散らしたサマードレスに着替えていた。
夕食までの時間、二人でビーチを散策する。

「本当に丸い石のビーチなのね。水平線が見える湖って初めてだわ」

「スぺリアル湖は北海道より大きいんだ、西の果てまで行くと俺の大学がある」

「ほとんど人がいないね、こんなに素敵なビーチなのに」
夏のトップシーズンだ、日本ならごった返すだろう。
だがここでは点々と人がいるぐらいで、のんびりとした景色が広がっていた。

陽が暮れて、レストラン棟に二人で向かう。
テラス席に案内されて、BBQバーベキューコーナーでポークチョップやソーセージなどを受け取り、サラダバーでコールスローを盛り付けた。
アメリカは、飲酒は21歳以上からなのでジンジャエールで乾杯する。

「改めて、アメリカ留学おめでとう。乾杯」

「ありがとう、乾杯」
食事をしながら、アメリカの大学生活について色々と話をする。
舞美は大学同士の学術交流協定による留学なので、受け入れ大学のサポートは厚いようだ。
学生寮も一般学生とは別で、留学生専用寮になる。
気をつけないとアメリカの大学生活に慣れた頃には帰国になるはずで、積極的にサークルやイベントに参加する様に話した。

「アメリカでは、受け身だと置いて行かれる。
成績は合格さえすればいいから、何でも興味を持ってイベントには参加しろ」

「判った、日本人的な感覚じゃダメってことね」

「特に、レイプとドラッグには気をつけろ。
日本の常識は通じないから、ハッキリとNoを突き付けろ。
サークルには絶対入った方がいい、掛け持ちでも全然構わない。
舞美の英語は大丈夫だから、積極性さえあれば大丈夫だ」

「海人も苦労したのね、アドバイスに心が籠ってる」

「全く知らずに留学したからな。ただFaruqやBrayden、Aurelijaと知り合うことが出来た。
悪い事ばかりじゃ無いよ」
楽しく食事が終わって、コテージに戻る。
遠回りしてビーチ沿いを歩くと、満天の星空に月が浮かんでいた。

「月がキレイ」

「こっちのネイティブアメリカンでは、スタージョンムーンって言うんだ」

「チョウザメ?」

「そう。8月は漁の最盛期だから月に名前が付いた」

「どこの国でも満月には心動かされていたのね」

コテージに戻ると、バスタブにお湯を張ってゆっくりと入る。
俺がゆっくりしていると舞美が全裸で入って来た。

「夜は、まだまだ長いわ」

俺は、まだまだ眠れそうにもないようだ。
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