女難の男、アメリカを行く

灰色　猫

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第３章　Sophomore

４

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Minneapolisのセントポール国際空港に、佐倉舞美を出迎えにやって来た。
今は夏の旅行シーズン真っ最中なので、空港内は多くの人々でごった返している。
入国審査に時間が掛かって到着ロビーに出て来た舞美は、珍しくパンツルックだった。

「海人、待たせてごめんね。到着してから凄く時間が掛かったの」

「舞美のせいじゃない、気にするな。無事に着いただけでいいんだ」
俺は彼女を軽く抱き締めた。

「Mami、こんにちは。会えて嬉しいわ」

「Marcia、私も会いたかった」
二人がハグをして喜んでいる、初めて会ったのに十年来の友達のようだ。
俺が彼女のキャリーケースを引いて、みんなで駐車場に向かう。
俺が使っている赤いSUVに乗って、Nielsen家に向かって出発した。
Marciaと舞美は、後部座席で並んで座っている。
スラング丸出しで話すMarciaと、対等に英語で話し続ける舞美の英語力は本物だった。

「Mamiからメイクを習いたい、ナチュラル過ぎて驚いたわ」

「日本のメイクは流行らないでしょ。子供っぽいって思われるよ」

「みんな大人にならなきゃ、って同調圧力に流されてる。
Mamiが選んでくれた服を着てから、私はkawaiiに目覚めたの」

日本人には、アメリカは自由の国だと思われている。
個人主義が優先されると考えがちだが、日本とは異なった同調圧力は強い。
子供は親から独立しろ。男は逞しく、女はSexyに。
みんな追い立てられるように、大人になろうとしていた。

２時間半のドライブで、Nielsen牧場の母屋に到着した。
建物だけで100坪は有るだろう、俺はゲストルームに滞在中させて貰ってる。
舞美は同じ部屋で一泊する予定になっていた。

「Mami Sakuraです、よろしく。
今日は、Nielsen家を訪問出来て嬉しいです」

「よくいらっしゃいました、日本ではBraydenが世話になったと聞いています。
Amatoと一緒に楽しんでね」
舞美が両親に挨拶して、歓迎されていた。
挨拶が終わって、俺が今住んでいるゲストルームに案内する。
部屋に入ると、アメリカンカントリーのインテリアに感動していた。

「海人、こんなに可愛い部屋に泊まってたんだ」

「momの趣味なんだ、ゲストルームは３室共にこんな感じだよ」

「明日からどこに行くの？」

「GreenBayのSchool House Beachに行くよ。Wisconsinでも人気のBeachなんだ。
湖畔のコテージも予約してある」

「素敵、楽しみだわ」

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