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第2章 Freshman
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元旦、母に起こされて起きる。
昨日は深夜に舞美を家まで送り届けて、自転車で家まで帰って来た。
風呂に入って寝たのは午前3時過ぎ、眠いはずだ。
居間に降りていくと、兄貴二人も帰って来ていた。
みんなでリビングに座って、明けましておめでとうを言いあう。
母が父から順番にお屠蘇を注いで、みんなが飲んでいく。
俺が最後に飲んで、デパートから届けられた御節料理の重箱が広げられた。
俺がアメリカから買ってきたチーズも、オードブルとして並べられている。
長男の蓮央と次男の仁朗は、両親と一緒にシャンパンを注ぎ始めた。
「今日は、正月だ。お前も飲め」
蓮央から勧められて親父を見ると、飲んでもいいと言わんばかりの顔だった。
俺のグラスにもシャンパンは注がれて、みんなで乾杯する。
「海人も帰って来て、全員が集まっただけで十分だ。
家族が今年も元気でいられますように、乾杯!」
「「「カンパ~イ!!!」」」
「このチーズ、旨いな」蓮央が真剣な顔で味見をしている。
「海人のお土産よ、友達の牧場で作ってるんだって」
「どれぐらいの規模だ?」
「全員で10人くらいかな、家族でやってるんだ」
母が持って来たチーズの包装紙を見ながら、兄貴はnetで検索していた。
母がお雑煮を用意してくれたので、食べてから外出の準備をする。
俺は、JUWのロゴが入ったTHE NORTH FACEのパーカーを着た。
仁朗兄貴が帰る前によこせと言ってる、奴が着ているHELLY HANSENと交換する事にした。
渋谷で舞美と待ち合わせて、明治神宮に参拝する。
手を繋いで、歩く。
結構な距離を歩くことになるが、舞美は楽しそうだった。
「4カ月も離れていたんだもん、一緒に歩くだけで楽しいよ」
「これだけの人がいるんだ、時間が掛かるぞ」
「それでもいいの、一緒にいる時間が大事なんだ」
神社に近づくにつれて、止まっては進むの繰り返し。
案内に従って、やっとのことで参拝を終わることが出来た。
「何、祈ったの?」
「自分に関わる人、全ての安全だ」
「私の事は?」
「君が幸せになれるように祈った」
渋谷に戻って、彼女を家まで送っていく。
彼女の両親に正月の挨拶をすると、家に上がるように促される。
リビングに座るとコーヒーが出されて、母親からアメリカ留学の事を色々聞かれる。
舞美が留学したがってるので、気になるんだろう。
俺がいる中西部の北は白人が多く、アメリカの中でも安全な地域だと説明しておいた。
「iPhoneで撮った写真を見せて」
真正面から言ってくるところが、舞美らしい。
「好きに見たらいいよ」
彼女にiPhoneを渡すと、じっと見ていた。
「この人、美人ね」
Aurelijaの事だ、舞美からしたら気になるのは判る。
「君が言うように、彼女じゃないよ」
俺は、用意していた答えをした。
昨日は深夜に舞美を家まで送り届けて、自転車で家まで帰って来た。
風呂に入って寝たのは午前3時過ぎ、眠いはずだ。
居間に降りていくと、兄貴二人も帰って来ていた。
みんなでリビングに座って、明けましておめでとうを言いあう。
母が父から順番にお屠蘇を注いで、みんなが飲んでいく。
俺が最後に飲んで、デパートから届けられた御節料理の重箱が広げられた。
俺がアメリカから買ってきたチーズも、オードブルとして並べられている。
長男の蓮央と次男の仁朗は、両親と一緒にシャンパンを注ぎ始めた。
「今日は、正月だ。お前も飲め」
蓮央から勧められて親父を見ると、飲んでもいいと言わんばかりの顔だった。
俺のグラスにもシャンパンは注がれて、みんなで乾杯する。
「海人も帰って来て、全員が集まっただけで十分だ。
家族が今年も元気でいられますように、乾杯!」
「「「カンパ~イ!!!」」」
「このチーズ、旨いな」蓮央が真剣な顔で味見をしている。
「海人のお土産よ、友達の牧場で作ってるんだって」
「どれぐらいの規模だ?」
「全員で10人くらいかな、家族でやってるんだ」
母が持って来たチーズの包装紙を見ながら、兄貴はnetで検索していた。
母がお雑煮を用意してくれたので、食べてから外出の準備をする。
俺は、JUWのロゴが入ったTHE NORTH FACEのパーカーを着た。
仁朗兄貴が帰る前によこせと言ってる、奴が着ているHELLY HANSENと交換する事にした。
渋谷で舞美と待ち合わせて、明治神宮に参拝する。
手を繋いで、歩く。
結構な距離を歩くことになるが、舞美は楽しそうだった。
「4カ月も離れていたんだもん、一緒に歩くだけで楽しいよ」
「これだけの人がいるんだ、時間が掛かるぞ」
「それでもいいの、一緒にいる時間が大事なんだ」
神社に近づくにつれて、止まっては進むの繰り返し。
案内に従って、やっとのことで参拝を終わることが出来た。
「何、祈ったの?」
「自分に関わる人、全ての安全だ」
「私の事は?」
「君が幸せになれるように祈った」
渋谷に戻って、彼女を家まで送っていく。
彼女の両親に正月の挨拶をすると、家に上がるように促される。
リビングに座るとコーヒーが出されて、母親からアメリカ留学の事を色々聞かれる。
舞美が留学したがってるので、気になるんだろう。
俺がいる中西部の北は白人が多く、アメリカの中でも安全な地域だと説明しておいた。
「iPhoneで撮った写真を見せて」
真正面から言ってくるところが、舞美らしい。
「好きに見たらいいよ」
彼女にiPhoneを渡すと、じっと見ていた。
「この人、美人ね」
Aurelijaの事だ、舞美からしたら気になるのは判る。
「君が言うように、彼女じゃないよ」
俺は、用意していた答えをした。
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