69 / 169
第2章 Freshman
5
しおりを挟む
「お正月に間に合うように、帰って来たのね」
「思ってた以上に、日本が恋しかった。
格安チケットを探しまくって、カナダ経由で帰って来たよ」
美容室の予約時間の前に、渋谷のStarbucksで佐倉舞美と逢った。
JUWのBookStoreで買った冬期限定のマフラーとTシャツ、お土産のチーズを渡す。
「二人で一緒に、カウントダウンや初詣に行こうね」
「いいね、久しぶりの日本を舞美と楽しみたい」
「もうすぐ生理が終わるから、sex出来るよ。ちゃんとピルを飲み始めてるんだ」
言葉にすると気恥ずかしいことを、平気で言ってくる。
「ああ、楽しみにしてる」そう答えるしか、なかった。
時間が来たので舞美と別れて、宮益坂のヘアサロンに向かった。
****
「督木君、ずいぶん上手くなったな」
高校から師事している先生の書道教室を訪問した。
先生に大学で書いたものをiPadで見せると、予想外の答えが返ってきて戸惑う。
「練習時間が取れなくて下手になるし、アルファベットの字体が決まりません」
「英語は色々と迷って、何でも試した方が良い。
だが隷書体で書いた陶淵明の四時詩は、味わいが出て来た。
高校時代の方が技量は上だが、今の方が作品として良くなっている」
「この詩を朗読してくれた、中国人教授に贈りました」
「それで気持ちが入ったんだな。環境が厳しい分、精神的に成長している。
以前は上手いが、邪念が多かった」
やっぱり先生には敵わない。
高校時代、書道をアメリカの大学に進学する為のツールと考えていた。
入賞して目に見える結果が欲しかったことを、先生は見透かしていたんだろう。
「正月に書初め会がある、参加したらどうだ?」
断る理由が無い、喜んで参加しよう。
「はい、参加させて頂きます」
****
12月31日、年越しそばを食べてから自転車で家を出た。
舞美と待ち合わせて、表参道のイルミネーションを見に行く。
「海人と一緒に歩くって、久しぶり」
「今の時間に二人で歩いても、安全って凄い事だ。
アメリカに行くまで知らなかったよ」
「そんなに危険なんだ?」
「大学内に常設のPoliceがいるし、学生専用アプリで犯罪情報の一斉送信があるんだ。
大麻やドラッグは日常的に見るし、自己防衛が必要だよ」
渋谷のクラブでカウントダウンイベントに参加する。
ソフトドリンクを貰ったが、ドラッグの心配をしなくていい。
それだけで、緊張が緩む。
日本人からしたら結構などんちゃん騒ぎだが、大学のパーティーでもこんなものじゃなかった。
自分の中で、感覚が狂ってると感じる。
カウントダウンが始まって24時を超えた瞬間、舞美を抱きしめてkissをした。
「思ってた以上に、日本が恋しかった。
格安チケットを探しまくって、カナダ経由で帰って来たよ」
美容室の予約時間の前に、渋谷のStarbucksで佐倉舞美と逢った。
JUWのBookStoreで買った冬期限定のマフラーとTシャツ、お土産のチーズを渡す。
「二人で一緒に、カウントダウンや初詣に行こうね」
「いいね、久しぶりの日本を舞美と楽しみたい」
「もうすぐ生理が終わるから、sex出来るよ。ちゃんとピルを飲み始めてるんだ」
言葉にすると気恥ずかしいことを、平気で言ってくる。
「ああ、楽しみにしてる」そう答えるしか、なかった。
時間が来たので舞美と別れて、宮益坂のヘアサロンに向かった。
****
「督木君、ずいぶん上手くなったな」
高校から師事している先生の書道教室を訪問した。
先生に大学で書いたものをiPadで見せると、予想外の答えが返ってきて戸惑う。
「練習時間が取れなくて下手になるし、アルファベットの字体が決まりません」
「英語は色々と迷って、何でも試した方が良い。
だが隷書体で書いた陶淵明の四時詩は、味わいが出て来た。
高校時代の方が技量は上だが、今の方が作品として良くなっている」
「この詩を朗読してくれた、中国人教授に贈りました」
「それで気持ちが入ったんだな。環境が厳しい分、精神的に成長している。
以前は上手いが、邪念が多かった」
やっぱり先生には敵わない。
高校時代、書道をアメリカの大学に進学する為のツールと考えていた。
入賞して目に見える結果が欲しかったことを、先生は見透かしていたんだろう。
「正月に書初め会がある、参加したらどうだ?」
断る理由が無い、喜んで参加しよう。
「はい、参加させて頂きます」
****
12月31日、年越しそばを食べてから自転車で家を出た。
舞美と待ち合わせて、表参道のイルミネーションを見に行く。
「海人と一緒に歩くって、久しぶり」
「今の時間に二人で歩いても、安全って凄い事だ。
アメリカに行くまで知らなかったよ」
「そんなに危険なんだ?」
「大学内に常設のPoliceがいるし、学生専用アプリで犯罪情報の一斉送信があるんだ。
大麻やドラッグは日常的に見るし、自己防衛が必要だよ」
渋谷のクラブでカウントダウンイベントに参加する。
ソフトドリンクを貰ったが、ドラッグの心配をしなくていい。
それだけで、緊張が緩む。
日本人からしたら結構などんちゃん騒ぎだが、大学のパーティーでもこんなものじゃなかった。
自分の中で、感覚が狂ってると感じる。
カウントダウンが始まって24時を超えた瞬間、舞美を抱きしめてkissをした。
3
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる