女難の男、アメリカを行く

灰色 猫

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第2章 Freshman

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土曜日の朝、部屋に戻って来た。
Faruqは爆睡中だ、遅くまでOnline gameをしていたんだろう。
金曜日のジムをさぼったので、着替えてBowman Athletic Centerに向かった。

「Amato、昼飯は何か作ろうぜ。Marikaを誘ってAyaneも連れてきて欲しい」
ジムから戻って来た俺に、Faruqが誘う。

「誰が作るんだよ」

「Amatoに決まってるだろ」
コイツの頭の中を覗いてみたい、自己中を通り越してお花畑だろう。

「ハラール認証された鶏肉を買ってきた。これを使え」
卵は大丈夫と聞いていたので、親子丼なら俺でも作れる。

【Marika、親子丼作るけど食べない? Ayaneさんも誘っていいよ】
メッセージを送ってみる。

【嬉しいです、CynthiaとMinju、Jackieも来ていいですか?】
7人も8人も一緒だ、Aurelijaも呼んだ。

麺つゆが買いたいので、対岸のDuluthにある高級スーパーに行く。
そこは俺にとって、宝の山だった。
ミツカンの追いがつおつゆ32オンス(900gくらい)が、17ドル。
日本製のキューピーマヨネーズ500gが6ドル、ジャワカレーの中辛が8,5ドルなど、バカ高いが送料込みだと納得する。
でもWalmartやALDI食品スーパーでは売ってないものが手に入った。
帰りにALDIに寄って鶏モモ肉、玉ねぎ、ネギ、卵を買い足した。

キッチンルームに戻ると、もうみんな集合していた。
Minjuが炊飯器を持っていたので、2台で8合のご飯を炊く。
その間に、下ごしらえに入る。
石田先輩の玉ねぎの薄切りはプロレベル、鶏肉は一口大に切り揃えた。
結局、ハラールの鶏肉は今回も別鍋になりました。
一つだけ残念なのは、卵が生で食べられない事だ。
当然、親子丼でもしっかり火を入れないと食べられない。

ご飯が炊けたので、サラダボールに装う。
大きいフライパンに出汁を入れ、玉ねぎ、鶏肉を煮てから溶き卵を流し入れる。
煮えたら4分割して、ご飯に乗せた。
Faruqの分は、石田先輩が作ってくれた。

「美味しい、懐かしい味だ」Marikaが嬉しそう。

「甘い味つけが美味しいね」
俺の隣で、Aurelijaが完食している。

「もっと食べたかった」Jackieには足りなかったようだ。
自分で卵と刻みネギ、残ったご飯全部を使って、チャーハンを作った。
これがまた美味い。
俺とFaruqもお代わりをして、全部食べてしまった。

「Amato、Aurelijaとばかり遊んで私たちは放置されてる」
洗い物をしているとCynthiaが来て、嫌味を言われる。

「授業が忙しくて、金曜日から土曜日の昼間くらいしか自由な時間が無いんだ。
Cynthiaも同じだろ」

「だったら感謝祭のお休みはどうするの?」

「アメリカ人の家に招待されてる、まだ決定じゃないけど」
俺は、英語のクラスで一緒のBraydenブレイデンに誘われていた。


※ハラール認証
イスラム法の定める適正な方法で処理、加工された食品であるとの証明

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