女難の男、アメリカを行く

灰色 猫

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第2章 Freshman

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あっという間に、9月も最後の週末になった。
生活のパターンが出来上がり、火、金がトレーニング、水、土の夜はスタジオで書を書いている。
日曜日は予習で一日潰れるので、金曜日の夜から土曜日の午後までが自由な時間になっていた。

【Marika、カレーを作るから食べる?】
アメリカに来てから、一度もカレーライスを食べてない。
母が置いて行ったS&Bカレー粉赤缶の作り方を調べていると、猛烈に食べたくなった。
一人分も二人分も一緒なので、Marikaにメッセージを送ってみる。

sophomore2年生の石田先輩も誘っていいですか?】
日本の知り合いにも食べさせたい気持ちはよく解る、直ぐにOKの返事をした。

「Faruq、カレーは好きか?」

「大好きだ。家のコックがインド人だった、ナスのカレーが食いたい」
インド人のコックがいるって、どんな家だよ。

「メイドは何人いたんだ?」
興味本位で聞いてみた。

「フィリピン人のメイドが、7,8人いたよ」
聞いた俺が馬鹿だった、やっぱり本物の金持ちだった。

「じゃあ、俺が作るカレーは口に合わないな」

「いや、食わせろ。久しぶりに食べたい」

「じゃあ、ALDI食品スーパーまで乗せていけ」

土曜日の午前中、俺とFaruq、Marika、石田先輩でALDIに向かった。
助手席に石田先輩を乗せて、Faruqはご機嫌だ。
俺が押すカートに玉ねぎ、人参、ジャガイモ、ナス、オクラ、ホールトマト、牛肉などを入れていく。
せっかく来たので、パスタや果物、ジュースなども買った。

寮のキッチンルームを借りていたので、調理を開始する、
石田先輩が玉ねぎをスライスしていくが、包丁使いが異次元過ぎた。
俺が玉ねぎを炒めてる間に、全ての野菜と肉の下ごしらえを終わらせてしまう。
ホールトマトを入れてペーストが出来たら、カレー粉を入れる。
肉を入れる前に鍋を分けて、Faruqが食べる分は石田先輩に任せた。
俺が作る分は、鍋にジャガイモ、人参、玉ねぎと先に炒めていた牛肉を加えて煮込んでいく。
あとはじっくり煮込んでいけば、出来上がり。
先輩は、ナスとオクラを素揚げして具材を用意していた。
ご飯も炊き上がり、準備はOK。
最後に火を止めて、ガラムマサラを加えてかき混ぜれば出来上がり。

「美味しい、やっぱり日本のカレーが一番美味しい」
Marikaも久しぶりのカレーを喜んでくれた。

「Amato、今日は誘ってくれてありがとう。
カレーは美味しいし、作るのが楽しかった」
石田先輩も楽しんでくれたようだ。

「Ayane、僕の為に作ってくれてありがとう。
今まで食べたカレーで、一番美味しかった」
Faruqが大げさに褒めていた、まあ気持ちは判る。

石田先輩はMarikaやCynthia、Minjuとは違い、もっとおっとりとしている。
料理上手で、ワンピース姿が可愛い。
Faruqが惚れなきゃいいけど、ちょっと心配になった。
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