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第2章 Freshman
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週末は、一人で静かに過ごした。
ジムでトレーニングをして、洗濯、Walmartで買い物、自習室で予習を終わらせる。
Valerie、Clariceでも知ってる噂だから、当然 Cynthiaたちだって知ってるはずだ。
ただ、何も言ってこないのは助かってる。
もちろん、Faruqは何も言わない。
ArtGangのスタジオで書を書く。
集中してくると周りが気にならなくなる、この時間が好きだ。
感覚が戻って来たので、【 Go ! ELK ! 】筆記体で力強く書いてみた。
半紙(おおよそB4サイズ)なので大きさは物足りないが、文字の動きは表現出来ているはず。
3枚ほど書いて、一番いいのを選んでいた。
「Amato、それ欲しい」
スタジオで油絵を描いていた、先輩のChloeが言ってる。
「練習で書いたから、好きなのを取っていいですよ」
3枚は書き方を少しずつ変えているので、人により好みが出る。
「これ貰うね」
「どうしてそれを選んだんですか?」
「元気があるし、バランスは悪いけど、その分だけ躍動感を感じる」
Chloeは目の付け所が、違う。
絵をやってるだけにバランス良く整ってるより、動きを評価していた。
「Amato、Nameを入れてよ」
作品に督木海人と漢字で署名を入れて、白文の朱印を押す。
「赤いStampがモノクロの作品を引き立てるわ」
「本来ならアルファベットの作品には、アルファベットの署名をするんです。
敢えて、漢字で書いてみました」
「ありがとう、絶対、部屋に飾る」
道具を片付けて、スタジオから寮に戻る。
部屋に帰ってから、Rennaにメッセージを送った。
返信が着て、談話室で会う。
「Renna、悪いがこれをAurelijaに渡してくれないか?」
俺は書き上げた書を見せた。
「もっと気の利いた言葉は無かったの?」
「俺は、これ以上の言葉は無いと思ったんだ。
ともかく、渡してくれ」
「分かった、届けるわ」
「 Go! ELK ! 」JUWの学生にとって特別な言葉だ、入学式、卒業式、全てのスポーツの応援、イベントでコールされる。
会場を包んで、選手を、学生を、参列者、スタッフを鼓舞する。
Aurelijaに、そんな思いが伝わればいい。
日曜日の夜は誰もいないキッチンルームに、ラーメン専用の電気鍋を持ち込んだ。
沸騰したお湯に、Walmartで買った日清ラ王ソイソース味、卵を落として後は3分間煮るだけ。
出来上がったので、Pyrexのサラダボウルに入れた。
刻みネギが無いのが寂しいが、一人だから思う存分、麺を啜る。
アメリカ式のエチケットなど知るものか、麺を啜るのも日本文化なんだ。
これだけで何倍も美味い気がする、あっという間に空っぽになった。
ジムでトレーニングをして、洗濯、Walmartで買い物、自習室で予習を終わらせる。
Valerie、Clariceでも知ってる噂だから、当然 Cynthiaたちだって知ってるはずだ。
ただ、何も言ってこないのは助かってる。
もちろん、Faruqは何も言わない。
ArtGangのスタジオで書を書く。
集中してくると周りが気にならなくなる、この時間が好きだ。
感覚が戻って来たので、【 Go ! ELK ! 】筆記体で力強く書いてみた。
半紙(おおよそB4サイズ)なので大きさは物足りないが、文字の動きは表現出来ているはず。
3枚ほど書いて、一番いいのを選んでいた。
「Amato、それ欲しい」
スタジオで油絵を描いていた、先輩のChloeが言ってる。
「練習で書いたから、好きなのを取っていいですよ」
3枚は書き方を少しずつ変えているので、人により好みが出る。
「これ貰うね」
「どうしてそれを選んだんですか?」
「元気があるし、バランスは悪いけど、その分だけ躍動感を感じる」
Chloeは目の付け所が、違う。
絵をやってるだけにバランス良く整ってるより、動きを評価していた。
「Amato、Nameを入れてよ」
作品に督木海人と漢字で署名を入れて、白文の朱印を押す。
「赤いStampがモノクロの作品を引き立てるわ」
「本来ならアルファベットの作品には、アルファベットの署名をするんです。
敢えて、漢字で書いてみました」
「ありがとう、絶対、部屋に飾る」
道具を片付けて、スタジオから寮に戻る。
部屋に帰ってから、Rennaにメッセージを送った。
返信が着て、談話室で会う。
「Renna、悪いがこれをAurelijaに渡してくれないか?」
俺は書き上げた書を見せた。
「もっと気の利いた言葉は無かったの?」
「俺は、これ以上の言葉は無いと思ったんだ。
ともかく、渡してくれ」
「分かった、届けるわ」
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会場を包んで、選手を、学生を、参列者、スタッフを鼓舞する。
Aurelijaに、そんな思いが伝わればいい。
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出来上がったので、Pyrexのサラダボウルに入れた。
刻みネギが無いのが寂しいが、一人だから思う存分、麺を啜る。
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