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第2章 Freshman
Fall semester 1
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9月最初の月曜日、大学最初の講義が始まる。
English Composition(英作文)から始まったが、Syllabusから衝撃的だった。
簡単に言えば、日本人が国語を勉強することと同じ。
PoetryからShort Storyまで、自分の作品を提出する事が要求されている。
ネイティブのアメリカ人が苦戦するレベルだ。
現代文の直接表現でもやっとついて行くレベルなのに、鬼に金棒、猫の手も借りたいレベルの比喩表現を英語でしなければならない。
これでも上から3番目の英語クラス、そのうえ必修科目だ。
逃げ場は無い。
ランチは、カフェテリアで食べる。
寮生はミールプランに強制加入させられる、俺が選んだのは週に12回まで利用出来るプランだ。
食べ放題なので、平日は昼、夜、週末は1回だけにしている。
「Amato、ベジタリアンみたいだね」
「メニューに、高カロリーなものが多過ぎる。
野菜だけは旨いから、チキンかビーフと組み合わせている」
サラダにスイーツ2個を持って来た、Minjuと向かい合って食べる。
「英語のクラスが衝撃だった、自信が無くなったよ」
「私は、語学学校の先生に相談するつもり。
このままじゃ、スコア4を取るのは難しいでしょ」
「次の講義が終わったら、一緒に行かないか?
早い方がいいだろう」
お互いの意志が合致して、待ち合わせることにした。
数学のクラスは、問題は無かった。
敢えて言えば、用語が英語になっていることぐらいだ。
必要な単語は夏の間に一通り勉強していたので、特に困ることは無いだろう。
Minjuが待っていたので、自転車にステップを着けて後ろに立ち乗りさせる。
語学学校までは歩くと15分くらい掛かるが、5分で着いた。
「自転車なんて、中学以来だわ。
男の子の後ろに乗ったのは、初めてだった」
Minjuには手を出すな、舞美の言葉が蘇る。これ以上の深入りは止めておこう。
「Phoebe先生、お久しぶりです。
今日は、English Compositionクラスについて相談に来ました」
「Minjuも一緒とは、二人共本当に困ってるみたいね」
「奨学金を貰っているので、あまりの成績では不安なんです」
「まず言っておくけど、アメリカ人でも難しいの。
彼方たちだけが困ってる訳じゃないということを判ってね」
「「はい」」
「一緒に協力出来る、アメリカの友人を作りなさい。
一人で頑張るより仲間がいる方が、もっと頑張れるでしょう」
Phoebe先生の話を聞いて、少し落ち着くことが出来た。
ちょっと成績を上げる事に、囚われ過ぎていたかもしれない。
二人で挨拶をして、語学学校を出た。
「相談に来て良かったね」
Minjuの顔が、来る時よりも明るい。
「始まっても無いのに、怖がり過ぎた。
やっと大学生活が始まったんだ、楽しもうぜ」
English Composition(英作文)から始まったが、Syllabusから衝撃的だった。
簡単に言えば、日本人が国語を勉強することと同じ。
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ネイティブのアメリカ人が苦戦するレベルだ。
現代文の直接表現でもやっとついて行くレベルなのに、鬼に金棒、猫の手も借りたいレベルの比喩表現を英語でしなければならない。
これでも上から3番目の英語クラス、そのうえ必修科目だ。
逃げ場は無い。
ランチは、カフェテリアで食べる。
寮生はミールプランに強制加入させられる、俺が選んだのは週に12回まで利用出来るプランだ。
食べ放題なので、平日は昼、夜、週末は1回だけにしている。
「Amato、ベジタリアンみたいだね」
「メニューに、高カロリーなものが多過ぎる。
野菜だけは旨いから、チキンかビーフと組み合わせている」
サラダにスイーツ2個を持って来た、Minjuと向かい合って食べる。
「英語のクラスが衝撃だった、自信が無くなったよ」
「私は、語学学校の先生に相談するつもり。
このままじゃ、スコア4を取るのは難しいでしょ」
「次の講義が終わったら、一緒に行かないか?
早い方がいいだろう」
お互いの意志が合致して、待ち合わせることにした。
数学のクラスは、問題は無かった。
敢えて言えば、用語が英語になっていることぐらいだ。
必要な単語は夏の間に一通り勉強していたので、特に困ることは無いだろう。
Minjuが待っていたので、自転車にステップを着けて後ろに立ち乗りさせる。
語学学校までは歩くと15分くらい掛かるが、5分で着いた。
「自転車なんて、中学以来だわ。
男の子の後ろに乗ったのは、初めてだった」
Minjuには手を出すな、舞美の言葉が蘇る。これ以上の深入りは止めておこう。
「Phoebe先生、お久しぶりです。
今日は、English Compositionクラスについて相談に来ました」
「Minjuも一緒とは、二人共本当に困ってるみたいね」
「奨学金を貰っているので、あまりの成績では不安なんです」
「まず言っておくけど、アメリカ人でも難しいの。
彼方たちだけが困ってる訳じゃないということを判ってね」
「「はい」」
「一緒に協力出来る、アメリカの友人を作りなさい。
一人で頑張るより仲間がいる方が、もっと頑張れるでしょう」
Phoebe先生の話を聞いて、少し落ち着くことが出来た。
ちょっと成績を上げる事に、囚われ過ぎていたかもしれない。
二人で挨拶をして、語学学校を出た。
「相談に来て良かったね」
Minjuの顔が、来る時よりも明るい。
「始まっても無いのに、怖がり過ぎた。
やっと大学生活が始まったんだ、楽しもうぜ」
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