23 / 169
第1章 Start
16
しおりを挟む
ついに語学学校は、最終週を迎えた。
今までに勉強したことの総仕上げとして、卒業試験が始まる。
あれほど聞き取れなかったスペイン語訛りや、早口の英語もほぼ解る。
レポートやエッセイで使う、単語や文法の選択の幅が広がった。
英語漬けの12週間、日本人のMarikaとも英語でしか話していない。
週に一度、母親の華とSkypeで話す以外は、TVや映画も100%英語だけだった。
それでも友達も出来たし、ルームメイトと喧嘩したり、笑い合う仲になっている。
試験の結果はともかく、大学でやっていく準備は出来た。
卒業式は、講義を受けていた教室で行われた。
一人づつ呼ばれて、学校長から終了証書を受け取りスピーチをする。
俺の番が回って来て、証書に3,6のスコアが書いてあった。
満点が4点だから、Aランクだ。
「まずは、粘り強く指導してくれた先生たちに感謝します。ありがとう。
次に二人のクラスメートに感謝を送りたい。
まず Jackie、初日からチームに誘ってくれてありがとう。
君とのペアは最強だった、これからもチームメイトでいて欲しい。
次にNicoll 、君のスペイン語訛りで早口の英語は俺の自信をぶっ壊した。
おかげで、素直に英語を学ぶきっかけになった。
君の名前を書に書き上げるのが楽しみだ、出来上がったらプレゼントするよ。
最後に、一緒に勉強したみんな、ありがとう」
自分なりに考えたスピーチは、自信を持って話せた。
皆んなが拍手で讃えてくれるのが嬉しい。
最後に最優秀生徒が発表されて、最高スコア 3,9を出した Minju が選ばれた。
シャープな顔立ちに一重の瞳がクールな印象を与えるが、熱いハートの持ち主だ。
真面目に勉強する上に、ディベートやデスカッションにも強い。
よほど嬉しかったのか、ちょっと涙ぐむ姿が印象に残った。
最後に講師たちが前に並び、学校長のスピーチで全てが終了した。
その瞬間、学生みんなが大声を上げて凄い騒ぎになった。
みんなの笑顔が、辛かった時間を吹き飛ばす。
そんな中、担任だった講師のPhoebeから声を掛けられた。
「Amato、自己紹介の時に出した Steve Jobs氏の名言【Stay hungry, Stay foolish】を語学学校に提供して欲しい。
フレームに入れて、飾りたいと思ってる」
「ああ、いいですよ。飾られるなんて光栄です」
「大学に入っても続けなさい。彼方の個性を表現する武器になるから」
「ありがとうございます。大学に入ったら、アルファベット書道を極めたと思ってます。
素敵な作品が出来たら、公開しますね」
高校から直接、大学へ進学しないでよかった。
語学学校を挟むことで英語も上達したし、学生寮の生活を経験出来たことは大学の準備になる。
この3カ月は大変だったが、英語だけに専念出来たことは幸いな事だった。
今までに勉強したことの総仕上げとして、卒業試験が始まる。
あれほど聞き取れなかったスペイン語訛りや、早口の英語もほぼ解る。
レポートやエッセイで使う、単語や文法の選択の幅が広がった。
英語漬けの12週間、日本人のMarikaとも英語でしか話していない。
週に一度、母親の華とSkypeで話す以外は、TVや映画も100%英語だけだった。
それでも友達も出来たし、ルームメイトと喧嘩したり、笑い合う仲になっている。
試験の結果はともかく、大学でやっていく準備は出来た。
卒業式は、講義を受けていた教室で行われた。
一人づつ呼ばれて、学校長から終了証書を受け取りスピーチをする。
俺の番が回って来て、証書に3,6のスコアが書いてあった。
満点が4点だから、Aランクだ。
「まずは、粘り強く指導してくれた先生たちに感謝します。ありがとう。
次に二人のクラスメートに感謝を送りたい。
まず Jackie、初日からチームに誘ってくれてありがとう。
君とのペアは最強だった、これからもチームメイトでいて欲しい。
次にNicoll 、君のスペイン語訛りで早口の英語は俺の自信をぶっ壊した。
おかげで、素直に英語を学ぶきっかけになった。
君の名前を書に書き上げるのが楽しみだ、出来上がったらプレゼントするよ。
最後に、一緒に勉強したみんな、ありがとう」
自分なりに考えたスピーチは、自信を持って話せた。
皆んなが拍手で讃えてくれるのが嬉しい。
最後に最優秀生徒が発表されて、最高スコア 3,9を出した Minju が選ばれた。
シャープな顔立ちに一重の瞳がクールな印象を与えるが、熱いハートの持ち主だ。
真面目に勉強する上に、ディベートやデスカッションにも強い。
よほど嬉しかったのか、ちょっと涙ぐむ姿が印象に残った。
最後に講師たちが前に並び、学校長のスピーチで全てが終了した。
その瞬間、学生みんなが大声を上げて凄い騒ぎになった。
みんなの笑顔が、辛かった時間を吹き飛ばす。
そんな中、担任だった講師のPhoebeから声を掛けられた。
「Amato、自己紹介の時に出した Steve Jobs氏の名言【Stay hungry, Stay foolish】を語学学校に提供して欲しい。
フレームに入れて、飾りたいと思ってる」
「ああ、いいですよ。飾られるなんて光栄です」
「大学に入っても続けなさい。彼方の個性を表現する武器になるから」
「ありがとうございます。大学に入ったら、アルファベット書道を極めたと思ってます。
素敵な作品が出来たら、公開しますね」
高校から直接、大学へ進学しないでよかった。
語学学校を挟むことで英語も上達したし、学生寮の生活を経験出来たことは大学の準備になる。
この3カ月は大変だったが、英語だけに専念出来たことは幸いな事だった。
2
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる