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第1章 Start

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「ここは冬になると雪が積もるし、凍結するから4WDのSUVにしたんだ。
日本車は故障しなくて安心出来る、選ぶのは当然だろ」
奴の自慢話を聞きながら駐車場行くと、新車のトヨタが停まっていた。

Faruqファリーク、運転は得意なのか?」

「16歳から運転しているよ。
ドバイでは、ポルシェで高校に通っていたんだ」
当たり前のように話すので、こっちは頷くしかない。
女の子たちも、Faruqの話に驚いていた。

****

課題に追われて、やっと金曜日の講義が終わった。
週末の開放感に包まれてランチに行こうとすると、アジアン三人娘に囲まれた。

「Amato、ファーストデートはAurelijaとするって本当?」
Cynthiaが怒りを抑えて聞いてきた。

「向こうからデートに誘われたから、今はその気が無いって断った。
俺に余裕が出来たら、こっちから誘うって返事をしてある」

「それはOKって事でしょ?」

「じゃあ、それでいい」
何を言っても弁解と取られそうだから、開き直った。

「AurelijaとRennaに日本のお茶をご馳走したんでしょ。
Amatoの心配りが素敵だったって、私たちに自慢してきたの。
私たち、仲間のはずなのに一度も招待されてない」
Minjuも不満そうだ。

「元々、日本の茶道は中国から伝わったものが起源になっている。
韓国だって、茶礼の伝統があるだろ。
Marikaは、日常的にお茶は飲んでるはずだ。
当然、三人ともお茶を淹れて客をもてなすくらい出来るよね?」

逆手に取って、反論してみた。
3人共、正式に教わった経験は無いようだ。

「Amatoって、お茶に詳しいのね」

「留学前に、祖母から特訓されたんだ。
精一杯の気配りで相手の気持ちに応えるっていう、心構えを教わった。
ホームシックになったら、お茶を淹れて心を落ち着けろって言われてる」

「素敵なお祖母さまだわ」Marikaには伝わったようだ。

「私達も、Amatoの淹れてくれるお茶を飲みたいの」
Cynthiaは食い下がった。

「じゃあ、俺に中国のお茶を飲ませてくれ。
別に正式な作法じゃ無くていいんだ、お互いに飲み比べて楽しめればいい」

「俺達も参加していいだろう?」
周りで聞いていたJacky、Faruqが言い出す。

「Faruqの国にも、お茶の文化はあるのか?」

「アラビアには、アラビックコーヒーがある」
「俺も台湾烏龍茶を持ってきてる」

「じゃあ、それを飲ませろ」

日曜日に、みんなでキッチンルームに集合だ。
お茶とお菓子を持って寄って、午後3時のティータイムを楽しむ事にする。
直ぐに、Cynthiaたちが部屋の予約を入れていた。

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