女難の男、アメリカを行く

第１章 Start

２

「Kellyケリーよ、よろしくね」

「日本から来ましたAmatoアマトです。よろしくお願いします」
入寮した後、国際センターでキャンパス案内のボランティアと面会した。
２年生の白人女性で、異文化交流サークルに所属している。

今日は語学学校の授業棟、Bowman Athletic Center、Book store大学　生協、カフェテリア、Barbara Ann Cochran図書館など、俺が利用する施設を案内してもらう予定になっていた。
Justitia University のキャンパスは広さが230エーカー、日本的に言うと東京ドーム20個分の面積がある。
建物が書き込まれた地図を受け取って、構内を歩いて回る。
学術棟は１０棟くらいの建物が並んでおり、地下通路やSkyway連絡通路で繋がっていた。

「Amatoは何でJUWを選んだの？」
歩きながら、Kellyに聞かれる。

「俺は大都会東京で育ったんですよ。
Americaで言えば、NYニューヨークとD.C.ワシントンを一緒にしたような街なんです。
自分で選択出来る大学生活だから、自然豊かなSuperiorシューピアリアのJUWに決めました」

「言ってる事は、理解出来るわ。私もChicagoシカゴからここに来たの」

「JUWの生活は、どうですか？」

「勉強とActivityサークル活動しか、やることが無いくらいよ。
どうしても遊びたい時は、みんな対岸の街 Duluthダルースに行くの」

「急いで、寝具や生活必需品を買いたいんですが？」

「Walmartが街の外れにあるわ。
車が無いなら、Uberを呼んだ方がいいね」

トレーニングジムの利用方法、カフェテリアの支払いなど、理解する事が出来たのは助かった。
２時間かけて全てのスケジュールをこなして、国際センターに戻る。
Kellyの報告が終わったら、一緒にランチに行った。

「Amatoに誘われるって、思わなかった」

「もっと話したかったけど、迷惑でしたか？」

「気にしないでいいわ。
アジア人の男子に誘われたのが初めてなの、驚いただけよ」
学内のバーガーショップで、ランチを食べる。
日本のハンバーガーより大雑把だが、これが本場の味なんだろう。

「JUWにはアジア人留学生は少ないんですか？
入学前に見た資料では、全部で５００人の留学生がいるはずですが」

「アジア人は大都市の有名大学か、西海岸の大学に行くの。
JUWでは日本人は確か３人のはず、アジア人全部でも７０人くらいしかいないよ」

「どこの国が多いんですか？」

「今は中南米とアフリカかな。隣のカナダからも、結構来ている」

その後、寮生活の話や大学生活の話など、色々とアドバイスして貰う。
１時間ほど楽しく話をして、WhatsAppのアカウントを交換して別れた。